其の466:「アイアン・スカイ」の出来は?!

 ご無沙汰であります。筆者も人並みに夏季休暇を取っておりました(マジ休みなかったら死んでた)^^。

 その夏休み前、今年最大の話題作にして最大の馬鹿映画「アイアン・スカイ」を試写会にて鑑賞。さて、その肝心の出来栄えは如何に?!公開前なんでネタばれしない範囲で書きマス。ちなみにメジャーな俳優はウド・キア(ドイツ人)ぐらいしか出ていないんで、俳優紹介は省略。


 
 1945年、ナチス・ドイツ敗北。ところが、一部のメンバーは極秘裏に月へと逃亡、秘密基地を建造して生き延びていた!時は流れて2018年ー。長年、連合軍への逆襲の機会を窺っていた彼らは遂にUFO型宇宙船の大編隊を組んで、地球侵略に乗り出すのだが・・・!?


 
 <月に逃げた隠れナチが地球を襲撃する>という、誰もが考えそうで考えなかった一発アイデア(←誉めてます^^)、まさかの実写映画化。設定だけ聞くと、真面目な御仁からはお叱りを受けそうだが(笑)映画自体はナチもアメリカ(女性大統領登場!)も皮肉るブラックコメディ・アクションになっている。映画に出てくるナチといえば(ここで何回も書いたフレーズだが)“変態残虐エロ集団”がお約束だが、今作にはエロは出てこないので、そのテの内容がお好きな方はご注意下さい^^。


 知らない人の為に補足しますと・・・戦後しばらくは「ヒトラーは南米で生きている説(→自害したとき遺体を焼却したため、生存の有無が疑われた)」がまことしやかに囁かれたり、ナチは実際に劇中に出てくる<円盤型飛行兵器>の他、<風力砲(=高圧水蒸気で飛行機を墜落させる)>、<音波砲(=高周波音波で敵兵士を殺害)>、<竜巻砲>等、“トホホな超兵器”を研究していた。だから丸っきり“居酒屋で飲んでて酔って思いついたバカ企画”ではない訳。もっとも、月に逃げる程の能力があったら戦争勝てる気もするけど(笑)。


 アイデアもいい、“超兵器”や“月面基地”のナチ的レトロ・デザインもいい・・・ところが今作、悲しいぐらい低予算!度々製作中止に追いやられ、世界中の映画ファンやSFマニアから出資を募り、約1億円集めてようやく完成した程(でも特撮CGはチャチくないよ)。詳細はネタばれするので避けるが、主人公たちがアメリカに極秘潜入してからの下りが長い&本篇最大の売り:ナチの地球攻撃シーンが・・・すげー短いんだよ〜!!これが普通のSFアクション映画並の尺あってバンバン攻撃シーンがあれば、筆者の採点はぐんぐん上がったのだが・・・ホント、残念!残念すぎ!!


 監督はフィンランド人のティモ・ヴオレンソラ。さすがにドイツ人やフランス人では、この企画思い浮かばない(笑)。この人、今作前には「スターレック 皇帝の侵略」という、タイトルだけ見ても「スター●●ック」のパロディSFコメディ作ってる。才能ある人だと思うので、欧米諸国のプロデューサーは、彼に潤沢な映画資金を用意してあげましょう!


 筆者的には大変残念な出来だったが・・・本国フィンランドでは大ヒット。結果、今作の“前日譚”と“続編”の製作が決定したそうな。ナチの月への脱出行や月面基地の建設過程を描く前日譚はいいとしても(→ついでに今作では描かれなかった、食糧の自給方法や生活の様子も描いて欲しい)、続編は・・・このオチの場合、どうすんだろ!?気になるところだ。



 <気になるといえば>→→今年筆者がチェックしてる映画といえば、近いところでいうと「プロメテウス」に、「エクスペンダブルズ2」があるのだが、早くも「エクスペンダブルズ3」の企画が始動したようだ。「3」にはニコラス・ケイジのほか、クリント・イーストウッドダーティハリー)にハリソン・フォードインディ・ジョーンズ)出演の可能性もある、という情報だが・・・ホントかよ!?アクション映画出てた人をただ集めりゃいいってもんじゃねーぞ(観たいけど)!