<其の758>地味だけど・・・面白い!「最後の決闘裁判」寸評

 まもなく10月も終わり。コロナ感染者の急激な減少に加え、夏から秋をすっとばして、いきなり冬になったような気候も気になるところだけど、今年も残り2か月・・・って早っ!!

 ・・・と毎年書いてるお約束からスタート(笑)。

 

 先日、リドリー・スコット監督作「最後の決闘裁判」を鑑賞。14世紀末のフランスで法的に認められた最後の決闘裁判(←原告と被告の決闘による勝敗によって有罪か無罪かが決まる合法のバトル)を描いた実話の映画化です。タイトルも内容も地味だし、日本じゃヒットしそうにないので打ち切られる前にダッシュで観に行った訳。そうしたら平日の昼間の回とはいえ、お客は筆者入れて5人。“パンフレット”も未制作で発売なし・・・日本の宣伝担当者もさすがに分かってるね(苦笑)。

 近年のリドリーさんは主に<SF(残り2本の「エイリアン」前日譚が興行成績の悪さでお話がパーになったのはつくづく残念)>、<歴史もの>、そして<実話もの(来年公開の最新作もグッチ家のお話)>の“3本柱(アベノミクス状態?)”で仕事してるけど、今作は<歴史もの>&<実話もの>の合体ってなところ。

 内容を超ざっくり書くと、騎士であるマット・デイモンの妻(ジョディ・カマ―)が夫の不在中、かつてマットの親友だったアダム・ドライヴァーにレイプされ、それを夫に告白。アダムが無罪を主張した為、マットが決闘裁判を申し込んで、どちらかが死ぬまで戦う事になる・・・というお話。

 映画は「マットの視点」、「アダムの視点」、そして「妻の視点」で描かれる黒澤明監督作「羅生門」風スタイルで進行。マットとベン・アフレック(←マットとアダムのとこの領主として出演)が久々に共同で脚本書いて(「ジョディの視点」パートでは女性脚本家も参加)、マットが“決闘シーン”を描くのに長けたリドリーに監督を依頼したという。なんせリドリーのデビュー作は「デュエリスト╱決闘者」だしね(笑)。

 さすがリドリー・スコット・・・映像はもろ当時を描いた絵画を意識した端正な画作りに(「夜の城内のシーン」とかはキューブリックの「バリー・リンドン」の影響もありとみた)、CGを上手く使用したリアルな戦闘シーンの数々。そして、最後の決闘裁判のド迫力!!・・・個人的には前回書いた「007」より面白かった!リドリーさんのファンを公言しているアニメ界の巨匠・押井守監督もきっと喜んでると思う(違ってたらスミマセン)^^。

 あんまり書くとネタバレするんで、ちょっとだけにするけど俳優陣も皆いい芝居をしていた。いろんな思惑が重なる中世ヨーロッパ版「半沢直樹」っぽいところもあり、昨今の女性運動を意識した部分もあり、いろいろ考えさせられる映画になっている。中学生男子あたりはバトルシーンの他にベン・アフレックが「カリギュラ」の如くエロい事したりしているんで、その辺りもお楽しみに(笑:でも過剰な期待はダメよ^^)♪

 

 映画観た後に知ったのだけど、日本はおろか、本国アメリカでもいまいちヒットしてないようで・・・。いや~、マジで面白い映画なんだけどね・・・残念だわ~。

 

 ・・・もうちょっと古い話だけど「劇場版  鬼滅の刃 無限列車編」観ました。ノーカットのテレビ放送でだけれど。ようやく買っておいた“パンフレット”を読むことができましたわ^^。