2007-01-01から1年間の記事一覧

其の210:無責任男とツンデレ女「マッチポイント」

映画監督は「職業」が「映画を作る」事なのだからコンスタンスに作品を発表するべきだと思うのだが、いかんせん「興行」が絡んでくる分なかなか難しい。大コケした映画を作った日には何年も干されてしまうし。その点、才人ウディ・アレンはコンスタンスに良…

其の209:秀作犯罪映画「天国と地獄」

昨夜、テレビ朝日でスペシャルドラマ「天国と地獄」を放送していました。かの黒澤明の作品の現代的リメイクです。オリジナルはかなり前に観たきりだったので、本日見直してみたら・・・昨夜のドラマはほとんど台詞回しからシチュエーションに至るまでそっく…

其の208:これぞ石井「人が人を愛することのどうしようもなさ」

かのクエンティン・タランティーノもファンだと公言する石井隆監督の新作「人が人を愛することのどうしようもなさ」を観てきました。なんせ前売り券買ったときに「予定より上映期間が短くなる可能性もあるので、お早めにご覧下さい」と言われましたから(苦…

其の207:爽やかなドラマ「愛はクロスオーバー」

いま発売中の「日経エンタテインメント」で、40代以下の男女3000人に行った「世界が終わる前に最後に見ておきたい映画(DVD)は?」というアンケートの結果が出ていた。栄えある第1位に選ばれたのは、なんと「アルマゲドン」(驚)!! 地球の6割…

其の206:男のインナースペース「髪結いの亭主」

久々に「女性も好き系」&「最近、聞かなくなった監督シリーズ」を(笑)。フランスの監督パトリス・ルコントはコンスタンスに作品を発表しているようですが、余り話題になりませんなぁ(ファンの方、ごめんね)。監督10本目にして日本で初めて紹介された…

其の205:元祖トラベルミステリー「オリエント急行殺人事件」

今日、帰りの電車の中でアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を読んでる男性(おっさん)がいた。懐かしいねぇ、筆者も学生時代に読んだ。映画もオリジナル版以外は観た(何度もリメイクされている)。横溝正史が同書を参考にして「悪魔の手毬…

其の204:観たぞ!アメリカ版「グラインドハウス」<後編>

前回に続いて「グラインドハウス U.S.A.バージョン」のご紹介。今度はカンヌにも出品したクエンティン・タランティーノ監督作「デス・プルーフ」です。<シネ友>ロバート・ロドリゲスが「俺はゾンビを作る!」と言ったときに、タラは「じゃ、俺はスラ…

其の203:観たぞ!アメリカ版「グラインドハウス」<前編>

小中学生のとき、近くにあった映画館(俗にいう「二番館」や「三番館」)で筆者は傑作から駄作まで浴びるように映画を観た。それが現在の仕事でいかに役立っていることか、当時は知る由もない(笑)。一方、太平洋を隔てた映画大国アメリカにもB級映画を連…

其の202:去り行く夏の香り・・・「遠雷」

本当は観客参加型ムービー「ロッキー・ホラー・ショー」を考えていたのですが後日にして(笑)根岸吉太郎監督初期の秀作「遠雷」(’80)を(全然違うやんけ)。季節にはそれぞれ独特の<雰囲気>や<香り>がありますが・・・今日、筆者は帰宅するとき何故…

其の201:男は誇り高く生きよ「北国の帝王」

終戦記念日の今日は反戦映画を紹介するのが普通なんでしょうが、それでは当たり前過ぎるのでラクエル・ウェルチ主演作・・・ではなくって「北国の帝王」(’73)!北国と言っても北島三郎の映画ではありません(笑)。米・大恐慌時代を舞台にハードな男たち…

其の200:我がヒーロー「シャーロック・ホームズの冒険」

勝手に200回目を記念して趣味の映画を(笑)。筆者の好きなヒーローのひとりがコナン・ドイルが創作した名探偵シャーロック・ホームズ(漫画「名探偵コナン」の名はコナン・ドイルからとられたもの)。熱狂的なホームズマニアを「シャーロキアン」と呼ぶ…

其の199:掘って掘って掘りまくる「穴」

久々にフランス映画、それもフィルム・ノワールをご紹介。1960年の映画「穴」で御座います。タイトルに「掘って掘って〜」と書きましたが、オカマがケツを掘る映画ではありません(笑)。脱獄ものです^^アメリカにもイーストウッドの「アルカトラズか…

其の198:ビバ!裕次郎「狂った果実」

最近、悲しいぐらい観る映画がハズればかり(涙)!フランス製アニメ映画「ルネッサンス」はストーリーがよくあるパターンで映像に反して目新しさはないし、デイヴィッド・リンチ監督(数年前に従来のデビッド・リンチから日本表記が変更された)、ローラ・…

其の197:ロリコン仕置き人登場!「ハード・キャンディ」

我が国では少女買春して逮捕される輩が後を絶ちませんが(情けない)、超大国アメリカでもそれは同様のようで大きな社会問題のひとつになっております。そんなロリコン男(「ロリータ」を書いたナボコフの功績は計り知れんのぅ)に正義の鉄槌を食らわせる1…

其の196:しつこさ満点「ファイナル」シリーズ

外国映画には当然、日本で公開される際に「邦題」がつけられる。「風と共に去りぬ」や「巴里祭」などというのは名邦題としても知られている(フランスではそんな名称はないけれど)。いまじゃまんまカタカナ表記という手抜きの方が多いですけど(苦笑)。今…

其の195:隠された開拓の真実「ソルジャー・ブルー」

これまでアメリカ映画は常に<敵>を求めてきた。ナチス、日本軍、ソ連、そしてイラク・・・古くはご存知イン●ィアン(放送禁止用語)となるわけだが、ぶっちゃけアメリカの開拓の歴史とは<先住民駆逐>の歴史にほかならない。要は白人が<侵略者>なわけだ…

其の194:社会人こそ観ろ!「イージー・ライダー」

アメリカン・ニューシネマを代表する1本「イージー・ライダー」。傑作である。ケネディ暗殺事件やベトナム戦争を背景に起こった文化的暴動、いわゆる<カウンター・カルチャー(=対抗文化)>を描いた作品であり、すぐれた青春映画でもある(ジャック・ニ…

其の193:天才の実像と生涯「アマデウス」

「天才」と言われる人たちは生前、不幸である場合が多い。画家ゴッホは生きている間に売れた絵は僅かに1枚だけだったし、作家・宮沢賢治も本が全く売れず不遇のまま一生を終えている。まさか死んだあとにここまで有名になるとはー絶対に思ってなかったに違…

其の192:「アルジェの戦い」は本当に生々しい!!

昨秋、筆者はフランスに行ったのですが、パリ市内でかなりの数の黒人を目にしました。その昔、フランスが植民地にしていたアルジェリアからの移民だと思われます(そういう歴史があった事を知っていたので。違ってたらゴメンね)。 1966年のイタリア映画…

其の191:これが本家?「カジノロワイヤル」

昨年、スピルバーグの映画「ミュンヘン」に出演したダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド(6代目)に扮したシリーズ第21作「007/カジノ・ロワイヤル」が公開されました。これこそ原作者イアン・フレミングによる「007」第1作!だが、今回がこ…

其の190:「ダイ・ハード4.0」を観たけれど

12年ぶりのシリーズ作「ダイ・ハード4.0」を観ました。ブルース・ウィリスのブレイク作ともあって(ウィリスは製作も兼任)アメリカ各地を舞台に、もの凄いアクションがてんこ盛り!主人公は・・・もう人間ではない(苦笑)。 監督が「アンダーワールド…

其の189:犯人は誰?「ゾディアック」

「セブン」、「ファイト・クラブ」で知られる映像派デビッド・フィンチャー。ジョディ・フォスター主演「パニック・ルーム」以来となる彼の新作がこの「ゾディアック」です。猟奇事件に興味があり「週刊マーダーケースブック」とか読んでた人には(懐かしい…

其の188:日本&イタリア、珍品ピンクコメディ

記録に残すべき日本とイタリア(第2次大戦で同盟組んでましたな)の珍品ピンクコメディを2本立てで紹介します(笑)。 まずは東映が1960年代から70年代にかけて、当時隆盛を誇った独立プロによるピンク映画を駆逐すべく放った「東映ピンク時代劇」の…

其の187:アバンギャルドな大人のアニメ「哀しみのベラドンナ」

「漫画の神様」故・手塚治虫。漫画文化における彼の功績は今更ここで言うまでもない。その手塚が社長をつとめたアニメ制作会社が「虫プロ」である。氏曰く「(自分にとって)漫画は恋人。アニメーションは金のかかる愛人」。その虫プロがご存知「鉄腕アトム…

其の186:殺人ゲームへようこそ「華麗なる殺人」

イタリアを代表する大物俳優であり、フェデリコ・フェリーニの諸作でも知られる故マルチェロ・マストロヤンニ(「ひまわり」もこの御仁)。その彼が1965年に出演したB級SFアクション映画が「華麗なる殺人」!一昔前によくあった<マン・ハント(人間…

其の185:シュールな恋愛映画「あの胸にもういちど」

ダウンタウン松本人志の初監督作品「大日本人」を観ましたが・・・予想はしていましたが超シュールな出来でした(苦笑)。1968年に制作された「あの胸にもういちど」も超シュール!日本人的にはアラン・ドロンの作品と思われがちですが、主人公はパツキ…

其の184:漢(おとこ)たちの熱き心意気「300」

日本通のアメコミ漫画家フランク・ミラー(かの「シン・シティ」の原作者でもある)。その彼のグラフィック・ノベル(文学的要素が強い大人向けコミック)の実写映画化が「300<スリーハンドレッド>」!100万のペルシャ軍を相手にスパルタ(古代ギリ…

其の183:映画ファン必見「監督・ばんざい!」

吉永小百合の熱狂的ファンを「サユリスト」と呼ぶが、ビートたけし(北野武)の熱狂的ファンを「タケシスト」あるいは「キタニスト」と言う。かくいう筆者もキタニストを自認する一人!勿論、北野映画は全てリアルタイムで劇場で観賞している(=自慢してマ…

其の182:エロエロカルト作「キャンディ」

ようやく仕事が落ち着いたので久々の更新です^^。本当は今日、敬愛する北野武監督の最新作「監督・ばんざい!」を観賞予定でしたが、大雨なので延期しました(笑)。 で話は180度変わりますが・・・我が日本では女子高校生以下の女児に欲情するロリータ…

番外編:「好きな映画監督BEST10」

某一流メジャー誌の今月号は「映画特集」!それに関連して、20人の映画評論家&ライターが「好きな映画監督10人」を選出しました。それが以下のランキングです。ついでに筆者も勝手に一言付け加えさせて頂きました! 総合第10位:ジョン・フォード/イ…