<其の779>殺人鬼版「君の名は。」!?「ザ・スイッチ」

 8月もお盆の時期になりました。行動制限のない今夏は、コロナ第7波が高止まり。帰省や旅行で感染者は更に増加しそうだが・・・果たして、いつピークアウトを迎えるのか!?猛暑とコロナ、物価高でトリプルパンチの2022年・夏である(困)。

 

 先日、佐藤健阿部寛出演の映画「護られなかった者たちへ」を観ました。東日本大震災と日本の<生活保護制度の欠陥>をテーマにした社会派ミステリー作品。筆者は中山七里の原作小説を事前に読んでいたので、原作後半に展開されるサスペンス部分がすっとばされていたのは残念だった。おかげでサプライズ部分が弱くなっちゃったし(中山氏は、どんでん返しを得意とする作家)。ただ、原作の精神は失われていない。小説未読で観たら素直に「いい映画」だと思う。一見、ハードルが高い社会問題をエンタメ作品で広く周知するのは大事な事!邦画も少女漫画の実写化ばかりではなくて、こういう作品を作って欲しいな~!是非、多くの人に観て頂いて考えて欲しいと切に思う。同じ中山原作ながら犯人を単なるサイコパスに改悪した映画「ドクター・デスの遺産」よりは遥かにマシだ。

 

 今回の本題。当ブログに長年おつきあい頂いている方は、筆者の傾向として<変わったストーリー、設定の映画が好き>である事はご承知頂いていると思います^^。「ザ・スイッチ」(’20・米)もそんな捻った作品!!グロと笑いが混在した快作❤絶対、スタッフは「中2病」だと思う(笑)。

 

 バーニー・ギャリス(=ヴィンス・ヴォーン)は半ば都市伝説として語られている指名手配中の凶悪殺人鬼。彼は男女4人の高校生を殺害した際、ちょっと変わったデザインのナイフを手に入れた。ある日の夜、バーニーは地味目の女子高生ミリー(=キャスリン・ニュートン)を襲撃する。彼女の肩にナイフを突き刺した時、ナイフの持つ魔力が解放!!バーニーとミリーの中身が入れ替わってしまう。翌朝、それぞれの住まいで目を覚ました2人は驚愕の事態に動揺するも、ミリーは友人達になんとか事情を理解して貰えた。リサーチの結果、ナイフは太古の文明から伝わるもので、魂が入れ替わった際、24時間以内に再びナイフを刺さないと永久に元に戻らない事が判明。ミリーたちはバーニーの捜索を開始する。一方、バーニーはイケてるファッションに着替え、同級生達を殺す行動を開始。果たして、ミリーは自身の身体を取り戻す事が出来るのか!?

 

 映画の「転校生」や「君の名は。」は思春期の男女が入れ替わる事によるギャップが愉しい作品なんだけど(舘ひろしとガッキーの親子が入れ替わる連ドラもあったな)、今作は家庭内に問題を抱え、イケてる同級生達からはイジメられるスクールカーストの底辺にいるJKと50代の巨漢殺人鬼が入れ替わる爆笑作。2人の見た目と言動のギャップが凄くてね・・・!いや~、大笑いさせて頂きました^^。

 監督のクリストファー・B・ランドンは「13日の金曜日」シリーズをベースに(バーニーは人を襲う時、ジェイソン風のマスクを被るし、劇中のスーパーは「13金」に酷似)スラッシャー映画の定番を守りつつ(代表例:冒頭、親が不在の家でHした高校生カップルは即座に殺される^^)、JKと親父の入れ替わりギャップギャグを随所に投入。ホラー映画をパロった「スクリーム」シリーズの香りも感じさせる。コメディーとはいえ、惨殺部分は手を抜かずにグロいから心臓の弱い方は要注意で。

 JKと親父殺人鬼がどう入れ替わるのかという<方法>に興味あったんだけど(最悪、某有名作同様に2人が階段で転がる事も想定はしていた)、まさかこんなラノベのようなSFテイストとは(笑)!2人の住んでる部屋もミリーはバリバリのJKテイスト満載なんだけど、バーニーはどう見ても殺人鬼が住んでる荒んだ部屋(笑)!あんなわかりやすいオブジェや凶器をわんさか置いてる部屋に住んでたら、すぐ逮捕されるって(笑)。

 「入れ替われるのは24時間以内」というタイムリミット・サスペンスのハラハラ要素にグロと下ネタ(でてくるの高校生達だから^^)とベタなギャグも混ぜて笑わせつつ、最後は映画として●●●●の●●も●●●●●●(書きたいけど、ネタバレになるから書けない!めんご)。一風変わった青春映画として観てもいいと思う。マジでお薦めです。

 

<どうでもいい追記>大ヒット中の「トップガン」続編にはあまり興味はないけれど(トム・クルーズは好きだけどさ)、スタローンが再編集したロッキーとドラゴの映画は超観たいっ!!オリジナル版もリアルタイムで観てるしさ^^。でも、コロナの猛威が凄すぎて(このまま「8波」も来そうな雰囲気)ちょっと映画館には行きにくいなぁ・・・(困)