其の652:「祈りの幕が下りる時」寸評

 年明け早々、超多忙でして・・・あっという間に2月(はえ〜)!!
 そんな中、今年初めて映画館に行って「祈りの幕が下りる時」を観ました。ご存知、東野圭吾原作による加賀恭一郎シリーズの現時点における最新作の映画化です(映画だけでいえば「麒麟の翼」の次にあたる)。絶賛公開中につき、さくっと書きます。さくっと!

 
 東京・葛飾区小菅のアパートで死後20日ほど経過した腐乱死体が発見された。部屋の主は越川睦夫と名乗る男性だが、彼は行方知れずとなっていた。捜査一課の松宮(=溝端淳平)は室内で毎月、橋の名前が記入されているカレンダーを発見する。やがて遺体は滋賀県在住の40代女性・押谷道子(=中島ひろ子)と判明。松宮は同時期に現場近くの新小岩の河川敷で発生した「ホームレス焼死事件」との関連性を疑う。滋賀に行き、聞き込みを開始した松宮らは道子が中学の同級生で演出家の浅居博美(=松嶋菜々子)の母親の件で、博美に会う為に上京したらしい事が分かる。だが博美本人はその頃、舞台の開幕が控えていてアリバイが証明された。ひょんな事から博美が従兄の加賀恭一郎(=阿部寛)の知り合いである事を知った松宮は加賀に博美についての意見を求める。管轄違いながら捜査のアドバイスを送る加賀。後日、加賀は再会した松宮からアパートで見つかった橋の名前を書き込んだカレンダーの存在を聞き、衝撃を受ける。それは失踪後、病死した母に関係するものだった・・・!!


 ・・・という事で加賀恭一郎が失踪した母親のお話(これで父親とバトる)、何故腕利きなのに本庁から所轄の日本橋に異動してきたのか・・・等々、加賀本人の諸事情も描かれる今作。

 程なく映像化されると思ったので筆者は原作未読だが・・・さすが<平成の松本清張東野圭吾、映画も東野版「砂の器」という感じ。核心に触れるので、これ以上粗筋は書けないのだが・・・東野先生らしい凄い話ですよ!!もう終盤は<泣かせ>の連続攻撃(笑)!!

 地方ロケのシーンも頻繁に入るし(これぞ映画^^)、演出も正攻法。非常に複雑なお話をよく2時間でまとめた事には感心しました(ドラマ「半沢直樹」の福澤克雄監督作)。けれどもつっこみや不満がない事もない。中でも大きいのはネタバレしないようアバウトに書くと・・・元舞台女優で演出家の浅居博美(=松嶋菜々子)のワーク(お仕事)シーンがない!で、せっかく本物の「明治座」借りて撮影したのに、上演してる舞台がろくにフューチャーされない事。ヒロインの心情を描く上でも俳優に芝居つけるところや舞台の1シーンぐらいあってもいいのになぁ・・・と思ってしまった。上映時間の関係でカットしたのかもしれないけどね。

 TBS主導の映像化としての加賀恭一郎はこれで最終作かもしれないけど、小説的にはラストでもなんでもないので、個人的には綾辻行人の「館」シリーズ同様、次作を楽しみに待とう^^!


 ・・・今年の目標に夫婦で禁煙を掲げて、いま3日目!2人とも煙草が吸えずイライラしています(苦笑)。