其の445:「麒麟の翼」感想

 毎回の言い訳だが・・・忙しすぎて間があきました!2月でこんなんなら、3月はどうなってしまうのか、今から怖い・・・。
 そんな中、先日、またまた睡眠時間を削って映画「麒麟の翼」を鑑賞。原作は“平成の松本清張”と化しつつある(笑)東野圭吾。公開中につき、ネタばれしないように書きマス。



 東京・日本橋で殺人事件が発生!被害者・青柳武明(=中井貴一)は、腹部をナイフで刺されたまま8分間歩き続け、日本橋の<翼がある麒麟像>の下で力尽きたのだ。一方、被害者の鞄を持って現場近くに隠れていた八島冬樹(=友恵・友和の息子:三浦貴大)は、職務質問してきた警官たちから逃げようとしたところ車に轢かれ意識不明の重体に陥る。日本橋署の刑事・加賀恭一郎(=阿部寛)は「何故、被害者は誰にも助けを求めなかったのか?」、「犯人は本当に八島なのか?」と謎の多いこの事件の捜査に当たるのだが・・・!?

 
 今作の原作小説は<加賀シリーズ>の第9作目。前作「新参者」、前々作「赤い指」も同じ阿部寛主演でTBSによって既に映像化されている。どちらのTV番組も見ていた筆者的には、キャストを変えずに映画化されたのは良かった^^。何かと“話題”の黒木メイサもちょい役で出てるし(笑)。初見でも基本大丈夫だけれど、できれば「赤い指」と「新参者」は鑑賞前に観ておいた方が人間関係がその分、分かりやすいと思う。そうじゃないと、1カットだけ出てくる向井理のポスターの意味がわからない(笑)。

 以前より東野の大ファンを公言している筆者・・・おまけにこの原作小説は作者自ら“加賀シリーズの最高傑作”と自負しているのも重々知りながら・・・読んでいません(キッパリ)。何故なら・・・「流星の絆」然り、近年のTBSはすぐに東野の原作を抑えて映像化する傾向があり(←CXの「ガリレオ」シリーズへの対抗か?)「新参者」もハードカバー出てすぐに連ドラ化されたので、この「麒麟の翼」も、もしかしたら・・・と思ってたら、やっぱりすぐに権利買った(爆笑)!!「夜明けの街で」の映画は劇場にまで行く気はまるでしなかったけど、「麒麟〜」は公開されたら観る気だったのであえて読まなかった、ということなのよ。原作読んでて、下手な脚色にがっかりした「さまよう刃」の二の舞を避けたというのが本音^^。

 ということで“純粋”に映画だけの感想でいえば・・・良かったですよ^^。個人的には奇怪な連続殺人起きる方が好きだけど(笑)、連ドラ「新参者」みたいに無理やりコミカルな部分作ったり(尺調か?)、妙なイメージ映像とかやらず、地味ながら正攻法でシリアスな作劇に徹してたしね。監督がつっこみどころ満載のメロドラマ「ハナミズキ」撮ったTBSの社員監督だから多少心配もあったけど杞憂に終わった。勿論、東野の本がいいんだから下手な脚色さえしなければ、ある程度いい映画が出来るに決まってるんだけどさ(笑)。

 映画の<事件>自体は中井貴一が頑張りすぎた為に、話を複雑にした気がしないでもないけど(笑)、筆者的に一番共感したのが三浦貴大が演じた役。職を失い金もなく、かつ一緒に暮らす恋人・新垣結衣が妊娠してて・・・完全にどん底!そんな中、次の就職決めようとガッキーに話をすると「夢ばっかり追って、世の中はそんなに甘いもんじゃないよ!」と一喝されて黙り込んじゃう。男にとっては・・・つらいよなぁ(苦笑)。また東野作品に度々でてくる非道なマスコミもお約束で登場!いまのワイドショーでは、事件取材でここまで追いかけ回さないとは思うけど。作者のマスコミ嫌いがうかがわれる(苦笑)。


 すっかり阿部ちゃんの加賀も定着したんで、次に東野圭吾がどんな加賀シリーズを書くのか想像もつかないけど・・・次が出たら、またTBSが権利を買うだろうと筆者は予想してる(笑:その時も同じキャストでヨロシク)