其の182:エロエロカルト作「キャンディ」

 ようやく仕事が落ち着いたので久々の更新です^^。本当は今日、敬愛する北野武監督の最新作「監督・ばんざい!」を観賞予定でしたが、大雨なので延期しました(笑)。
 で話は180度変わりますが・・・我が日本では女子高校生以下の女児に欲情するロリータ嗜好の年配男が多いようだが(困ったもんだ:苦笑)、1968年の映画「キャンディ」はまさにそんな映画(注:いがらしゆみこの「キャンディ・キャンディ」とは無関係)!性描写はさほどでもないがエロエロである(笑)。エロエロにしてマニアック&カルト!ジャンル的には「艶笑コメディー」なのですが・・・キャストは超豪華俳優陣!!そして映画の冒頭は何故か「宇宙」から始まる(爆笑)!!


 キャンディ(エヴァ・オーリン)はアメリカの夢見がちな女子高校生。ところがその無邪気な性格と金髪、ロリータフェイス&コケティッシュ(=死語)・ボディが災いし、学校で講演を行った詩人(リチャード・バートン!)に見初められエロいことされる最中、彼が酒で泥酔。自宅で濡れたズボンを乾かしてあげようとする。
ところが帰宅後、欲情したメキシコ系庭師(ビートルズリンゴ・スター!!)にヤラれたところを父親に目撃されてしまう。悩んだ彼は娘をニューヨークに住む弟夫婦のもとへ預ける事にするのだが・・・このあと物語は観客が誰も予想しえない展開になる(笑)。


 主演女優エヴァ・オーリンは・・・はっきり言ってメジャーではない。この後もイタリア製カルト映画「殺しを呼ぶ卵」(すげー邦題)ほか普通の人が知ってる映画に出られずに終わった(苦笑)。「情婦マノン」のセシル・オーブリー同様、今作のみが唯一記憶される人だろう。
 だが、その分共演俳優は凄い人ばかり!あらすじに書いたバートン、リンゴの他<怪しい伝道師>にマーロン・ブランド、<米・空軍奇襲部隊隊長>にウォルター・マッソージェームズ・コバーンは<天才外科医>役!映画監督でもあるジョン・ヒューストンまで出演!!で、全員まともな人間ではなく、色狂いばかり。何故、彼らがこの仕事を引き受けたのかは・・・謎だ(笑)。

 スタッフも監督はメジャーではないが(クリスチャン・マルカン)、<宇宙>の場面の視覚効果に「2001年宇宙の旅」、「未知との遭遇」、「スター・トレック」を手がけたダグラス・トランブル!挿入曲にはステッペンウルフも参加!!彼らがこの仕事を引き受けたのは・・・ギャラか(笑)?


 原作は「マジック・クリスチャン」、「ブルー・ムービー」他の小説やキューブリックの映画「博士の異常な愛情」の脚色でも知られる作家テリー・サザーンとメーソン・ホッフェンバーグの共作。丁度映画が製作された時代は<カウンター・カルチャー>華やかかりし頃(「大人を信じるな!」)。キャンディもいつしか<フリー・セックス>の潮流に乗せられている。よって当然、劇中の美術セットにサイケ調は見られるし、ヒッピー青年たちも登場する。そして映画はカウンター・カルチャーよろしく大人たちを徹底的にコケにする!!

 キャンディに欲情する男たちの職業は「詩人」、「軍人」、「医者」、「アングラ映画作家」、「宗教家」。それに加えて「教師」に「庭師」に「叔父(!)」に「せむしの泥棒」・・・。今でいう<勝ち組>に加えて<負け組>まで幅広い。「どんな職業について偉そうにしている奴らでも一皮剥けばこんなもん」というサザーンの風刺が感じられよう。

 
 そういう意味で言えば今作は単なる「艶笑コメディー」ではなく、女子高校生が大人の男たちに翻弄されるわけわからんHなアドベンチャーを通して、先行きの見えない不安な世界情勢(ベトナム戦争もあったしね)を反映させた、産まれるべくして産まれた<時代のあだ花>といえるのではないか。
 な〜んて、映画評論家みたいなこと書いたけど、笑って観てればいいからね!筆者は未読ながら友人によると「原作小説」では主人公の叔母さんが強烈なキャラクターで爆笑ものだそうだ。興味のある方は是非ご一読を^^


 P・S 「貧乏一家の主婦」様 これでどうですか(笑)!?