<其の742>映画に歴史あり!「妖怪巨大女」という作品もある!!

 いよいよ東京にも「まん防」適用のようで。緊急事態宣言Ⅱが明けてまもないのに・・・リバウンド早かったな~・・・。

 

 何度も書いている事ですが・・・映画とはそもそも<見世物>として始まったもので、もう100年以上、世界各国でありとあらゆる作品が作られ続けている訳ですが・・・今回紹介するのは、その名も「妖怪巨大女」(’58・米)!!大蔵貢社長時代の新東宝ではありません。タイトルが凄いけど、内容はそのまんま(笑)!

 今回は現代の若い方々には信じられないかもしれませんが「昔はこんな映画もあったのよ^^」という<映画史>を伝える為に書く回です。ブログのタイトルに反しますが、決して傑作ではありませんのでご了承下さい。

 

 アメリカ・カリフォルニアにて。ある夜、ナンシーが車で走っていると、道路上にUFOが出現!中から現れた巨大宇宙人に捕まりそうになった彼女は命からがら町へ戻りこの話を伝えるものの、夫・ハリーが愛人にうつつを抜かしている事が原因で、彼女の精神状態が不安定である事を皆が知っていたので誰も話を信じない。ナンシーは嫌がるハリーを伴ってUFO探索に出る。夜まで探して回って諦めかけたその時、2人の前にUFOが出現!宇宙人にナンシーは捕まり、ハリーは逃げてしまう。程なくナンシーは自宅のプールハウスの屋根の上で発見されたのだが、気を失っていた彼女は巨人と化していた!その彼女が目覚めた時・・・!?

 

 放射能によって物体が巨大化する・・・1950~60年代のB級映画によくあるパターン!今作では人妻が巨大化(併せて何故か服も巨大化!)して、浮気夫を探しに町へ出て大騒動になるというお話(シンプルなプロットやな~)。俳優陣は筆者は誰も知らない方々なので割愛!

 予算とスタッフの技術、双方の問題だと思うけど・・・特撮がチャチいの!!UFOは単なる白い球体だし(風船か?)、合成した巨人化ヒロインや巨大宇宙人の姿が何故か透けてる!!しかも宇宙人は、変な衣装着たハゲのじいさん(爆笑)!破壊されるセットほか特撮絡みが全てチャチくて、エド・ウッドが監督した映画かと思った(笑)。巨大化したヒロインが高速道路をまたいでいる有名な(?)ポスターがあるけれど、そんなシーンは勿論ありません!!

 監督のネイザン・ハーツは・・・実は美術監督としてアカデミー賞も獲ってるネイサン・ジュランの変名(変名使うとは、マカロニウエスタン初期のイタリア人みたいだな)。そんな方が何故このような企画を引き受けたのかは・・・不明(苦笑)。21世紀の現在視点ではとても信じられない事だが、この作品・・・ヒットしたらしい。おそらく観客の怖いもの見たさによる動員&上映時間(65分!)の短さで劇場の回転が良かったのだと推察するが・・・違ってたらすんません。

 

 その後、今作のリメイクとして2本ぐらい映画が作られていて、その内の1本は「ブレードランナー」、「スプラッシュ」、タランティーノの「キル・ビル」に出ていたダリル・ハンナが主演してる(驚:おそらく金の為)。そんなリメイク作がオリジナル同様、ヒットしたのかどうかは・・・不明だ(笑)。

 長い世界映画史の中には、いろんなタイプの作品が生まれては消えていた・・・というお話でした^^!