其の421:スピ印満載「スーパーエイト」

 2011年も半分終わりました。果たして、いつ原発は・・・放射能漏れはいつ止まるんでしょうねぇ・・・。


 TVドラマ「エイリアス」、「LOST」をヒットさせた才人、J・J・エイブラムスとスティーヴン・スピルバーグ(製作)がタッグを組んだ「SUPER8/スーパーエイト」。観た人誰もが言うように「スタンド・バイ・ミー」+「E.T.」だった。で、ポスターのデザインとキャッチコピーは「未知との遭遇」そっくり、と(笑)。なかなかいい映画でしたよ、これは。特にスピルバーグ映画で育った世代(筆者含む)はより楽しめると思いマス^^。こちらも公開中なので、極力ネタばれしないように書きますわ!


 1979年、米・オハイオ州。夏休みに入った14歳の中学生ジョー・ラムたち6人は、コンテストに出す自主映画制作のためスーパー8ミリカメラ(←これが今作のタイトル)を持って深夜密かに外出、さびれた駅で撮影を始めた。ところが、その最中、空軍の物資を積んだ貨物列車に1台の車が衝突!!列車は大爆発を起こし、ジョーたちは九死に一生を得る。コンテナの扉がものすごい力でぶち破られ、中からでてくるものの様子を無人で撮り続けるカメラ・・・。一同がつっこんだ車を見に行くとー運転席には大怪我を負ったジョー達の通う中学の教師ウッドワードの姿が!瀕死の彼はジョーたちに「今見たことを誰にも言ってはいけない」と警告する。すると街では、その夜を境に奇妙な事件が続発、事故現場では米軍が8ミリフィルムの空き箱を発見。何者かが当時、現場にいたことを知り秘密裡に捜索が開始される。・・・コンテナの中味とは!?そして少年たちの運命とは!?

 
 “少年・少女たちが繰り広げるアドベンチャー”・・・といえば、やっぱり「スタンド・バイ・ミー」や同じくスピ製作の「グーニーズ」辺りをいやでも連想してしまう。で、貨物の中味は、皆さん既にご存知・・・あるいは予想しているとは思うけど●●●で・・・なかなか、その姿を見せない手法はまんま「ジョーズ」の基本演出だし、その●●●を●●●ために奮闘するのは「E.T.」、でラストは「未知との遭遇」と。<1979年>という時代設定(→古い街並みを求めて「ディア・ハンター」が撮影されたウエスバージニア州ウィアートンでロケ)、編集(→当時の映画のテンポを踏まえて、わざと長めにつないだ)要素も相俟って筆者も途中、「これ、昔のスピルバーグ映画のフィルムを流用してるんちゃうか?」と一瞬勘ぐったほど(苦笑)。それぐらいスピの“絶頂期”のテイストに溢れている。これで音楽がジョン・ウィリアムズだったら、誰もが間違えるぜ(笑)!

 今作はそもそもスピルバーグと“お知り合い”になったJ・J・エイブラムスが共に企画を考えるうち、元々頭にあったアイデア(それも2つの企画を“合体”)を発展させたもの。ハナからスピルバーグ映画のオマージュを意図したことではなかったそうだが・・・本人曰く「結果的にそうなった、というのが正しい」そう。途中、「製作がスピルバーグなんだから、それもあり!」と思ったりもしたそうで(笑)・・・そんなエイブラムスは66年生まれ・・・、筆者も同世代だから、その気持ちよ〜く分かる^^!

 「映画作りに励む少年たち」という設定がまずいいね(エイブラムスは「主人公たちは僕の分身」と発言)!主人公の部屋には映画のポスター(「ハロウィン」ほか)が色々貼ってあって、しかも作ってるのがゾンビもの(笑)。筆者は8ミリではなく、VHSテープ(懐)で刑事もの撮ったことあるけどー大抵、映画好きが自分で撮影しようとして最初にテを出すジャンルがその辺だわ。あと暗い青春もの(爆笑)。・・・それはさておき、劇中にはディック・スミスやロメロ(ジョージ・A・ロメロ)の名前が出てくるので、これぐらいは最低限知らないと困るね(映画ヲタとしては^^)。

 本当はもうちょっとつっこんでディテールを書きたいんだけど・・・ネタバレするから・・・エイブラムス自身が「ジャンル分けできない」というように、「サスペンス」、「ミステリー」に「アクション」と「SF」、「ヒューマン(アメリカ映画得意の“父と子”)」、「コメディ」・・・とあらゆるジャンルが入っている。これぞ娯楽!これにおっぱいが加われば完璧だが(笑)。で、わかりやすく映画の<約束事>を踏襲。少年たちのメンバーにはデブがいるし(笑)、米軍はいつも通り“なにかを隠して暗躍する隠密非情集団”として描かれる。●●●に関しては少々つっこみもあるのだが、基本的にエイブラムスは「映画」がよく分かってるお人と見た。

 
 最後に・・・俳優陣にメジャーな人がいないんで割愛したけど、紅一点の女の子(=エル・ファニング)は、「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングの妹!そういや姉ダコタもスピの「宇宙戦争」に出てたけど・・・いま何してんだろ?


 そういえば劇中、TVニュースの映像としてスリーマイル島原発事故の模様が流れてたが・・・映画では、あくまで時代説明のためによるものなのだが、日本人の筆者としては、映画の中に入り込みながらも、ふと現実に戻らされた場面ではあった。