2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

其の38:祖国喪失の悲劇・・・「アンダーグラウンド」

反論もあろう事を承知で書きます。映画ファンにも色々ありますが、筆者は基本的に「ミニシアター馬鹿」は嫌いだ。<少数館でやっている映画こそ高級>という勘違い系の人が多いからだ。そういう人に限って実際、知識が妙に偏りすぎていて<一般教養>がない…

其の37:豊潤な大河ドラマ「1900年」

「ラストタンゴ・イン・パリ」、「ラストエンペラー」ほかで知られるイタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。この作品は「ラストタンゴ〜」の世界的ヒットを受けて彼がたっぷりと時間を掛けて取り組んだ作品です。その結果、1部・2部と合わせて上映時間…

其の36:おフランスな異色作「デリカテッセン」

フランス映画「デリカテッセン」は、大ヒット作「アメリ」の監督ジャン=ピエール・ジュネと相棒(当時)マルク・キャロのふたりが作り上げた摩訶不思議な一品(長編デビュー作)。当時、筆者はこの映画の「予告編」を観て、その訳のわからなさに思わず劇場…

其の35:並の韓流ではない!「殺人の追憶」

世間では未だ「冬のソナタ」のヨン様ほか韓国人スターの人気は高いし、少し前には「オールド・ボーイ」(原作は日本の漫画!)がカンヌで受賞する等、<韓国映画>は出演者も作品のレベルも本当に上がったと思う。少し前までは「桑の葉」とか“エロス系”が多…

其の34:コンビ最強作!「タクシードライバー」

最初に書きます。今回は「タクシードライバー」・・・大名作で申し訳ありません!でもこれは外せない・・・。 映画界には<名コンビ>と呼ばれる人達が大勢いる。黒澤明に三船敏郎、小津安二郎に笠智衆。そしてマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ…

其の33:異色マカロニ作「殺しが静かにやって来る」

今回チョイスしたのは「殺しが静かにやって来る」。セルジオ・レオーネの「ウエスタン」に続いて、またマカロニ・ウエスタン・・・です。「続 荒野の用心棒」で知られる(?)セルジオ・コルブッチ監督ではありますが、実は筆者が偏愛しているのが、この知る…

其の32:邦題であなどるなかれ「ウエスタン」

西部劇で邦題が「ウエスタン」・・・!この作品が賛否両論ある事は知っている。3時間という長尺の上、展開(テンポも)が非常にたるい!だが・・・一度観ると、また何故かしばらくすると観たくなってしまう。このセルジオ・レオーネ監督の「ウエスタン」(…

其の31:戦争映画を変えた!「プライベート・ライアン」

スティーブン・スピルバーグは世界で最もメジャーな監督といっても差し支えないだろう。家族で楽しめる娯楽作品(「E.T.」、「インディ・ジョーンズ」シリーズ他)と社会派作品(「カラー・パープル」、「シンドラーのリスト」他)硬軟うまく作り分けて…

其の30:オタク帝王のデビュー作「レザボア・ドッグス」

筆者には尊敬する監督や俳優が大勢いる。クエンティン・タランティーノ監督もそのうちのひとりだ。私もオタクなので、彼とは会った事もないが勝手に<同士>だと思っている(笑)。その彼の記念すべきデビュー作が「レザボア・ドッグス」!私の個人的意見で…

其の29:ガンダムより凄い!「伝説巨神イデオン 発動篇」

筆者の少年時代は<ロボットアニメ>全盛期であった。無論、「機動戦士ガンダム」(いまだにシリーズが続いている!)もリアルタイムで観ている口だ。 そのガンダムの富野由悠季(旧・喜幸)監督が放った一大ロボットアニメ巨編が「伝説巨神イデオン」!TV…

其の28:社会派超大作!「JFK」

監督のオリバー・ストーンはその態度や物言いから評判が悪い事は筆者も知っている。正直、アカデミーに輝いた「プラトーン」は観賞前のこちらのイメージが強すぎた為か物足りなさを感じたし、最新作の「アレキサンダー」は映像に反して内容が薄いと思った。…

其の27:新感覚サスペンス「バタフライ・エフェクト」

今回取り上げるのは「バタフライ・エフェクト」です。 ・・・たまには割りと新しい作品も紹介しようかと(笑)。一時期、映像的にも内容的にも意匠を凝らした斬新な作品が数々発表されました。内容が時系列に反して逆行する「メメント」や「アレックス」、S…

其の26:超カルト作!「徳川いれずみ師 責め地獄」

タイトル「徳川いれずみ師 責め地獄」!!・・・正直、タイトルも凄過ぎるし、DVD(よく発売できたな〜)のジャケット写真も凄い(笑)。 「網走番外地」シリーズで知られる故・石井輝男監督が放つ「異常性愛路線」第四弾にして、その最高峰ーそれが「徳…

其の25:どんでん返しの愉楽「スティング」

ミステリーやサスペンス映画の楽しみのひとつに<どんでん返し>がある。観客は当然、展開を推理しながらことの成り行きを見守るわけだが、ラストで非常に巧く裏切られると(いい意味で騙されると)、ある種の<爽快感>がこみ上げてくる。その代表作が「ス…

其の24:ビバ!80年代「ブギーナイツ」

正直に言えば・・・賛否両論ある作品である。ノレる人はノレるし、そうでない人は「くだらない」、「エロい」で終わってしまう映画・・・それが「ブギーナイツ」(’97 米)! 1970年代後半、何の取り柄もない高校生があれのデカさを見込まれてポルノ業…

其の23:パニック超大作!「タワーリング・インフェルノ」

・・・なんでも今年、「トロイ」の監督による「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク「ポセイドン」が公開されるという事ですが・・・あんな名作をまたやるなんてハリウッドの企画不足はかなり深刻だ(苦笑)。パニック映画数ある中でもダントツの出来が…

其の22:ミュージカルは「サウンド・オブ・ミュージック」!

正直に告白すると筆者はあまりミュージカル映画が好きではない。ミュージカル嫌いで知られるタモリの意見と一緒で、いきなり街の中で歌い踊ったとしたら、その人は即病院に送られるだろう(笑)。要は<リアル>じゃないからだ。 ただ、このジャンルに根強い…

其の21:独断と偏見による最強のファンタジー映画は

その昔、「ネバーエンディング・ストーリー」や「バロン」、近年でも「ハリー・ポッター」から「ブラザーズ・グリム」に至るまで色々ファンタジー映画も観ましたが(「ナルニア国物語」は未見)・・・やはり映像的に迫力があって面白かったのは「ロード・オ…

其の20:爆笑カンフーコメディ「少林サッカー」

日韓共催ワールドカップと同時期に公開され大ヒットしたチャウ・シンチー監督、主演のアクションコメディが「少林サッカー」である。 かつて少林拳法を極めた男(チャウ・シンチー)。少林拳を世界に広める夢を抱いていたが、所詮カンフーで飯は食えない・・…

其の19:業界人にも影響を与えた「ブレードランナー」

先日観た「交渉人 真下正義」の監督は、かなり「ブレードランナー」を意識して撮影したと思う。全体的な照明のトーンや秋葉原のロケ部分等、もろ「ブレラン」(笑)。某有名歌手の旦那が監督した作品も「ブレラン」の影響バレバレ(苦笑)。そう・・・日本の…

其の18:北野武の最高作「ソナチネ」

突然ですが・・・北野武の最高傑作は「ソナチネ」である。 筆者はビートたけしのファンである。よって、彼が本名・北野武名義で「その男、凶暴につき」を初監督して以来、全作をリアルタイムで観ている(おそらく、これからも)。北野が監督になった当時、俗…

其の17:ホラーじゃないよ「戦争のはらわた」

我ながら連続しての更新!で今回はホラーみたいな酷いタイトルついてるけど大戦争アクション映画が「戦争のはらわた」(←この邦題つけた奴、出てこーい!)。監督は「ワイルドバンチ」や「わらの犬」他で知られるアクション映画の巨匠サム・ペキンパー。その…

其の16:下世話なホラー・サスペンス「インビジブル」

「ロボコップ」、「トータル・リコール」、「氷の微笑」など容赦ないバイオレンス(&エロ)描写で一世を風靡したポール・バーホーベン大先生(オランダ人)監督作品が下世話なホラー・サスペンス「インビジブル」。巨額の制作費と最新VFXを駆使して現在…

其の15:知られざる快作アクション!「ザ・チェイス」

メジャー俳優が出演しているハリウッド映画であるにもかかわらず、何故か余り知られていない(取り上げられない)不遇のカー・アクション映画がある。それが・・・「ザ・チェイス」だ(’94・米)!! 物語はタイトルから容易に想像できる通り、車で逃げざ…

其の14:ティム・バートンの感動作「ビッグ・フィッシュ」

「ビッグ・フィッシュ」は「バットマン」シリーズや「シザーハンズ」、「エド・ウッド」で知られるティム・バートン監督(オタク)による感動作である。 長い間、不仲が続いている父と息子。息子は父の虚言癖が嫌でたまらなかった。そんな父が重い病気にかか…

其の13:平成ゴジラは、これ!(本文を見てね)

やはり昭和生まれの日本男児として怪獣映画を語らないわけにはいかないだろう(笑)。勿論、昭和29年に公開された「ゴジラ」第1作が原点にして頂点である事に異論の余地はないが、その後延々と続けられたシリーズの中で、<1作目の次点>として、この「…

其の12:燃えるぜ!「ストリート・オブ・ファイヤー」

「ウォリアーズ」(’79)、「48時間」(’83)・・・筆者が10代の頃、一連のウォルター・ヒル監督作品に熱中していた。中でもイチ押しが、この「ストリート・オブ・ファイヤー」(’84)。・・・つい先日、観直したばかりなのだが、めちゃめちゃ感激…