其の636:<番外編>マカロニウエスタン最高作を考える

 いよいよ関東も梅雨入り目前となりました。降雨の必要性は十分理解はしていますが・・・雨嫌いとしては憂鬱ですな・・・(悩)。

 先日、園子温監督作「ANTIPORNO」を観ました。「にっかつロマンポルノ」のリブート企画の一作です。まだソフト化されてないんで詳細は避けますが・・・良くも悪くも園さんらしい映画だなぁ・・・と(苦笑)。「ファッショナブルな劇中劇」というか・・・やりたい事は分かるけど、大変分かりにくいお話(タイトル通り、“アンチポルノ”ってところか!?)。ここ最近の園さんの作品はいまいちノレない筆者(といっても以前のロマンポルノは世代的な問題で大して詳しくもないのだけれど)。往年のロマンポルノファンの方、園監督のファン、双方の意見を聞いてみたいな〜と思いました。


 最近、少々時間が出来ると、何故かマカロニウエスタンのDVDを観てしまう。そこではたと思ったのが「マカロニ最高作はどれだ?」という疑問。そこで以前、某書籍に掲載されていた<マカロニウエスタンの達人(←筆者が勝手に命名)>3人(内訳は日本人1名、外国人2名)によるベスト10を比較してみた。後で面倒な事になると嫌なので、お名前等は伏せます(すんません)。

 3名中、2名が「ベスト1」に選出したのは「夕陽のガンマン」(’65)!!セルジオ・レオーネによるマカロニの2本目。主演は書くまでもなくクリント・イーストウッド。完成度を考えると、当然と言えば当然のチョイスだと思う。
 但し、1人の方は同じレオーネでも「ウエスタン」(’68)を挙げている。「ドンパチあっての西部劇」という方には「たるくて、顔のアップばっかりの映画」という感じで評価を下げていると思うんだけど・・・筆者も「ウエスタン」が第1位なのよ❤確かにテンポはのろいけど、これを「当時の西部の時間の流れ方」と捉えて観ると、あのテンポにノレるんだよな〜^^。レオーネ作品、ひいてはマカロニウエスタンを語る上で欠かせない事と言えば、エンニオ・モリコーネの名曲の数々だが、この「ウエスタン」はモリコーネの最高のスコアが聴ける(「夕陽のギャングたち」(’71)も名曲なんだけど、作品がイマイチなんで・・・)。どちらに軍配が上がるか、是非ご自身の目がご確認頂きたい。

 続く「2位」として、2人の方が選んだのは「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」(’66)。レオーネとイーストウッドが組んだ最後の作品で、筆者も上位に入るとは思うけど・・・某先生がおっしゃってるように「劇中に出てくる南北戦争のシーンが意味なし」。これはご指摘通りで・・・メインの3人誰かのバックボーンに南北戦争が絡んでストーリーが進行していたら、最高のスケールを持った西部劇になったかもしれない。う〜ん、その点が惜しい作品かなぁ。

 流石に「3位」以降は・・・三者三様のバ〜ラバラ(笑)!3人のランキングで2人以上がカブったのは「荒野の用心棒」(’64)、「続 荒野の用心棒」(’66)、「殺しが静かにやって来る」(’68)、「群盗荒野を裂く」(’66)、「復讐のガンマン」(’67)。レオーネに続いて、セルジオ・コルブッチも強し!!3人のうち、お1人「怒りの荒野」(’67)を挙げていて、他の本読んでも評価が高い一作だが「ガンマン十戒」は面白いけど、ラストの展開が(具体的には書かないけど)・・・ねぇ。「怒り〜」は筆者はそんなには誉めないな〜。代わりに「ガンマン大連合」(’70)を薦めたい。モリコーネのスコアは絶好調よ♪

 唯一、3人が共通して挙げた「ベスト10」の内の1本は・・・なんと「情無用のジャンゴ」(’67)!!!確かに、この残酷さは本家ハリウッドの正統派西部劇にはない。さすが御三方はマカロニウエスタンというジャンルが何たるかをよ〜くわかっていらっしゃる^^

 マカロニウエスタン観たことのない方は上記8作、是非ご覧ください。ある程度本数観ると、似たような邦題やストーリーで段々こんがらがってくるから(筆者の事です:笑)。

 
 そう言いつつも、近いうちにセルジオ・コルブッチのマカロニに絞って、このブログを書こうと考えている。あくまで筆者の気が変わらなかったら・・・の話ではありますが(笑)。