<其の759>ドゥニ・ヴィルヌーヴ版「DUNE╱デューン 砂の惑星」PART ONE 寸評

 今月は週1ペースで映画館に行ってます^^。つい先日リドリー・スコット監督の新作を更新したばかりだけど、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作「DUNE╱デューン 砂の惑星」も観たから書かなくっちゃ(笑)!

 

 世界のSF小説史上に燦然と輝くフランク・ハーバートの同名大河小説・全8作の内、第1作目の映画化。原作が「スター・ウォーズ」や宮崎駿監督作「風の谷のナウシカ」にも影響を与えた事は有名なお話。ストーリー紹介は割愛します。興味ある方は自分で原作を読んでくだされ^^。

 この小説の映画化の歴史は、映画ファンなら誰もが知るトリビアがあって、あえてそれを書きますと・・・まず初めにカルト映画「エル・トポ」のアレハンドロ・ホドロフスキー監督が企画するも予算がかかりすぎる事で断念、続くリドリー・スコット監督も諸事情で断念(脚色内容がハーバートを怒らせた&スコットの兄が癌で亡くなる精神的要因もあり)。そしてデビッド・リンチ監督によって、ようやく完成したものの(当時の製作費で120億円!!)映画は大コケ。<リンチファン目線>で観れば、興味ある部分はじっくり撮って、説明が長くなる部分はボイスオーバーであっさり処理するという(脚本もリンチ自身)・・・微笑ましく観られる一作になっている(笑)。その後、テレビドラマによるミニシリーズとして初期3部作が作られたという経緯がある。そんな流れを受けてのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版である。

 ネタバレしない範囲で率直に感想を書くと「映画館で観るべき作品」とは、こういう映画だと思う。壮大なスケールで描かれる人間模様と戦いの様子・・・大きなスクリーンと良い音響の下で観るのが何より大事。初見からテレビサイズの画面で観るのはもったいない!!

 ドゥニさん以下、スタッフ、キャストがタイトル通りー実際の砂漠で長期間の撮影を敢行。これまで撮ってきたSF映画(「メッセージ」、「ブレードランナー2049」)同様、かっちり撮った引きの画、寄りの画を組み合わせながら<主人公視点>で物語は進行していく。リドリー・スコット監督は“ビジュアリスト”と呼ばれているけど、ドゥニさんもリドリーに引けをとらない“ビジュアリスト”だね^^。リンチ版の保水スーツのデザインを何気に踏襲しているのもいい(笑)。

 正直言えば砂漠の風景をもう少し観たかったとか、戦闘シーンにもう少し迫力があればとか、若干の不満はあるけれど、「オー二ソプター」の造形の面白さと「サンドワーム(砂虫)」の存在感の凄さでそこは目をつむります^^。&元々2部作構想で作ってるので(最初のタイトルに「PART  ONE」とクレジット出てくる)、当たり前だけど、いいところで映画は終わる(笑)。これは絶対に<後半>が観たいっ!!

 

 ドゥニさんは「ハナから2部作で」と言っているのに、スタジオは「後半製作は興行成績次第で」という報道があり、我が国で上映中ながら、いまいちな感じなので心配していたのだけれど、幸いアメリカの方ではヒットして、つい先頃、「後半製作にGOサインが出た」との事で・・・本当に良かった!!この報道を受けて、慌てて更新したのが今回(笑)。ドゥニさん自身が「デューンを映像化することは大きな夢だった」と公言しているし、筆者と年齢も近いので(笑)、後半の映画に大いに期待してます^^。