<其の887>「踊る大捜査線N.E.W メトロポリスを駆け抜けろ!」短評ほか&「でーた」休刊

 毎日、雨ばかり降って・・・この国は大丈夫なのか??

 

 ネタバレを聞く前に「踊る大捜査線N.E.W メトロポリスを駆け抜けろ!」を観てきました。直近の「室井慎次」2部作を除くと14年ぶりという事で・・・。

 ネタバレしないよう率直に感想を書けば、これまでの過去作ネタがてんこ盛りで、「踊るだなぁ~」って感じ(笑)。主人公・青島俊作(=織田裕二)が所轄の湾岸署じゃなくて警視庁(本店)所属なので、新旧メンバーとどうコラボするのかなぁ~と思ってたら・・・成程、こうきたか^^。

 一見さんお断りのファン向けムービーだとは思うけど、エンタメとして(ストーリーがご都合主義なのもこれまで通り)楽しめる作品だと思う。アニメ好きの本広克行監督の趣味も大いに反映されてるし。織田さんの大ファンである某芸人が出ていたのも個人的には良かった!・・・よく共演OKになったな(笑)。

 ただ、いつものような凝りに凝った編集のオープニング(キャスト、スタッフ紹介する部分ね)がなかったのは残念(筆者は、ああいう編集が好きなのよ。めちゃめちゃ時間かかるけどさ)!!

 

 お話変わってー。

 近年、劇場版アニメが興収100億円越えするのは割と普通になったが(実写だと難しいのに・・・アニメファンはリピーターが多いのかしら?)、昨年“爆死”した細田守監督作品「果てしなきスカーレット」を(今頃)観た。

 「ハムレット」他をベースにしたアクション・ファンタジーなのだけど・・・聞いた話ほど悪い作品だとは思わなかったけどね~。たしかにこれまでの細田作品とテイストが異なるのでファンの戸惑いもわかる。

 筆者的には多々ある説明不足(あの巨大な龍はなに?他)&ヒロイン(=声は芦田愛菜担当)が渋谷で踊っているシーン。言いたい事は分かるんだけど・・・(苦笑)。

 モブ(群衆)シーンや美術の緻密さ(あの世にしては、現実世界に近すぎるが)は素晴らしい。細田さんが単独で脚本執筆して、やりたかった事を詰め込んだ力作。

 ただ、設定含めた脚本の甘さと、バトルシーンが引きのサイズばかりなのは残念ながら迫力に欠けた。技術的にもハイレベルなので、細田さんは落ち込まずに、再びいい脚本家をつけて次作に取り組んでもらいたい!!

 

 阿部寛主演作「俺ではない炎上」も観た。予告でコメディー・サスペンスを想像していたのだが(そういうシーンも勿論あるけれど)、中身はもっとマジでハードな内容だった(笑)!原作が殺人なし系ミステリー「六人の嘘つきな大学生」(これも映画化された)の朝倉秋成なのよ。どうりで・・・ちゃんとミステリーな訳だ(納得)。

 タイトル通り、SNSの怖さをテーマにしているんだけど、「VIVANT」の阿部さんとは真逆の役柄なのも面白かった。ミステリーマニアだと、途中で犯人が分かってしまうのが難だが、なかなか面白い映画でした^^。

 

 上記2本を観て、ある偶然に気付いた。「果てしなきスカーレット」と「俺ではない炎上」の<共通点>・・・それは両作共に芦田愛菜が出ていること!いや~、大人になりましたな。こっちも・・・年とる訳だ(苦笑)。

 

<余談>先日、「DVD&動画配信でーた」の最終号を購入。編集スタッフの方々、ライターの方々、約40年もの長い間、本当にお疲れ様でした&有難う御座いました!!新作映画の紹介や円盤の発売予定がどれほど自分の役に立ったことか・・・感謝しかありません。いつか<復活>されますように!!

 

 

<其の886>新作2連発!!「オデュッセイア」、「白鳥とコウモリ」短評(ネタバレなし)

 ・・・もう雨ばかりで参りましたな!マジでもう晴れてほしい・・・(祈)。

 

 クリストファー・ノーラン監督最新作「オデュッセイア」を観てきました。紀元前8世紀頃に成立したといわれる古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の映画化です。しかも今作は全編をIMAXフィルムカメラで撮影した世界初の長編映画。上映時間172分!製作費もノーラン史上最大(推定2億5千万ドル)!!大ヒット上映中につき、感想をさくっと書きますわ。「キルケーの魔女」、「ペーネロペー(主人公の奥さん。映画字幕では「ペネロペ」)」等出てくるので「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を深堀りしたい方にはサブテキストになるかもしれない(・・・いや~、ないな^^)。

 

 「トロイの木馬」を発案・実行した事で10年に及ぶ「トロイア戦争」を終わらせたイタケの王・オデュッセウス(=マット・デイモン)。帰国するため船団を進めるも、彼の行く手には様々な困難が待ち受けていたー!!

 

 超メジャーなお話をノーラン自ら脚色。いつものように<現場で撮影出来るものは、極力現場で撮る>主義を今作でも実行。イメージに合う撮影場所を求めて、世界6か国でロケ。巨大なセットや船、トロイの木馬まで実物大で製作!しかも今作のために超デカい、超重い事で知られるIMAXカメラの新型機を投入。軽量化&カメラの駆動音の大幅低減が実現したことで世界初の全編撮影が可能になったそうだ。

 出演俳優もマット・デイモン(この人の主演作に「オデッセイ」もあるので、タイトルが似ててややこしい)、アン・ハサウェイ(・・・今年、日本で公開されるアンさん出演作、めちゃめちゃ多いんですけど!)、トム・ホランド(スパイダーマン)、ロバート・パティンソン(バットマン)、シャーリーズ・セロン、サマンサ・モートン、ジョン・レグイザモ、ゼンデイヤにエリオット・ペイジ・・・と超豪華!!大勢のスターのギャラに大規模ロケ・・・こりゃ金かかるわ(笑)!

 この黄金時代のハリウッドを彷彿させる(「ベン・ハー」、「クレオパトラ」とかさ)超大作なんだけど・・・肝心な出来は、あくまで個人的な感想ですが、映像的に凄いところは多々あるものの、全体通すと悪くはないけど、ふつ~かな(ちなみに筆者もノーランのファンではあるのだが)。

 簡単に書けば<放浪の末、故郷を目指す英雄のお話>を、いくつかの視点で時系列を変えながら描くので(そこも、いつものノーランなのだが)、ハラハラドキドキワクワクが続かないのよね。ノーランらしさは減るかもしれないけど、もっとシンプルなストーリーの方がもっと観ていて興奮させられた気がしないでもない。

 幸いヒットしているんでいいんだけどさ・・・映画監督って超大作を作っちゃうと、そこがピークとなって、それからキャリアの下降線を辿る人が多々いるんだよね。ノーランが次に何を作るか分からないけど、そうならないように切に祈る!!

 散々書いておきながら・・・筆者はスケジュールの都合で、今作をIMAXのシアターで鑑賞出来なかった!そんなに高画質、高音質に拘る人ではないのだけれど・・・今作はIMAXで観たかったわ・・・。

 

 続いて邦画。先日亡くなられた東野圭吾原作の「白鳥とコウモリ」。

 殺人事件が起きて、犯行を自白した犯人の息子(=松村北斗)と被害者の娘(=今田美桜)が、互いに事件に違和感を感じて、二人して真相究明に乗り出すというヒューマン・ミステリー。タイトルの白鳥とコウモリは、白鳥、コウモリ、其々行動時間帯が異なる生き物なので“絶対に出会わないもの”という事で、普通は会わない加害者の家族と被害者遺族の比喩。

 東野先生の著作をある程度読んでいる人はわかると思うんだけど・・・この設定、世界観、真相含めて、もろ「東野圭吾~!!」って感じ(ご理解頂けますか!?)^^。

 原作は文庫だと2冊分の長編ながら(筆者、映画鑑賞後にひろい読み)、うまくまとめた脚色だな~と(上映時間145分)。松村北斗と今田美桜の演技も良かった。ただ、ちょっと残念なのが、警察から事件のあらましを聞いて、ふたりともそれぞれの父親について「父はそんなタイプじゃない」、「父はそんな人ではない」と感じたことが契機となって禁断の出会いとなるんだけど、これが台詞オンリーで、少年少女時代の回想シーンがないから、説得力がちょっと弱かったかなぁ!プロデューサーと脚本家もそこは検討した上でやめたらしいけど・・・う~ん、あった方がもっと良かったよ。その分、ちょい上映時間は長くなるけど。

 

 この他、劇中、都内や愛知県の知ってるところがちょいちょい出てきて、個人的にはびっくりしたり、嬉しかったり。原作を少々変えたラストシーンも良かった(生前、試写で観た東野先生も誉めたそうだ)。筆者は結構、好きな作品^^。

 

<其の885>清順美学の前と後「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」、「刺青一代」

 映画おたく界隈では、日本映画の“キング・オブ・カルト”といえば石井輝男監督を指すが、私見では鈴木清順監督も日本が世界に誇るカルト監督のひとりだろうと考える(違ってたら申し訳ない)。

 鈴木清順の代表作といえば一般的には「ツィゴイネルワイゼン」(’80)や「けんかえれじい」(’66)あたりがメジャーだろうけど、これらは監督的には割合<後期>の作品に該当する。

 俗にいう“清順美学”が開花したのは日活在籍時代の1963年、監督28本目の「野獣の青春」からだと言われているが(本人は否定している)、「野獣~」の前作「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」(’63)は開花直前とあって、中平康監督作「危いことなら銭になる」(’62)と並ぶ<日活コメディ・アクションの金字塔>と評価されている。加えて「危い~」と「探偵事務所~」、どちらも主演は宍戸錠という共通項もある・・・知らなくても人生に全く影響ない知識(笑)。

 でも今作、公開当時は「くたばれ悪党ども 探偵事務所23」だったのに、いつしか本やソフトでもタイトルとサブタイトルが逆に表記されるようになっている・・・なんで?いつから??

 

 深夜の東京ー。2組の暴力団が武器弾薬の取引を行っていたところ、突如、数人の男たちに襲撃された。警察の緊急手配によって真辺(=川地民夫)が逮捕されたものの一向に口を割らない。彼が拘留されている警察署前には真辺の釈放を待って復讐を企むヤクザ達が終結していた。このニュースを見た「探偵事務所23」の所長兼私立探偵の田島(=宍戸錠)は警察へ行き、旧知の熊谷警部(=金子信雄)に真辺の釈放後、自分が彼の所属する組織へ潜入し、調査する事を提案する・・・。

 

 大藪春彦の連作短編小説「探偵事務所23」を脚色。私立探偵がギャング組織を壊滅させる・・・というお話はよくあるパターンだけど、アクションあり、歌ありの当時の日活らしい快作に仕上がっている。清順は自身のアイデアで、原作と台本では男だった主人公の助手を女性(=初井言栄)に変更している。

 宍戸錠は今作が初の清順作品主演(過去に端役はあった)。得意のガンアクションの他、チャールストンを歌って踊るミュージカル調の場面もある。もっとも清順には「歌がダメだ」と言われたそうだが(笑)。以降も先述の「野獣の青春」(’63)、「肉体の門」(’64)、「殺しの烙印」(’67)に出演している。

 清順作品の常連俳優・川地民夫は組織の一員ながら、情婦に必ず暴力をふるってからエッチするドS役(笑)。後年、ご本人は清順作品では今作あたりから性格的な役柄が多くなったとコメントしている。この情婦の部屋のセットの照明が意味深な赤と黄色で、清順美学の先駆けともいえるシーンだろう。

 展開上、ストーリーの要所要所にドンパチほかのアクションがあるんだけど(地下倉庫から地上に向けての機関銃乱射とかも)、クライマックスの倉庫内での大銃撃戦は人数も弾着の数も大量!!なんでもロケ先を管轄していた横浜税関から許可が出たので、見せ場ということで派手にやったところ・・・後からクレームがきたそうだ(笑)。

 徹底して娯楽として作られていて、訳わからん部分も特にないので、清順作品になれていない人の入門編にはお薦めの一作。

 

 開花後・・・。

 清順は宍戸錠の他にも小林旭や和田浩治、高橋英樹らの多くのスターの主演作を撮っている(但し、石原裕次郎主演作は撮れず)。監督作36本目となる1965年の「刺青一代」は高橋英樹主演の任侠もの(高橋は「けんかえれじい」他にも出演)。公開当時、映画青年達を熱狂させ、鈴木清順の名を一躍高めたという。タイトルバックは刺青入れたモノホンの人がバンバン出てきて、ちょっとびっくり^^。そこにかかる主題歌は「●●(差別用語につき自主規制)の歌」・・・よって今作が地上波で放送されることは、もうないかもしれない(だとしたら残念)。

 

 昭和初年・東京。幼くして両親を亡くした鉄太郎(=高橋英樹)は成長して「大和田組」の渡世人となり、弟の健次(=花ノ本壽)は仏具店で修業に励んでいた。そんなある日、鉄太郎(=高橋英樹)は組に依頼され、戸塚組の組長を刺殺。すると大和田組は鉄太郎に刺客をさしむけた!寸でのところで鉄太郎を救ったのは健次だった。2人は満州に渡るため、日本海側の港町へ。船賃を騙し取られた2人は工事現場で働きながら資金を貯めようとするが・・・。

 

 原作なしのオリジナル企画の脚本ながら、清順さんは撮影しながら、全体にわたって脚本をガンガン直していったという。出演した和泉雅子によれば毎朝、号外という名の改訂台本が渡されたとのこと(これ、石井輝男もやってた)。当初の台本は女らしい女性役だったのに、改訂版では台詞も江戸っ子調になっていて、思わず清順に聞きにいったという(笑)。ついでに書くと、日本海側のとある港町が舞台だけど、ロケ地は千葉県や奥多摩!映画撮影の裏側って面白いね~^^。

 ネタバレするから詳しく書かないけど、様々な要素が入ってくる盛り沢山の内容(現在の視点で観ればベタだけどさ^^)。で、クライマックスは皆の予想通り、主人公の殴り込み(やっぱり)。これが「歌舞伎」をもろに意識した<様式美>の世界!!無人の座敷で襖を開けて行くと次々と変わる色彩。畳をガラスにして、真下から撮影した立ち回り(美術は清順の盟友・木村威夫)・・・。それまでの任侠映画にはない発想に感心するばかり。もっとも高橋英樹と相手役はガラスに乗っての芝居がおっかなくて、ソロッと演ったそうだが(笑)。

 一部、何のふりもない急すぎる「?」な展開や編集部分もあるけれど(予告編にあって、本編にはないカットやシーンもある)、おそらく上映時間の問題でカットされた為だろうと推察(清順さんによると日活も二本立て上映ゆえ、各上映時間はシビアに決められていたそうだ)。そんな部分も含めて・・・清順美学ということで(笑)。

 

 清順美学を体験するなら、今作か「野獣の青春」辺りからがお薦め。いきなり「殺しの烙印」だと、シュールすぎて大いに戸惑うと思うので(清順は「殺し~」で日活の社長から「訳のわからない映画を撮る監督はいらない」として解雇された)。

 

<其の884>リド・スコ最新作「ラスト・サバイバー」&やっとこさ公開「まど☆マギ」短評

 9月になりました。2026年も残り4か月(早いって)!明日から雨ばかりのようで憂鬱です・・・(溜息)。でも個人的には8月末になって、ようやく観たい映画が公開される時期に入ったわ^^!

 

 御年88歳のリドリー・スコット監督最新作「ラスト・サバイバー」を観てきました。ピーター・ヘラーが2012年に発表したベストセラー小説の映画化です。近年<SF>、<歴史もの>、<実録犯罪もの>の3本柱でやってたリド・スコですが、今作は「ディストピア・サバイバル劇」ということで「エイリアン・コヴェナント」(’17)以来のSFなのですが・・・「エイリアン」や「ブレードランナー」とは趣が異なります。以下、ネタバレなしで個人的感想を書きますわ^^。

 

 お話は近未来のアメリカ。謎のパンデミックで人類の大半が死滅。生き残った人々は少数でコミュニティーを作り、食料やエネルギーを奪いにくる連中を撃退しながら、細々と生活していた(「北斗の拳」的な世界。あそこまで荒廃してないけど)。

 愛犬と元軍人と共に山岳部で暮らすヒッグ(=演じるのはジェイコブ・エロルディ)はある日、セスナ機で飛んでいると(←彼は時々無人化した都市圏に戻って、残されている食料やガソリン他を調達)無線に謎の音声が入った。“多くの人々が生活を送っている平和な場所があるのではないか!?”。ヒッグは希望を求めてセスナで旅立つのだが・・・!?

 

 核戦争とかゾンビの大量発生とかAIの反乱とかで人類がほぼ絶滅した世界・・・なんてのは昔からよくあるパターンだけど、「コロナ渦」を経験した現代人にとって、今作の<謎の疫病によるパンデミック>はリアルな設定。で、希望を求めて主人公が旅立った後、映画だから色々起こるんだけど・・・筆者のベタな予想とは大分異なっていた!「物語重視」をポリシーとしているリドさん曰く「これまでのようなディストピアものにしたくなかった」とのこと(・・・成程)。

 めちゃめちゃ真剣に、こういう状況に世界が変わったら・・・と考えていくと、こういう結末がリアルといえば、その通りなんだけど・・・映画的面白味でいうと・・・個人的には、ちょっと・・・ねぇ(意見を求めたいところだが、ネタバレ防止の為に書けないのがツラい)。

 観ていて驚いたのが、今作のヒロイン・シーマ役のマーガレット・クアリーってアンディ・マクダウェル(「セックスと嘘とビデオテープ」、「グリーン・カード」)の娘さんだったこと!!言われてみれば、確かに雰囲気が似てる・・・お母さんは最近あんまり観ないけど。加えて、シーマのお父さん役のガイ・ピアース!頭も髭も真っ白で、どう見ても老人じゃん!!今年59歳になる彼だけど、、、還暦前に老けすぎなのは、おそらく役作りだろうとは思うけど。シュッとしてるイメージなんで、最初誰か分からんかったわ。

 新しいパターンのディストピアもの・・・というより、個人的には「テルマ&ルイーズ」(’91)や「プロヴァンスの贈りもの」(’06)あたりのヒューマンドラマに回帰したような感じがしましたわ。決して嫌いじゃないけどね・・・。

 監督作のほか製作総指揮ものも常に何本か企画を抱えているスコット御大。つい先日、「エイリアン」前日譚の3作目を作ると発言!当初は「前日譚4本で1作目にきれいに繋がる」としつつも「エイリアン・コヴェナント」(’17)がコケて、その構想は終わった筈だったのだが・・・マジで実現するのか!?年内に89歳になるんだから、やるなら早く作って(祈)!!

 それしてもリドリー・スコット監督作品なのに、今作のパンフレットが作られていないとは・・・!これにも驚きつつ、同時に怒りも感じたわ!

 

 2本目はアニメ。3度の延期を経て、ようやく公開された「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ<ワルプルギスの廻天>」。なんと13年ぶりの続編です。

 可愛い絵柄&それに反したエグい設定とストーリー(全然「子供向け魔法少女もの」ではない!)が高く評価され、これまでTVシリーズとその総集編2本、前作の「劇場版〔新編〕叛逆の物語」ときて、今回。

 前作公開当時、筆者は「このオチなら、この作品は“蛇足”」だと感じたのですが・・・今作はその<続編>なので、過去作を観ていない人は全くわからない。ヒットしているようですが<一見さんお断わり>映画なので、御注意!!

 

 という訳で・・・ネタバレ防止の為、ストーリーを頭の部分さえ書く事が出来ない(申し訳ない)!!なので、ふわっとあくまで個人的且つ全体的な感想を書くと・・・確かに「まど☆マギ」なんだけど「ちょっとエヴァっぽくね!?」。

 実写も交えためちゃめちゃ凝った画面作りに、言いたい事は分かるけど難解な説明台詞、それと戦闘描写・・・。同じアニメーションという媒体だから致し方ないかもしれないけど、なんか似てる気が・・・(おそらくイメージ通りの映像作りの為に公開延期を繰り返したとは思うけどね)。前作からの間が長いというのも「エヴァ」と共通してる(笑)。

 

 そもそも<作劇>って、話のメインとなる人体で例えると背骨的な流れがあって、それに枝葉のようにエピソード他を肉付けしていって、1本の作品になると(個人的に)思うんだけど、今作はメインの骨だけで、肉がないような感じ・・・。壮大なスケールへと進む、マジでドストレートな展開!!よって上映時間の120分、観客は気を抜けるような余剰の部分がほとんどないので、最初から最後まで全集中でスクリーンを見つめ続ける事となる。

 ・・・で、あのオチ(書けないけど)。筆者は「まど☆マギ」の大ファンだけど(加えて総監督の新房昭之、脚本の虚淵玄のファンでもある)、他のファンの方々は、ここまで観た上で、あの結末で「いいね!」と思えたのかしら!?個人的には前作同様、再び「う~ん」(苦笑)。ストーリー知った上で、更に2、3回観たら感想も変わるかもしれないけど。

 

 未だ発表されてないけど、この続きあるかもしれない・・・。ヒットした場合、日本は資本主義だし、スタジオの経営もあるから、それもわかるけど・・・。

 なんかありそうな予感でいっぱい(苦笑)。もし、やるなら次は早い公開を^^。

 

 

 

<其の883>一筋縄ではいかない!「マーターズ」オリジナル版・短評

 暑い日々と災害(東京の夜中の地震にはビックリした!)が多発する日本・・・。この国は大丈夫か!?

 

 フランス人監督、パスカル・ロジェ(←同姓同名のクラシックピアニストではないので御注意)の監督第2作「マーターズ」(’08)の4Kリマスターが劇場公開したので観に行ってきました(後にハリウッドでリメイクされた方じゃないよ)。

 <最凶のフレンチホラー>なる異名を持つ今作を当時は観ていなかったので、敢えて情報を入れずにスクリーンに対峙したら・・・これが凄かった(色んな意味で)!!!ネタバレしないように書きますが<18禁>です^^。

 

 お話は1970年代はじめのフランス。何者かに拉致・拷問されていた少女が隙をついて脱走。無事に保護されたもの、犯人は捕まらなかった。15年後、大人になった彼女は、ある家に押し入って家族を襲撃し始めて・・・!?

 

 てっきりよくある<復讐もの>かと思いきや、この後、ストーリーは誰も予想しない展開になっていく!!ロジェの次作「トールマン」(’12)も、これまたよくある顔を隠したキャラによる<ホラー>かと思いきや、そうじゃない展開を辿るんだけど、今作はエグい描写が続いた後に、壮大なテーマ(!?)に変貌していく・・・(観る前にタイトルの意味を調べても何のこっちゃなのだが、終盤ご丁寧に文字情報が出て説明される)。やっぱりロジェの作品は一筋縄ではいかんな~!おそらく彼は<ジャンルもの>のパターンを相当研究した上で、別の角度を発案して脚本書いてると推測する。あ~、詳しく書きて~!!ネタバレするから、書けないのがつらいっ!!

 監督2作目&ホラー・・・という事で大予算の作品ではないし(出演者も少ないし、ロケやセットも限定的)、観ていて「なんで?」という場面もあるけれど、特殊メイクはめっちゃリアル!ゴア描写があんなにエグいのに、あの締め方とはねぇ・・・(ただひたすら感心:片やリメイク版は大分マイルドになってるそうで、締め方も変更していて、オリジナル観た人からの評価はイマイチのようだが)。

 

 心臓が弱い人には薦めないけど、新しいパターンのホラー映画や人体破壊以外のゴア描写が観たい、という方は映画館で是非!・・・4Kリマスターしてるから、来年あたりに円盤が発売されそうだけどね^^。

 

 

 <追悼>先日、大女優・岸惠子さんが老衰で亡くなられた。筆者世代では、やはり市川崑監督作品に出ていた岸さんが印象に残っている。中でもやっぱり「金田一耕助」シリーズね(出演した「悪魔の手毬歌」は好きだけど、「女王蜂」は好みじゃなかったそうで)。心からお悔やみ申し上げます。

 

 岸さんといい、子供の頃から観ていた人が次々亡くなられていくなぁ!

 昭和は遥か遠くになった・・・。

 

<其の882>東野圭吾先生追悼&ようやくアニメ「銀河鉄道の夜」を観た

 ・・・間が空きました。灼熱の中、仕事しています(夏休みを未だとっていない)。昨日の変則台風には参りましたな。あんなコースを辿って関東に上陸するとは(更にまたまた来るらしい)。地震といい、台風といい、地球規模で災害が勃発している。戦争も全然終わらないし・・・人類の未来は大丈夫か!?

 

 先日、東野圭吾先生が亡くなりました。いや~・・・驚いた。好きな先生だけにものすごいショックを受けました(筆者の本棚には幾つかの著作の他、時折発売されてきた先生の公式ガイドブックが4冊ある)。

 全106冊の著作を読破している訳ではないのですが、個人的に映像化されたもので良かったものは「秘密」(’99)と「容疑者Xの献身」(’08)ですかね。小説的には「白夜行」が凄かったなぁ~!「名探偵の掟」も好き♥あと、先生の中では、ちょっとマイナーかもしれないけど「パラドックス13」というのがあって、これはSFパニックものなの!ネタバレするのが嫌なので詳細は書きませんけど、大予算を投じて、いまのCG技術を駆使すれば出来ない話ではないんだけど・・・どこぞの配信サイトが予算を出してくれないかな!?

 一度だけだけど、何年か前、某授賞式の取材で先生がいらっしゃって、生で先生の姿とお声を聴けて本当に良かった。東野先生、長きに渡って楽しませて頂いて、本当に有難う御座いました。先生の作品は永遠に読み継がれていくと思います。

 

 またまた“個人的”な話。よく人間社会を批評するお話の場合、わざと人間を動物とかに<擬人化>して描く作品ってあるじゃない。それはそれで意図が分かるからいいのだけれど、有名小説の漫画化とか映像化の場合は、その擬人化がちょっと生理的に苦手だった(まんま人間でやればいいじゃん)。

 宮沢賢治の原作(執筆途中に亡くなったので、これが遺作)を、杉井ギサブロー監督(あだち充の「タッチ」の監督。「ルパン三世」をアニメにしようと発案したのは、実はこの方!)がアニメ映画にした「銀河鉄道の夜」(’85)は人間を猫に<擬人化>しているので、公開当時、上記の理由で観なかったわけ。そんな作品が先日、某局で放送されたので初めて観た。普通に観れたのは、筆者が大人になって耐性が上がったのか、あるいは年をとって感性が鈍ったのか・・・どちらか分からない(きっと両方だろう^^)。松本零士の「銀河鉄道999」の元ネタというのも観る理由にはあったけどね(「999」、新作映画をやるらしいね!いつ公開されるのか、発表を楽しみに待とう)。

 

 ますむらひろしが原作を漫画で描く際、人間を猫に擬人化してて、そのキャラを映画が採用。原作自体も造語が連発される独特の世界観なので、そのムードにあっていたと思う(なんと「文部省特選」作品に選ばれてる)。

 お話は知っていたけど・・・映像で観ると、いくつものエピソードが数珠つなぎで「フェリーニっぽいなぁ」と感じたのは、筆者だけ!?後半、どう考えてもタイタニック号沈没をモデルにしたエピソードの時に、<ノーマルな人間キャラ>が出てきたので、ちょっと驚いたけどさ(笑)。

 

 分かりにくいストーリーゆえ、ラストでもうちょっと宮沢賢治のテーマを台詞なり映像なりで強調した方が良かったかなぁ・・・とは思ったけど、美術や音楽(細野晴臣)含めて味わい深いファンタジーアニメになっていると思った次第。近年、こういった感じのアニメ作品もないしね。最近では、みな「転生」して「中世ヨーロッパ」とか「魔法が存在する世界」いく話が多いけど、それだけがファンタジーじゃありませんっ!ということで今回はおしまい^^。

 

 

<其の881>またまた番外編:タランティーノ自伝本と「DVD&動画配信でーた」休刊

 東京も梅雨明けして、酷暑のニッポン。フランス・パリでも先日気温40度とかなったそうだから、地球全体が更に危険な状態に進んでいるのは明白。果たして人類に明るい未来はあるのだろうか・・・?

 

 ヒットしている「スター・ウォーズ」のスピンオフもマイケル・ジャクソンも「キングダム」の新作も観ていない筆者ですが、その代わり(!?)先日発売された書籍「クエンティン・タランティーノ おれの映画人生」(文藝春秋)を読んでいる最中。

 かのタラさんの半自伝兼映画への感想や批評がぎっしりの大著(索引込みで466頁もある!)。分厚い分、価格も4200円+税とお高い。こんな高い本を買ったのはデヴィッド・フィンチャーの研究本以来だわ(4500円+税。こちらは日本限定2000部しか発売されなかったものなので、ファンとして価値はあるけどさ)。たたでさえ本棚のスペース空いてないのに、また本を増やしてしまった(苦笑)。

 タラさんの研究本はほとんど所有しているけれど、この書籍は本人自ら独自の目線であらゆる作品と監督を縦横無尽に書いていて、それはそれは面白いのだけれど、白内障を患っている身としては長時間の読書が出来ず、なかなか読み進められない(苦笑)。ネタバレしないよう、具体的な中身については書かないので、興味ある方はご自分でお読み下さい^^。

 この本が本国アメリカで発売されたのは2022年とのことで、日本で翻訳されて発売されるまでに時間がかかりましたね。楽しみながら少しづつ読んで・・・タラさんの新作発表を待とうかな。

 

 1987年の創刊以来、ずーっと愛読していた月刊誌「DVD&動画配信でーた」が今年の9月発売する10月号をもって休刊する、との事。

 当初は「ビデオでーた」の書名が「ビデオ&DVDでーた」、「DVD&ビデオでーた」とちょいちょい変わり、値段もここ最近バンバン上がってきたので(税込み1400円!)「売れ行きが悪いんだろうな~」とは想像していたけれど、遂に休刊発表・・・。円盤コレクターの筆者としては有益な雑誌だったんだけどね~・・・残念!!

 

 休刊して復活した「映画秘宝」のように、またいずれ形を変えてでもいいから発売される事を期待したい(可能性は限りなく低いと思うけど)。個人的にはデジタルばかりではなく、アナログ(紙媒体)も失くしてはならないと思うので。