其の595:ミステリー&衝撃エンディング作紹介

 先日、ベネディクト・カンバーバッチマーティン・フリーマン出演の「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」を観てきました。現在のところ第3シーズンまで放送したイギリス・BBCの人気ドラマ「SHERLOCK シャーロック」の【特別編】。あちらでは今年の元日にTV放送&一部で劇場公開したそうで。これまでの舞台<現代>から何と1895年のロンドン(←原作と同じビクトリア朝時代)に舞台を移しての事件が描かれています。
 ・・・とはいっても“オチ”的には「第3シーズン」といつか放送されるであろう「第4シーズン」の“橋渡し的”な立ち位置として作られている感じ。一見さんでも大丈夫だと思いますが・・・これまでの作品を観ておいた方がより良いでしょう。いままで書いてなかったけど筆者は「SHERLOCK シャーロック」観てるんで問題なかったけど(1シーズン3本しかないんで・・・第3シーズン終わりで9本しかないから、すぐ観終わる:笑)。
 ちなみに映画館では本編上映前に脚本家スティーブン・モファットによる美術セット紹介と上映後に製作の裏側(主要キャスト・スタッフインタビュー)の上映あり。TVシリーズのファンの方は限定上映につき是非劇場へ^^
 昨年2015年は“スパイ映画豊作の年”だったけど、来月にはイアン・マッケラン主演、ミッチ・カリン原作の「ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件」が公開予定(真田広之も出とる)。2016年の日本は“ホームズ映画ブームの年”・・・になるのかしらん??


 <ミステリー>といえば知る人ぞ知る作品「回転」も観ました。原作はヘンリー・ジェイムズが1898年に発表した怪談形式で描かれた「ねじの回転」。心理小説の古典として知られた中編小説です。書かれた時代設定にあわせて、先の「SHERLOCK シャーロック」と同じく、映画の舞台も19世紀のイギリス!

 両親がいない幼い兄妹の家庭教師として雇われたミス・ギデンス。郊外にある広大な屋敷を訪れた彼女は、そこで男女の幽霊を目撃!やがてギデンスは屋敷で起った事件を知る事で、幽霊と子供たちの関係に気付くのだが・・・!?
 
 今作の監督ジャック・クレイトンは・・・いまいち知らん人だけど(笑)、ヒッチコック作品も手掛けたウィリアム・アーチボルドと「冷血」で知られる作家トルーマン・カポーティ(!)が脚色を担当。撮影はのちに数々の怪奇映画を撮るフレディ・フランシスとスタッフは超豪華!ヒロイン、ミス・ギデンスを演じたのは「地上より永遠に」、「王様と私」に出演した往年の大女優デボラ・カー(当時40歳)!彼女の“熱演”が今作最大の見所。「ゴシックホラー」に「心理サスペンス」、“無邪気な分より恐ろしい子供たち”という恐怖映画の要素がたっぷり入っているんだけど・・・出来はいまひとつかなぁ。個人的にはこのテの映画に必須の脅かし演出がちょっと弱かったと思う。そんなこともあって今作がいまいち<メジャー>ではないのかもしれない。モノクロ画面による広〜い&古〜い屋敷の映像は・・・なかなか怖いのだが。

 余談ながら'71年にこの作品の<前日談>を描いた「妖精たちの森」が製作(なんとマーロン・ブランドが出演してる)、'92年にはリメイク作「ホワイト・ナイトメア」もあり。「妖精たちの森」は・・・いつか観なければ!!


 さて、先日某月刊誌で「映画マニアに聞いた!衝撃のエンディング映画100本」なるものが掲載してありまして・・・<大どんでん返し好き>の筆者としては読まないわけにはいかない(笑)。中にはミステリー、サスペンスだけではないジャンルの映画も入ってるけど・・・引用を怒られないよう上位10本ほど書いておきます。

 1位:「シックス・センス
 2位:「猿の惑星
 3位:「ミスト」
 4位:「ユージュアル・サスペクツ
 5位:「セブン」
 6位:「エスター」
 7位:「ソウ」
 8位:「スティング」
 9位:「キャリー」(’76)
10位:「キャビン」


 いや〜、上記10作は筆者もビックリ仰天したものばかり。あとこの10本の傾向としては・・・「イヤミス」系が多いなぁ(笑)。これまでのどんでん返し3大定番「スティング」が8位、「情婦」が25位に入っていたのは嬉しいが、「生きていた男」はかすりもしてない!!これはリバイバル上映もなく、先日ようやくソフト化されたばかりだから・・・まだ広く浸透していないからかもしれない。
 順位はともかく、上記10本に筆者も異議なし!映画を観ていて予想を大きく裏切り「え〜っ!!」という真相あるいはエンディングを観ることは愉しみのひとつでもある。いい意味で観客の予想を裏切る練りに練った映画にこれからも出会いたいものだ。でも<夢オチ>と<妄想オチ>と<宇宙人オチ>はもうなしで(笑)。
 書くまでもなく、残る90本が気になる方は是非雑誌の方をご覧ください^^


 ふと考えたら(すっかり忘れてた)・・・2006年の2月17日、このブログを立ち上げて(←本当は1月から始めたかったけど忙しくて無理だった)、翌18日に1回目としてラス・メイヤーの「ワイルド・パーティー」でスタート(笑)。それから10年越えたわけですよ・・・!我ながら仕事の合間を観てよく10年も続けたものだ(しみじみ&自画自賛)。2006年の2月開始で現在595回という中途半端な感じも・・・筆者&このブログらしい(苦笑)。この間、映画をとりまく環境も大きく変わり、偉大な監督たちや俳優さんたちも大勢亡くなられた。筆者が目指す1000回の最終回まであと数年かかると思いますが(それまで生きてるのか?!)・・・今後の映画業界ひいては世界情勢がどうなっていくのか楽しみでもあり不安でもあります・・・。