其の503:「真夏の方程式」&この秋、公開作

 今秋公開予定の映画「カイロ・タイム 〜異邦人〜」を試写で観ました。「旅情」や「フォロー・ミー」等の系譜に当たる一作。現在、エジプト国内は大変なことになっていますが・・・映画の中では大丈夫^^ 


 ファッション雑誌編集者のジュリエット(=「アンタッチャブル」、「ラースと、その彼女」のパトリシア・クラークソン)は国連職員の夫・マークに会うためエジプトのカイロへ。ところがガザでの仕事で多忙な彼の代わりに、以前マークの警備を担当していたエジプト人・タレク(=「キングダム・オブ・ヘブン」のアレクサンダー・シディグ)がやってくる。いつ来られるのか分からない夫にかわってジュリエットにカイロの街を案内するタレク。次第に2人は互いに恋心を抱くようになるのだが・・・。


 ・・・簡単に書けば“女性映画”、“(精神的)不倫映画”ですよ!勿論、筆者が喜び勇んで観に行くジャンルでは決してないが、基本・・・一応ワタクシ、何でも観ますので!!「筆者の脳や心境になんらかの変化が起きたのでは?」等と邪推せぬように(笑)。

 メインの男女は筆者よりちょい上の方々なのだけれど、少子高齢化が加速中の日本でも、こういう“大人の男女の恋愛映画”を作るべき(→ジャスト・ターゲットでしょう)と常々考えていたので、お話はよくあるパターンでもよし、だ。もう自分も中年なんで、若い奴らの青い青春にあまり興味なくなったしね(苦笑)。

 まだ公開の遥か前なので詳細は書けないけど・・・エジプトはおろか中東に行ったことのない筆者的にはエジプトを知る良い機会になりましたよ。“お約束”としてピラミッドやスフィンクスナイル川等の“観光名所”も出てきますが、ただ単に抒情的に描くだけでなく(劇中の白人たちがカイロの街をボロクソ言うシーンもあり)、ストリート・チルドレン等の国内問題をも映し出している。恋愛映画として観るも良し、エジプトの風景を楽しむも良し。観る人によって様々な愉しみ方の出来る良質の映画だ。但し、めっちゃ暑そうだったから・・・撮影は大変だったろうな(苦笑)



 さてさて大ヒット中の映画にして「探偵ガリレオ」シリーズ第2弾「真夏の方程式」。勿論、原作は<平成の松本清張>こと東野圭吾先生。今更書かなくてもご存じだとは思いますが・・・テレビドラマのノリを期待していると全く違うので要注意!!数式書かない&「実に面白い」も言わないドシリアス作品です(これは前作「容疑者Xの献身」と同様)。


 環境保全と海底資源の開発計画で揺れている海辺の町・玻璃ヶ浦。そこで行われる説明会に招待された物理学者・湯川学(=勿論、福山雅治)は東京からの移動中、恭平という理科嫌いの少年と出会う。その恭平は湯川が滞在する宿を経営する川畑一家(=前田吟風吹ジュン、杏)の甥だった。翌朝、堤防下の岩場で同じ宿に宿泊していた客・塚原(=塩見三省)が死体で発見される。塚原は元警視庁の刑事だった。いつもの如く依頼を受けた湯川だが・・・。


 これも公開中につき、あれこれ書けないけど・・・夏の海辺の町を舞台にしている分、これまでの「ガリレオ」とは雰囲気からして異なるんだけど(&子供嫌いの主人公に、少年を絡めたことも新機軸)肝心のお話自体は・・・オチ含めてよくあるパターンかな(東野先生&ファンの方申し訳ない)。原作自体がそうだから、映画のせいではないけど「観てスッキリ^^」というタイプの内容では決してない。・・・てゆーか、重い。泣き系。

 内容に反して、映像的にはタイトル同様、“夏っぽさ”満載!さすがにビキニの美女はでてこないけど(笑)。湯川と少年がペットボトルで作ったロケットを海に飛ばす場面はいいよ〜♪今作は去年の初秋から伊豆のほか各地でロケを始めたそうだが、よくここまで夏の画が撮れた(スタッフ、えらいっ)。

 
 完成度(内容含む)は前作「容疑者〜」からは若干落ちるけど(吉高由里子も相変わらずの好演)、「ガリレオ」の長編はまだ今後も書かれると思うので(「聖女の救済」はドラマでやってしまった)ウン年後(?)の“次回作”に勝手に期待しよう^^