<其の793>奇想天外カオス作&スピルバーグの半自伝映画短評

 今月はいつも以上に忙しくて時間がないので、観たい映画を無理矢理連チャンで観賞しました。2作とも来週発表されるアカデミー賞にノミネートされとります。どちらも絶賛上映中につき、ネタバレしないようにサクッと書きマス♪

 

 まずは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。アメリカでコインランドリーを営む中国人主婦(ミシェル・ヨー)が、ある日、夫(=俳優復帰したキー・ホイ・クァン!!)に乗り移った“別の宇宙からきた夫と同じ人間”から<マルチバース(並行宇宙)>崩壊の危機を訴えられ、世界を救う為に戦う事になる・・・という奇想天外奇妙奇天烈すぎるSFアクションコメディー(大爆笑するようなシーンはそんなにないけど)。観ていて「マトリックス」を想起したのは筆者だけではないでしょう。

 発想は面白いし、ミシェル・ヨー他が繰り出すカンフー(ブルース・リージャッキー・チェン入ってる^^)もいい。目まぐるしくストレートに話が展開するジェットコースター・ムービー!!なのですが・・・日本での評価は賛否両論真っ二つ!ネタバレしないように筆者の感想を書くと・・・マルチバースを最後までシャッフルし過ぎて、ちょっとクドかったかなぁ~。個人的にはそこが惜しまれた。

 「ハロウィン」シリーズで知られるジェイミー・リー・カーティスが意外な役で出演してるので要注目で^^。一瞬、誰かわからんかったわ(笑)。

 

 そしてスティーヴン・スピルバーグ監督最新作「フェイブルマンズ」。名前こそ変えてあるけど、自身の幼少期から映画業界入りまでを描いた半自伝的作品。彼が少年時代に撮影した作品も、劇中、当時の機材を使用して再現している念の入れよう。

 筆者は<スピルバーグ世代>だから、彼の生い立ちもある程度知っていたけど・・・ここまでオープンに家庭の事情を描くとは思わなかったわ。ファンとしては面白い、面白くないよりも興味深い一作。終盤に某有名監督が出演していてビックリ!これは映画を観てのお楽しみで❤映画の本当のラストカット・・・の遊び心は良かったな。これも書けない!こちらも映画を観てのお楽しみで^^。

 

 かつて「西部劇とミュージカルにいつか挑戦したい」と語っていたスピルバーグだが、ミュージカルの方は「ウエスト・サイド・ストーリー」のリメイクで実現させた。今回、半自伝映画を作った事で、筆者は「もしやスピルバーグは引退を考え始めたのか!?」と一瞬考えてしまったのだけれど・・・次の作品は「ブリット」(’68)をベースにした作品らしいので、ちょっと安心した^^。