2007-01-01から1年間の記事一覧

其の181:愉しきかなB級「ビキニマシン」

このブログは筆者が厳選に厳選を重ねた面白い映画を紹介すると共に、巨大な映画史の闇に消えつつある一般には余り知られていない作品に光を当てる目的もある。映画「ビキニマシン」(’65・米)は「タイタニック」や「アルマゲドン」のようなデート・ムービ…

其の180:秘書が語る真実「ヒトラー〜最期の12日間〜」

先日、石原慎太郎製作総指揮・脚本による映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」を観賞したのだが・・・良くも悪くも「慎太郎イズム」に貫かれていた(苦笑)。登場人物が皆ステレオタイプばかりで少々まいったが「特攻隊の母」と慕われた故・鳥浜トメさん…

其の179:ハイパー実録犯罪映画「丑三つの村」

先日、玉木宏・蒼井優主演、カフカじゃなくて東野圭吾原作の「変身」をDVDで観たのですがー主人公が悲惨すぎて筆者はダメでした。いくら何でもあれは・・・酷すぎる(苦笑)。故・古尾谷雅人主演による松竹映画「丑三つの村」も・・・ある意味、凄い話!…

其の178:人生ほど重いものなし!「ブロークバック・マウンテン」

映画「ロッキー・ザ・ファイナル」の中で、ロッキー(シルベスター・スタローン)は息子に「人生ほど重いパンチはない」と語るがー全くその通りだと思う。まだ若いにーちゃん、ねーちゃんに理解は求めませんが年を重ね、家庭を持ったともならば・・・誰しも…

其の177:ご家族揃って・・・「グエムル 漢江の怪物」

ゴールデン・ウィーク真っ最中です^^そこで今回はご家族揃ってお楽しみ頂ける韓流映画「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」を。タイトル通り怪獣映画です(笑)。本国では大ヒットしたのに、日本ではあまり受けなかったなぁ(評価は高かったけれど)。とこ…

其の176:クローネンバーグの悪夢世界「ビデオドローム」

「陰陽師」の夢枕獏先生原作の映画「大帝の剣」を観たのですが・・・いまいちでした(苦笑)。主演・阿部寛+監督・堤幸彦の「トリック」コンビの新作ですが、なぜ堤監督はTVドラマは素晴らしいのに映画を撮ると普通になってしまうのか(勿体ない)?? 痛…

其の175:肉弾系超絶アクション「マッハ!」

映画「ロッキー・ザ・ファイナル」で久々に<生身のアクションの醍醐味>を満喫した筆者ですが(御年60でチャレンジしたシルベスター・スタローンは偉い)、ムエタイの国タイで制作された「マッハ!」もマジで凄い!! ふふふ、私はどこの国の映画でも観る…

其の174:ロッキー!ロッキー!「ロッキー・ザ・ファイナル」

シルベスター・スタローン主演・脚本・監督「ロッキー・ザ・ファイナル」を観て参りました!筆者の世代では「ロッキー」は外せないでしょ、やっぱり。この年になって、また続編を観ようとは・・・正に「スター・ウォーズ」状態(笑)。前作(「ロッキー5 最…

其の173:日常に潜む狂気「ブルー・ベルベット」

今年・2007年は・・・早々と猟奇殺人、銃による大量殺人と考えさせられる恐ろしい事件が続発している。現代は「死と隣り合わせ」の時代なのかもしれない。「世界で唯一わけわからない映画を撮っても許される映画監督」デビット・リンチの「ブルー・ベル…

其の172:タイトル長いぞ「コックと泥棒、その妻と愛人」

久々に<最近聞かなくなった監督シリーズ>を。イギリス人監督ピーター・グリーナウェイは一時期高い人気を誇っていました。「英国式庭園殺人事件」、「ZOO」、「プロスペローの本」、「ベイビー・オブ・マコン」・・・。中でも代表作且つ日本における彼…

其の171:笑撃のパペット映画「チーム★アメリカ」

先日、大友克洋監督作「蟲師」を観たのですが・・・つまらなかったなぁ。個人的にはソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」に続いてハズしました。そこで、口直しに「チーム★アメリカ/ワールドポリス」を観たのですが、これは大いに笑った!!人形…

其の170:オランダ版ある女の半生「ブラックブック」

「氷の微笑」、「ロボコップ」ほかで知られる<バイオレンスとエログロの鬼才>ポール・バーホーベン大先生が故郷オランダで「インビジブル」以来となる新作「ブラックブック」を発表!やっとひと仕事終えたのでリフレッシュを兼ねて観にいきました。先生、…

其の169:性と死と「ゴッドandモンスター」

当初は久々に「バカ映画」でも書こうかと思ったんだけど・・・「キング・コング」をパクった「北京原人の逆襲」とかマチルダ・メイがひたすら全裸の「スペースバンパイア」とか(笑)。で、そのあと「カルト映画」も考えたけど(ピーター・フォンダの「悪魔…

其の168:スピ+トム「マイノリティ・リポート」

「ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」、「ミュンヘン」ほか今や知らない者のいない世界的監督スティーブン・スピルバーグ。そして「トップガン」でブレイクし、一時期ゴタゴタしたもののようやく落ち着きを取り戻した(ようにみえる)俳優トム・クルーズ…

其の167:デ・パルマの初期傑作集!!

流麗なカメラワークに巧みな映像テクニック、そして驚愕のサスペンス(でもちょっと下品)を次々と作り出し「ヒッチコックの後継者」と呼ばれる(呼ばれた??)その男の名はブライアン・デ・パルマ。彼の熱狂的なファンを「デパルマニア」と呼ぶ・・・らし…

其の166:スコセッシの「カジノ」を観よ!!

先日、「ディパーテッド」によるオスカー受賞で、ようやく“無冠の帝王”の名を返上したマーティン・スコセッシ。おそらくギャング映画を演出させたら世界一の人だろう(「ディパーテッド」もギャング映画だ)。ギャングのルーツを描いた「ギャング・オブ・ニ…

其の165:体制や戦争を笑いとばそう「MASH マッシュ」

反権威・反体制で知られ、先日惜しまれつつ亡くなった名匠ロバート・アルトマン。そのアルトマンが世界的に注目を浴びるきっかけになったのが本作「MASH マッシュ」である。このブラック・コメディには賛否両論あろうが筆者は断固支持する!!カンヌ映画…

其の164:のほほん西部劇「ケーブル・ホーグのバラード」

小池一夫萌えが終わったので、心穏やかな作品を紹介しようかなと(笑)。今回はサム・ペキンパー監督・制作による「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード」を取り上げます。かの大傑作「ワイルドバンチ」に続いてペキンパーが発表したのが非バイオレン…

其の163:夢の競演企画!「フレディVSジェイソン」

このブログで今更ジャン・ギャバンの「望郷」とか「カサブランカ」、「荒野の決闘」等を紹介する気はさらさらない。そんな名作は「映画おたく」的には「基本中の基本」なんで(笑)。でも余りマニアック過ぎるのもバランスが悪い。そこで・・・熟考した結果…

其の162:日米2つの「DOA」!

現在(2007年2月末時点)公開中の映画「DOA/デッド・オア・アライブ」は人気ゲームソフトの映画化です。それにしても「バイオハザード」シリーズといい、間もなく公開される「龍が如く」といい、そのテの作品が増えたなぁ(苦笑)。でも「DOA」…

其の161:偉大なる失敗作?「地獄の黙示録」

筆者には年に何度か<好きなシーン>だけ見返す映画がある。例えばサム・ペキンパーの「ワイルドバンチ」のクライマックスやスピルバーグ監督「プライベート・ライアン」のノルマンディー上陸作戦シーン・・・ようは「バトル」シーンばかり(笑)。 同様にフ…

其の160:異色ヒーロー見参!「御用牙」

大物俳優・勝新太郎。彼の<代表作>といえば北野武がリメイクし、泉谷しげるがパチンコで扮した(笑)「座頭市」がすぐ思い浮かぶ。だがその一方、勝新が日本劇画化界の雄:小池一夫大先生原作「御用牙」の主人公に扮していた事は余り語られない。特異な小…

其の159:丹波先生、大暴れ!「ポルノ時代劇 忘八武士道」

小池一夫映画シリーズ第3弾(笑)は「ポルノ時代劇 忘八武士道」で御座います。小池一夫(旧「一雄」)・小島剛夕という「子連れ狼」コンビによる、この劇画の主演は故・丹波哲郎大先生!そして監督は丹波先生の盟友・石井輝男!!「網走番外地」からカルト…

其の158:「ちゃ〜ん」と言えば「子連れ狼」シリーズ

日本劇画界の大御所であり、屈指のストーリー・テラー:小池一夫。その氏の代表作のひとつが「子連れ狼」。その物語と小島剛夕によるど迫力の作画によって大ヒット!圧倒的な人気を受けて幾度も映画やTVドラマになりました。ここでは若山富三郎が主人公を…

其の157:超ドロドロ復讐劇!「修羅雪姫」

「巨人の星」、「あしたのジョー」の梶原一騎が<少年誌>における劇画原作の巨匠ならば、「子連れ狼」の小池一夫(当時は「一雄」)は<青年誌>における劇画原作の巨匠である。その小池大先生の代表作のひとつが「修羅雪姫」(作画は「同棲時代」で知られ…

其の156:現代社会の歪みか「フォーリング・ダウン」

現代は「ストレス社会」である。どんなお気楽な人でさえ、大なり小なりストレスを抱えていると思う。そして、それをいかにうまく解消するか(或いは「できるか」)が、現代人の大きな問題であり、必要な手段であろう。オスカー俳優マイケル・ダグラス主演の…

其の155:人間やめますか「レクイエム・フォー・ドリーム」

以前から<ドラッグ>を題材にした映画が公開されていた。ピーター・フォンダ主演の「白昼の幻想」やダニー・ボイル監督の「トレインスポッティング」等など。今回とりあげる「レクイエム・フォー・ドリーム」はドラッグ映画の頂点に位置するウルトラ・ハイ…

其の154:想定外アクション「エグゼクティブ・デシジョン」

またまた一瞬「燃えよドラゴン」や「子連れ狼」とか「地獄の黙示録」のメジャー作のほか、マイケル・ダグラスの「フォーリング・ダウン」や巨乳時代のジェニファー・コネリー出演「レクイエム・フォー・ドリーム」とかが脳裏をよぎりましたがー全部、後日に…

其の153:オリジナル版とリメイク作

昨今、邦洋問わずリメイク作が非常に増えました。で、結果<失敗>したものも少なくない。「戦○○○隊」や「日○○没」、「ポ○○○ン」とか(笑)。現在、ヒット中のハリウッド映画「ディパーテッド」も香港映画「インファナル・アフェア」3部作のリメイクです。…

其の152:重厚な秀作群像劇「クラッシュ」

クリント・イーストウッド監督作「ミリオンダラー・ベイビー」、「父親たちの星条旗」の脚本を書いたポール・ハギスの監督デビュー作「クラッシュ」(第78回アカデミー作品賞受賞)。彼が原案・脚本及び製作も兼ねた重厚な人間ドラマである。デビッド・ク…