其の26:超カルト作!「徳川いれずみ師 責め地獄」

 タイトル「徳川いれずみ師 責め地獄」!!・・・正直、タイトルも凄過ぎるし、DVD(よく発売できたな〜)のジャケット写真も凄い(笑)。
網走番外地」シリーズで知られる故・石井輝男監督が放つ「異常性愛路線」第四弾にして、その最高峰ーそれが「徳川いれずみ師 責め地獄」!!ちなみに洒落のわかる人にだけ薦めます!

 ふたりの彫り師(吉田輝雄小池朝雄)それぞれの愛と葛藤・対立を軸に、のっけからウルトラ残酷描写が展開。全編に渡り目もくらまんばかりのエロ・サド・マゾが繰り広げられる正に怪作中の怪作!カルト中のカルト(誉めてます。一応)!!もう、こんな映画は道徳的に日本で作られる事はなかろう(笑)。

 その過激な内容の為、制作には様々なトラブルが発生したという。撮影中、出演女優が失踪(後に発見)したため急遽、代役が立てられた他、助監督達が声明を発表し制作中止を訴えるなど現場は混乱を極めたそうだ。天才・石井ならではのエピソード。

 石井作品には欠かせない名優ー由利徹大泉滉が今回は何故か女役で出演(笑)。ご丁寧に声も女性に吹き替えられている(笑)。デカダンに満ちたダークな作品でも石井は<笑い>を入れる事も忘れない。これは「どんな内容でもユーモアを忘れてはならない」と語ったアルフレッド・ヒッチコックに通ずる演出姿勢である。

 但し、(いま観ると)大爆笑でエンドとなる「恐怖奇形人間」(DVD発売希望!)と比べ、「責め地獄」はまた最後に大技(=超残虐シーン)を出して幕を閉じる・・・。食前・食中・食後まもなくの観賞は絶対に避けましょう(笑・でも本当)。