其の16:下世話なホラー・サスペンス「インビジブル」

 「ロボコップ」、「トータル・リコール」、「氷の微笑」など容赦ないバイオレンス(&エロ)描写で一世を風靡したポール・バーホーベン大先生(オランダ人)監督作品が下世話なホラー・サスペンス「インビジブル」。巨額の制作費と最新VFXを駆使して現在に<透明人間>が甦った(笑)!!
 アメリカの国家最高機密に属する研究プロジェクト・チーム。そこでは動物の「透明化実験」が極秘裏で進められていた。そこでチームを率いるセバスチャン(ケビン・ベーコン)は自ら被験者となって「人間の透明化」に挑戦!見事、実験は成功したのだが、姿のみえない彼は次第に<邪悪な存在>へ変貌するー!

 この作品の見所は何といっても「主人公が徐々に透明化していく場面」。皮膚が透け、筋肉と血管剥き出しの肉体から、やがて骨格が表れ・・・。透明化していく過程を徹底的にリアルに描いた作品は数ある「透明人間映画」の中でも世界初。また、この主人公が女性スタッフへの悪戯を手始めにレイプ、殺人と悪行をエスカレートさせていく・・・ここまで凶悪な透明人間も世界初だ(笑)。

 ケビン・ベーコン(「フットルース」、「ミスティック・リバー」他)にエリザベス・シュー(「ベストキッド」、「リービング・ラスベガス」他)と豪華キャストを揃え(彼らの出演理由は不明)、一気にラストまで見せ切るパワフルなバーホーベン演出はさすがの一言!

 ・・・但し、前作「スターシップ・トゥルーパーズ」(「宇宙の戦士」の実写化!)と今作がヒットしなかった為、バーホーベンはオランダに帰国したとか・・・。先生の復活作が早く観られるよう祈るばかりだ。