其の27:新感覚サスペンス「バタフライ・エフェクト」

 今回取り上げるのは「バタフライ・エフェクト」です。
 ・・・たまには割りと新しい作品も紹介しようかと(笑)。一時期、映像的にも内容的にも意匠を凝らした斬新な作品が数々発表されました。内容が時系列に反して逆行する「メメント」や「アレックス」、SF的不条理サスペンス「CUBE」等の作品です。それらの傑作の中でもこの「バタフライ・エフェクト」が筆者のお薦め!

 
 主人公の少年は、幼い時から時々<一時的に記憶を消失>する事があった。そこで精神科医の勧めで日記を書くようになる・・・。成長した主人公はやがて日記を読み直すと不思議な感覚に包まれることを知る。なんと時間を越えて、失われた過去に戻る事が出来るのだ!少年時代から想い続けていた女性を守る為に、彼は過去と未来を変える旅を繰り返すー。

 
 ある意味、タイムワープする「パタリロ!」的サスペンスだが(笑)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」よろしく過去を変えると周囲はおろか自分の状況さえ大きく変化していく脚本の妙!全く観客に先を読ませない展開は「凄い!」の一言だ。ふたりの新人監督(これがデビュー作で脚本も兼任)が数年、台本を練りに練った甲斐はあったという事だ。

 成長した主人公を演じているのは若手俳優アシュトン・カッチャー。先日、デミ・ムーアと結婚した、らしい・・・(苦笑)。これまでは青春ラブコメ映画で活躍していたようだが(「ジャスト・マリッジ」他)、今作では悩める青年を好演!今後の活躍が期待される。

 レンタル版DVDは「劇場公開版」のみの収録だが、セル版は「ディレクターズカット」を収録。ラストが大きく異なるので、どちらも必見!ただ・・・筆者的には「劇場〜」の方がいいと思った。「ディレクターズ〜」は・・・う〜ん・・・(気になる方は是非ご覧下さい)。