<其の820>ファースト世代から見た「ガンダムSEED」&続編「DESTINY」

 2月も早下旬・・・。昨日、今日とめちゃめちゃ寒いんだけど、先日のあの暖かさは一体何だったんだ??

 

 映画「機動戦士ガンダムSEED  FREEDOM」が大ヒットという事で(近年はアニメ映画に大ヒット作が多いなぁ)、あの名作「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編」の興行成績を越えたそうでー当時と現在では入場料自体違うから、金銭面だけでは単純に比較は出来ないーとはいえ、凄いなぁ!!しかも20年ぶりの続編って「エヴァ」より年月空いてる(笑)。

 自分はリアルタイムでファーストを観てた世代なので、やっぱり富野由悠季が演出した作品じゃないとガンダムっていう気がしないんだけど・・・でもね、一応“勉強”として「SEED」の総集編3本、続く「SEED DESTINY」の総集編4本&スピンオフ1本を観ました!!山ほどエピソードがこぼれた超ダイジェストである事は承知の上での鑑賞。さすがに今から2シリーズ全100話を観てる時間は筆者にはない(笑)。最低限の基礎の基礎を知った・・・っていう感じかな。「そっちはTVシリーズで映画じゃないから、このブログには取り上げられないだろ!」というツッコミもあるでしょうが、その複数の総集編、ついこの間、映画館で“上映”されてたから・・・半ば強引に当ブログで取り上げる^^。

 そして肝心の映画「SEED  FREEDOM」は、、、未だ見てない(笑:忙しいのよ)。

 

 そもそもサンライズは「若い世代に向けた新しいガンダムを作ろう」という意図で「SEED」の企画をスタートさせたそうで、まず筆者は「宇宙世紀」じゃない事と「ミノフスキー粒子」の設定がない事にビックリした。確かに「宇宙世紀」にしちゃうと、既に何作も作られてるから、その年表内で構想しないといけなくなるんで新しい年号を考えた発想がまず素晴らしい(西暦のままだったら、どれぐらい先の未来なんだろ?)。また<ファースト>は「ミノフスキー粒子」の設定があってこそ「モビルスーツ」や「モビルアーマー」に必然性があたえられてはいたけれど、「Zガンダム」からは富野さんが監督していても<リアルロボット路線>ではなく、ほぼスーパーロボットになってたから、ハナからモビルスーツを<量産化されたスーパーロボット>として扱う事を踏襲したことも理解出来た。

 

 更に見ていくと・・・「SEED」及び続編「DESTINY」が、ファーストから「Zガンダム」、映画「逆襲のシャア」(「ガンダムZZ」は筆者は大して観てないので、いまいち分からず)から流用した部分をちょいちょい発見。

 思いつくまま書いていくと・・・

◎主人公キラ・ヤマトは最初から軍人ではない。戦闘に巻き込まれて、モビルスーツに乗らなくてはいけない状況になるのはアムロ・レイと一緒。

シャア・アズナブル同様、マスクした敵キャラが出る(「SEED」、及び「DESTINY」にも)。

◎主人公が乗る船のデザインがファーストの「ホワイトベース」に似てる。

ガンダムモビルスーツが何体もあるのは「Z」と同じ。敵メカはファーストの「ジオン軍」と同じ一つ目(モノ・アイ)型を使用。

◎続編「DESTINY」では主人公がキラからシン・アスカに変わるのは「Z」のアムロからカミーユ・ビダンに変わるのと一緒。

◎主人公が乗るモビルスーツが変わるのも「Z」と同じ展開(これは富野さん的には、その前の「ザブングル」からやってた事だけれども)。

◎登場人物たちに、ちょいちょいニュータイプ的表現あり。

◎「DESTINY」では、ファーストでグフに乗ってたランバ・ラルの名台詞「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」がまんまあり。またドムそっくりの機体が3体出てきて「ジェットストリームアタック」を仕掛けるのも、ファーストのまんま。

◎ファーストの「ソーラ・レイ」的最終兵器が「SEED」に出てくる。

◎「DESTINY」の最初の方に「逆シャア」の隕石落し的な事があって、地球各地の都市が崩壊する。

 ・・・書いていくとキリがない。「SEED」世界の基本設定、ナチュラルとコーディネーターという人種分けもオールドタイプとニュータイプのリアル発展形という見方も出来ると思う。お約束の戦闘シーンをまぶしつつ、キラと親友のアスラン、敵味方に別れてしまった2人の友情と葛藤を描くのは今作のオリジナル。

 キャラクターに関してファーストは作風同様、割とリアルなキャラが多いんだけど、「SEED」シリーズは全く異なるアプローチをしている。基本、出てくるのは漫画チックなイケメン&美少女キャラ!安彦良和デザインのキャラにもイケメンや美女はいたけど・・・数がその比ではない!キラとアスラン含むイケメンキャラ大量動員で女子人気をゲット(過去にも、この手法で「ゴッドマーズ」や「聖闘士星矢」が成功してる)。加えて美少女及び巨乳キャラでロボットアニメ好き以外の男子のハートをゲットーという戦略が功を奏したようで。それを狙ってなければ、巨乳の女性艦長が船が被弾する度におっぱいが大きく揺れる描写はやらないだろう。女性キャラを脱がすのが好きな富野さんだって、やってない(笑)。

 

 この他、筆者が<作劇>として驚いた要素もあるんだけど、全部書くとネタバレっぽいんでこの辺にするけど、うま~くファーストから続く一連の作品要素を取り上げつつ、魅力的なキャラ達でまとめあげたのが「SEED」及び、その続編「DESTINY」っていう感じ^^。これはあくまで「ファースト」から見てた筆者の個人的意見。逆に「SEED」からの世代が遡って「ファースト」、「Z」、「逆シャア」(余力があれば「閃光のハサウェイ」も)を見ての感想も聞いてみたいところ。映画版なら「ハサウェイ」除けば7本で観終わるし(筆者が見たのと同じ数だ^^)。

 

 それにしても「ガンダム」は形を変えながら、これからも作り続けられていくのだろうな~。子供の時は想像もしていなかったわ(笑)!