<其の762>知る人ぞ知る怪作!?「日本妖怪伝サトリ」寸評

 今年も12月になりましたが(早っ)・・・忙し過ぎて更新があきました(疲)。今度はオミクロン株が流行しそうだし、スピルバーグの新作は来年に公開延期になるし。いろいろトホホな師走だわ。

 

 さて、今回は映画ジャンキーSくんから教わった映画です。そのタイトルは「日本妖怪伝サトリ」(’73)!!現代ニッポン(公開当時の70年代)を生きる薄幸そうなヒロイン(=「盲獣」ほかに出演している緑魔子)と社会からドロップアウトした通称“ものぐさ太郎”のカップルに、人間が思う事を次々と言い当てて最後には殺すという民話の妖怪“サトリ”が絡む・・・。

 監督は東陽一(兼脚本)。東(「あずま」じゃないよ、「ひがし」だよ)監督の一般的に思い出す代表作と言えば、やっぱり「サード」(’78)とか「もう頬づえはつかない」(’79)辺りじゃないだろうか。“個人的”には「四季・奈津子」(’80)ほか、ちょっとHなシーンのある映画撮ってるイメージかな。監督のファンの方はごめんね!でも当時、小中学生だった立場としての率直な感想(笑)。

 そんな東さんが監督3作目にして<現代人の鎮魂歌として演出した意欲作>というのが今作なのだけど・・・ど直球なタイトル&先述の基本設定だけでも凄い!!・・・さすが70年代ってなところかしら?!もし筆者がこの設定で脚本書くのを依頼されたら・・・展開に困って、まんまタイトル通りホラーテイストな内容か、はたまたアクション映画としてシナリオ書きそう(苦笑)。この企画で製作資金を集めるのが大変だったそうだが・・・だろうなぁ・・・(苦笑)。

 一見ダルそうなカップルの青春映画、人生映画っぽさも出しつつ、様々な要素の詰まったストーリー展開(ちょっとフランス映画「まぼろしの市街戦」入ってる)に、独特なカメラワーク(空撮もあり)・・・良く言えば意欲作、実験作・・・言い方変えれば怪作・・・だよなぁ!一般受けはしないけど(笑)面白い映画よ^^!説明するのがなかなか難しいテイストなので、とりあえず観て欲しいですわ。佐藤慶吉行和子ほかメジャーな俳優さんも大勢出てるし。筆者は当時の新宿駅前の様子とかも観られて、別の意味でも楽しめた一作。

 

 ただ東監督は今作の興行的失敗で映画が撮れなくなり、次作「サード」で見事、復活を果たした事は本当に良かった良かった^^。

 

 さて、今年は最後の<総括>含めて、何回更新出来るかなぁ・・・(マジで本当にいま忙しいのよ。まだコロナ渦なのに!)。「マトリックス」含めて3回ぐらいは書きたいなぁ・・・(希望)。