其の560:勝手に健さん追悼(遅)「新幹線大爆破」

 日本の“グレイティスト・アクター”高倉健さんが亡くなったのが2014年11月10日。健さんの代表作といえば「網走番外地」シリーズや「幸福の黄色いハンカチ」、「鉄道員(ぽっぽや)」ほかを挙げるだろう、“普通”は。でも、このブログでそれらを取り上げても・・・もう書かれ過ぎてて意味がないので、筆者としてはあえて“変化球”としてパニック・アクション大作「新幹線大爆破」で遅い追悼をしようと思う(これも今じゃカルト映画)。いつも通り、ネタバレしないよう書きますのでご安心を^^。昭和50(1975)年の映画なので、懐かし〜新幹線(あの団子鼻^^)のほか、昭和の風景が満載(クルマも古けりゃ、電話も黒電話)!若い読者の為に一応書いておきますが、この時代はスマホもデジカメもパソコンもないのでシクヨロ!!


 国鉄本社・公安本部に1本の電話が入った。今朝、東京駅を出発し博多へ向かう新幹線「ひかり109号」に爆弾を仕掛けたという。ところが、この爆弾はスピードが80キロ以下に減速すると自動的に爆発する特殊な仕掛けを施してあるというのだ!!加えて犯人は、その証拠として札幌近郊を走る貨物列車にも同じタイプの爆弾を仕掛けたという。そこで国鉄が列車を減速させてみたところ、予告通りに爆発する。犯行グループは精密機械工場の元経営者・沖田哲男(=健さんよ❤)、沖田を慕う元工員の大城浩(=織田あきら)、そして元過激派の古賀勝(=山本圭)ら3人。沖田は乗客1500人の身代金として500万ドルを国鉄本社に要求する。犯人たち、国鉄、そして警察、三つ巴の駆け引きと頭脳戦が展開するー!!


 <乗り物のスピードが80キロ以下になると爆発する>という設定からキアヌ・リーブスサンドラ・ブロック共演作「スピード」の元ネタともいわれる今作。日本よりフランスで大ヒット、アメリカでも公開されたそうだから・・・まんざら嘘でもなさそうなトリビア

 当時の東映社長にして“剛腕”・岡田茂(故人)の発案で企画されたとあって(←当時はハリウッドでパニック映画が流行ってたから)、製作費は当時の金額で5億3000万円!しかも出演者は先述の高倉健さん以外にも千葉真一宇津井健鈴木瑞穂竜雷太田中邦衛のほか黒澤組常連俳優・志村喬&「ウルトラマン黒部進に大作には必ず顔出す丹波哲郎も!!さらには若き日の志穂美悦子小林稔侍、超ちょい役で多岐川裕美や岩城滉一の姿も。特にボーッと観てたら滉一さんは分からないと思うので要チェックということで(笑)。

 タイトル通り<新幹線>が出てくるんで国鉄(当時)の協力は必須な訳だが、国鉄に実物の新幹線の撮影協力を依頼したところ、映画のタイトルに難色を示し(考えてみれば当然だろうが)「『新幹線危機一髪』とタイトルを変えるなら」と題名変更を要求されたため交渉は決裂(あらあら)。結果、国鉄からの撮影協力は得られず、ロケ撮影が思う様にできなかったそうだ(→ゲリラ撮影や模型での代替でしのいだ)。このため制作が予定より2ヶ月遅れ、完成したのは封切の2日前だったというから・・・監督・共同脚本を務めた佐藤純弥(→監督と健さんは今作前には「ゴルゴ13」他や今作以降も「野生の証明」他でコンビ組んどる)は死ぬほど大変だっただろう(同情)。

 「犯行グループ」、「警察」、「国鉄」、そして状況知ってパニックになる「新幹線内の人々」と4つの視点で構成されていく、このテの作品のベタベタながら王道の展開。しかも<東映作品>なんで頭脳戦も・・・決してスマートではなく、何故か泥臭い(笑)。おまけにちょいちょい「なんでやねん!」とツッコミたくなるご都合主義部分も多々ありますけどね、素直に面白いですよ!!ハリウッド作品なら<犯行理由は金が欲しいだけ>なんて作品も結構あるものの、さすが健さん主演作だけに主人公がどういった経緯で犯行に至ったのかもちゃんと描かれてる。さすが健さん、我々のイメージを裏切りません。で、<東映>だけに序盤の貨物列車(SL!)以外にも派手な<爆発シーン>あり(笑)!流石です^^。

 
 今作で高倉健さんを追悼するのは邪道かもしれないけど、健さんはハリウッド作含めてほんとにいろんな作品に出演されたので(トータル205本!!)、こういった変わり種も知って欲しいというのが筆者の意図。黒いヘルメットかぶってバイクに乗る健さんはかっこええぞ〜!!主な代表作を観終わったら是非こちらも観て欲しいものです。


 前にも何度か書いたけど・・・1970年代の東映は「ヤクザ映画」や「ピンキーバイオレンス(エロ)」と良くも悪くも個性の強い会社で、筆者の少年時代には一番人気があった映画会社だったのに、いまじゃあ、いつのまにか抜かれた東宝に追随している感じ・・・(溜息)。昔のハチャメチャなパワーを今こそ取り戻してほしい。
 

 <どうでもいいお話>先日導入されたパチンコ第2弾「CR機動戦士ガンダム」をようやくプレイ!結果、ちょっとだけ負けたけど、当たったから良かった^^。大当たり後、前にはなかった「ジオン軍モード」でシャア・ザクがガンダム倒した時は気持ち良かった〜♪アニメじゃなかった&ありえないシーンだからね❤