其の365:快作娯楽アクション「プロフェッショナル」

 超ゴタゴタ続きで間が空きました(汗)。そんななか伊坂幸太郎原作の映画化「ゴールデンスランバー」を観賞(タイトルはもちビートルズの同名曲から)。<巻き込まれ型サスペンス>ということで(てっきりヒッチコック風になると思ってた)飽きずに面白く観られたのだけれど(細かな伏線も最後に回収されていくし)・・・主人公なり警察が●●●●せず(公開中につきネタばれ防止)!そこが筆者的にはちょいもの足りなかったな〜。伊坂版「JFK」といった趣き。伊坂ファン&サスペンス好きな方は是非ご覧になってくださいませませ^^。


 その一方、「映画はスカッとするアクションに限る!」と思う方も少なくないだろう。1966年公開のハリウッド製映画「プロフェッショナル」は<西部劇>のお約束のドンパチに加え爆破シーン満載の大娯楽作!勿論、今作を取り上げるのには作品の面白さに加えて、筆者が大好きなセルジオ・レオーネの「ウエスタン」に出ているクラウディア・カルディナーレが出演していることも大きい(=趣味っす)^^。彼女自身も後年、自作で好きな映画の1本に挙げてるほどだ。

 時はメキシコ革命の最中ーテキサスの油田の持ち主によって4人の男が招集された。リーダー、ファーダン(=「特攻大作戦」のリー・マーヴィン)は射撃の名人。レンガード(=サム・ペキンパー映画で御馴染み、ロバート・ライアン)は馬についてのプロ、黒人のジェイク(ウディ・ストロード)は追跡と狩りの達人。そしてドルワース(=「ヴェラクルス」のバート・ランカスター)はダイナマイトの専門家。彼らは革命家ラザ(=「シェーン」の悪役:ジャック・パランス)たちに誘拐された油田王の妻マリア(クラウディア・カルディナーレ)をとりかえすために雇われたのだった。革命家くずれの彼らは高報酬につられ、マリア救出に出発したのだが・・・そこには想定外の事態が待ち受けていた(本当)!

 リー・マーヴィンロバート・ライアンバート・ランカスター、そしてジャック・パランス・・・映画史に残る名優たち大集結の大A級作。リー・マーヴィンはあいかわらず渋いナイスな漢だし、ジャック・パランスも変わらず基本悪役(笑)。そしてバート・ランカスターは珍しくヤリ●ンの軽〜い男に扮している(爆笑)。<革命家崩れのダイナマイトのプロ>というキャラクターは、セルジオ・レオーネ監督作「夕陽のギャングたち」のショーン(演じるのは「荒野の七人」のジェームズ・コバーン)のモデル・・・と筆者は勝手に睨んでいる(違ってたらすまん、レオーネ)。そんな男臭い面子の中に、明らかにお色気要員も兼ねたクラウディア・カルディナーレ(→当時、彼女はハリウッドにも進出してた。結果はあんまりうまくいかなかったけど。)が胸元ちらちら攻撃を繰り出し観客を魅了する仕組み(笑:でも本当)。ちなみにランカスターとカルディナーレは後にルキノ・ヴィスコンティの名作「山猫」、「家族の肖像」でも共演することになる。

 旅の途中の銃撃戦や革命家ラザの一群VS列車を守る軍隊との攻防など、アクションとしての見所も数多いが(=その昔は西部劇もスポーツものも「アクション映画」として分類されてたのさ)最大の見せ場は、やはりマリアを救出するためにメンバーがラザの砦に侵入する場面だろう。詳細は映画を観てほしいので避けるが(→ここで誰もがよきせぬ衝撃の事実が発覚する)ここでランカスターの仕掛けたダイナマイトがバカバカ炸裂!!加えてジェイクが放つ<火薬付き弓矢>はスタローンの「ランボー 怒りの脱出」より早いぞ^^。西部劇というより戦争映画のような味もあるのが今作の素晴らしいところだ。

 製作、監督、脚本(原作はフランク・オローク)はリチャード・ブルックス(1912〜92)。脚本家として「キー・ラーゴ」ほかを執筆、監督業に進出してからもヤンキー学生を描いて社会問題にもなった「暴力教室」(’55)のほか「熱いトタン屋根の猫」(’58)、「冷血」(’67)、ダイアン・キートン主演「ミスターグッドバーを探して」(’77)など映画史に残る秀作を数多く発表したのだが・・・本人の名前は近年誰もいわない(寂:当時のハリウッドによくある<数多くのジャンルを手掛けた職人監督>でくくられて終わってしまったのかも)。そんな、どんな内容でも一級品に仕上げた彼の手腕は今作でも存分に発揮されております。設定はちょいジョン・フォードの「捜索者」入ってるけど、中盤からのひねりの展開は、さすがにシナリオライター出身だけのことはある。ちなみに音楽は「アラビアのロレンス」、「ドクトル・ジバゴ」ほかの大巨匠モーリス・ジャールが担当よん♪

 タイトルの「プロフェッショナル」はズバリ4人の男たちのこと(=「専門家」)を指している。仕事をキチンとやり遂げることに関してもプロだが、最後の最後には<プロとして、男としての心意気>をも見せつける(その清々しさ!)。アクションにお色気(笑)、最後には爽快感・・・と不味いビール飲むより遥かにスッキリする今作。御薦め。



 <どうでもいい追記>ついに実写版「宇宙戦艦ヤマト(→何故か邦画なのに「宇宙戦艦」が「スペース・バトルシップ」と英訳されとる)」の予告を観てしまった!ヤマトのCGは予想通りプレステ2に毛が生えたぐらいのクオリティーだが、キムタクの古代くんは・・・18歳という設定はさすがにキツイぞ(苦笑)!