其の662:カルト化必至作^^「マザー!」

 先日、誕生日を迎え、最初に観た映画は・・・ラス・メイヤー監督の「ブラック・スネイク」(’72)でした(笑)。これ、メイヤー初の興行的失敗作としてファンの間では知られている。予定していた主演女優(巨乳)がクランクインの3日前にヤク中で降板。急遽、アヌーシュカ・ヘンプルをヒロインに起用したものの、彼女が“普通のおっぱい”だったゆえ・・・客が入らずコケたという(苦笑)。筆者が観た感じで書くと・・・19世紀ながら奴隷を使って農園を経営している悪徳ヒロイン達のお話で「いかにもメイヤー」っぽいんだけど、正直、ヒロインの脱ぎが少ないんだよね〜!女優が変わった事で当初の予定を変更したのかもしれないけど<メイヤー映画=巨乳女優のヌード>を目当てにしていた70年代の助平な観客は「これは観に来ないな」とは思った。でも、これは映画の出来以前の問題なんで致し方なかろう^^。


 そんな流れの中で観たのが「ハンガー・ゲーム」シリーズのジェニファー・ローレンス主演作「マザー!」(’17・米)。監督・脚本はダーレン・アロノフスキー。今作は去年開催された「ヴェネツィア国際映画祭」のコンペティション部門に出品されたりしたものの、本国で大コケ!その結果、日本では本年1月に公開される予定がパラマウント映画の意向で公開中止となり先日、ソフトが発売されました。そんな映画の出来とは・・・果たして!?ネタばれしないように書きますわ!


 森の中の大きな一軒家。そこには新しい詩が書けずにいる著名な詩人(=「ノーカントリー」のハビエル・バルデム)と、火事にあった家を日々修復する若い妻(=ジェニファー・ローレンス)が暮らしていた。そんなある夜、医者だと名乗る男(=「アポロ13」のエド・ハリス)が2人の家を訪れる。妻の思いとは裏腹に見知らぬ男を泊めさせる夫。これをきっかけに想定外の事態が発生していくー!!


 先述のジェニファー・ローレンスの他、ハビエル・バルデムエド・ハリスミシェル・ファイファーら豪華俳優が出演する本作!しかも監督はダーレン・アロノフスキーなのに日本未公開とは・・・。「これは何かある」と踏んだ筆者。観賞の結果、分かった事は「やりたい事は分かるけど、ストーリーが一見シュールで難解」という事でした^^。「サスペンス」、「スリラー」描写がちょいちょい入ってくるものの、実は「不条理SF」でしたーという趣き。

 内容が内容なんで、余り書けないんだけど(すぐネタばれしそうだし)・・・このテーマをこの設定でやったがゆえに観客からそっぽ向かれた気がしないでもない。他の設定でやっていれば・・・結果は大分違ったような気がするな〜。面白くないわけでは決してないのだけれど。う〜ん、展開がシュール過ぎて・・・ダーレンくんも筆者に言われたくないか(笑)。同じコケた映画でも「ブラック・スネイク」と理由が異なる(笑)!

 豪華有名俳優陣を集めて撮影前に3か月もリハーサルを敢行。カナダに家のセットまで建ててクランクイン。こだわりのフィルム撮影にSFXもあり、お金はめっちゃかかってる・・・程なく「カルト映画」あるいは「底抜け超大作」入りかと思われる今作。ソフトが廃版になる前に是非観てほしい^^!

 この映画でジェニファーは透け乳首やおっぱいポロリも披露して頑張ったものの映画はコケ、交際していたアロノフスキーとも破局。幸い、その後も主演作があるから良かったけど(オスカー女優だし)、アロノフスキーには頑張ってほしいな〜。映画監督なんてヒットが続かないと、すぐオファーなくなるからさ。
 
 
 西城秀樹さんや朝丘雪路さん死去。・・・昭和の大スターが次々亡くなって(筆者もお会いした事あったし)めちゃめちゃ悲しい。朝丘さんは超偶然S君から勝新太郎主演「御用牙」(’72)のソフトを借りていたので久々観直して個人的に追悼。他の方々は違う作品で追悼して下さい!!