其の658:傑作!!「ペンタゴン・ペーパーズ」^^

 新年度が始まりましたが・・・今月はめっちゃハードなスケジュール!!!4月が終わったら、心身ともにげっそりしてそう・・・(怖)!?

 そんな状況の中、合間をぬって観たのがスティーヴン・スピルバーグ監督作「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(’17)。ベトナム戦争に関する最高機密文書・通称「ペンタゴン・ペーパーズ」について暴露した「ワシントン・ポスト」のジャーナリストたちを描いた実話の映画化です。絶賛公開中につき、いつものことですがネタバレは書きません^^

 
 ベトナム戦争が泥沼化していた1971年・アメリカ。亡き夫の後を継いでローカル紙「ワシントン・ポスト」の社主兼発行人を務めるキャサリン・グラハム(=メリル・ストリープ)は会社の経営を安定させるべく奔走していた。6月13日、全国紙「ニューヨーク・タイムズ」はペンタゴンアメリカ国防総省)がベトナム戦争について記録・分析した最高機密文書の存在をスクープ!これに「ワシントン・ポスト」の編集主幹ベン・ブラッドリー(=トム・ハンクス)らは負けじと動き、スタッフが情報をリークした人物との接触に成功。膨大な量の資料を入手する事に成功する。だがニクソン大統領は「ニューヨーク・タイムズ」を国家機密の情報漏洩とし、その後の記事の差し止めを求めて裁判を起こしていた。後追い記事を出す「ワシントン・ポスト」に違法性は!?違法であれば関係者は逮捕されて会社の存続さえ危うい。社内の意見が二分する中、キャサリンに最終決断が迫られるー!!

 
 どシリアスな社会派ドラマ。<実話ベース>だけに話の“オチ”は分かっている。けれども映画は・・・とてつもなく面白かった^^!!!

 現実とは大なり小なり変更されているとはいえ無駄のない脚色に力強い正攻法の演出(画面構成含む)。テンポのよい編集に、大女優メリル・ストリープ&名優トム・ハンクスの好演(これはいつもの事^^)。そしてジョン・ウィリアムズ御大の快調な音楽・・・「完璧」である。スピルバーグ完全復活だ(嬉)!!こんな傑作をマジ映画だからといって売るのに困ったのかもしれんけど日本の会社が大宣伝しなかったのはひたすら残念・・・!
 ・・・これ以上、書く事は大してないのだが、ちょっと短いのでもうちょっとだけ書く(笑)。

 学生さんとかがデートで見に行くジャンルの映画ではないので、観客は筆者含めて、いい年ぶっこいた人々だったのだが・・・泣かせる映画ではないのに、あちこちの席で鼻水をすする音が。“大人の事情”を身をもって経験している世代が観ると、ついつい劇中の人物たちに感情移入してしまい、その勇気ある行動に感動してしまうのだ。筆者も久々映画館で泣きそうになった^^!

 ふと考えると、スピルバーグは以前、エンタメ作「ジュラシック・パーク」のポスプロの間にどマジな実話「シンドラーのリスト」を演出(←彼は早撮りで有名)。今回も日本でもまもなく公開される「レディ・プレイヤー1」(←アメリカその他では大ヒット中)を一旦中断して今作を製作(前とパターンは全く同じ)!スピさんは忙しい時の合間に作った映画は傑作になる事がこれでよく分かった(笑)。

 映画館に見に行く予定の人は、少〜しアメリ近現代史の勉強をしておいた方が良いでしょう。そうでないと、ラストシーンの意味が分からなくて「ポカーン」となる(笑)。あとエンドクレジットの最後に出てくる女性の名前は既に亡くなられている女流映画監督です。

 
 スピルバーグは「(この映画は)現代との共通点がとても多い。だから、すぐにつくって公開したかったんだ。」とコメントしているが・・・批判的な報道をするマスコミを“フェイクニュース”と決めつける某大統領と政府について凄い危機感を抱いているんだろうね(苦笑)。そういや、どこぞでも公文書を“改ざん”、“隠べい”して国民を騙しているようだから・・・地球上に存在する全てのマスコミの方々、正義と国民の知る権利の為に頑張りましょう!!