其の598:壮大な前フリ「バットマンVSスーパーマン」

 試写会で映画「アイアムアヒーロー」を鑑賞しました。「ルサンチマン」、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」等で知られる花沢健吾の同名漫画の実写化です。劇中では“ZQN(ゾキュン)”という呼称を使っていますが、要は“ゾンビもの”!うだつのあがらない漫画家のアシスタント(35歳・独身)が散弾銃を駆使して(←昔趣味だったのが「クレー射撃」)“ZQN”と闘う・・・というストーリー。
 原作ファンの方にはごめんなさい、筆者はタイトルと原作の簡単なあらすじだけしか知らずに観たのですけど・・・ストーリーラインは過去に何度も観たゾンビ映画と大差はない(逃げ延びた人が籠るのは「ショッピングモール」か「病院」というのもよくあるパターン)。公開前につき詳細は避けますが、でも映画は普通に面白かった!特に日本で作る「怪獣映画」と「ゾンビもの」って、欧米の作品とは異なり登場人物が冗談のひとつも言わない“どシリアス”で展開するのが少々個人的に不満だったんだけど(それが日本人らしさ、と言われればそれまでだが)今作は主人公に扮した大泉洋ならではの“ユーモア”もあって、単なるグロバイオレンスものになってなくて良かったと思う。大泉含め長澤まさみ有村架純も・・・原作漫画には似てないけどナイスなキャスティング。中でも長澤は「モテキ」から一皮むけてグングン良くなってるとひとり思った次第♪
 先ほど、邦画のジャンル映画特有のユーモアの欠如を指摘させて頂いたが・・・試写室にいた方々の大半はくすりとも笑わなかった人がほとんど・・・筆者が今作の監督で、この場にいたとしたら・・・頭を抱えたかもしれない(苦笑)。


 
 さて<本題>は日本の漫画作品・・・ではなく、アメコミの実写映画作品。「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」→→→前回書いた「マン・オブ・スティール」の<続編>です。こちらを書きたくて前回「マン・オブ〜」を取り上げたと言っても過言ではない。何故なら・・・これ日本で言えば「ゴジラガメラ」のような夢の企画だから^^。大半の情報をシャットアウトして鑑賞にのぞんだ筆者でしたが・・・!?

 
 ブルース・ウェインは少年時代、目の前で強盗に両親を殺された。葬儀の日、嘆き悲しむ彼に大勢の蝙蝠が飛び交っていった・・・。
 スーパーマン(=ヘンリー・カビル)によるメトロポリスでの激しい市街戦。その際に「バットマン」という裏の顔を持つ実業家ブルース・ウェイン(=ベン・アフレック)が保有するビルも破壊され、大勢の部下たちが巻き添えとなって死亡した。スーパーマンの恐るべき力を危険視するブルース・・・。
 18か月後、インド洋で“ある鉱石”が発見される。同じ頃、アフリカの武装勢力を取材中の記者ロイス・レイン(=エイミー・アダムス)があわやのところ、同僚の記者クラーク・ケントことスーパーマンに助けられる。ところがこの行動がヒーローと目されていたスーパーマンの存在に疑問を投げかけることになる・・・。発見された鉱石に注目するひとりの男がいた。大企業「レックスコープ」の若き経営者レックス・ルーサー(=ジェシー・アイゼンバーグ)である。レックスは“ある目的”で合衆国政府の高官と接触を試みるのだが・・・!?


 いや〜、これ以上はネタバレになるので書けない!!しかも、予告には一切触れられていなかった某有名キャラも出てくるのだから・・・情報入れてなかった筆者は仰天した!!是非、このサプライズを皆さんにも味わって頂きたい(って、ここまで書いたらあかんか!?)^^。「マン・オブ・スティール」観ていないと分からん設定も多々出てくるので、必ず事前に観ておいて下さいな♪

 筆者は大してアメコミに詳しくないんだけど実は「スーパーマン」と「バットマン」って、本国アメリカではその昔から共演&ちょいちょいバトルしてるんだってね(驚:日本の漫画では、こういうコラボはあまりない)。前作から引き続き監督したザック・スナイダーフランク・ミラーがその昔に書いた「バットマン:ザ・ダークナイト・リターンズ」(’86)に影響されたことを公言してるし。21世紀的なリアル発想で描かれた2大ヒーロー(なんとバットマンはスーツの上に更にアーマーまで装着!!)のガチバトルをお楽しみ下さい。メトロポリスゴッサム・シティが実は“対岸に位置している”事は、ちと「フレディVSジェイソン」の設定を思い出して笑ったが^^。

 筆者は“続編”で俳優が替わるのは好みではない人だけれど「マン・オブ・スティール」からのメンバーは一切変更なしで一安心^^レックス・ルーサーは、これまで演った俳優さんに比べてえらく若くなったが(笑)。加えて“20年、ゴッサムで自警団やってて疲れてきてる”バットマンに「デアデビル」でアメコミ経験済のベン・アフレック(→わざと老けメイクしてる)、その執事アルフレッドにジェレミー・アイアンズと・・・俳優陣、超豪華!!トータルのギャラ、いくらいくんかいな!?


 ラスト観れば分かるけど・・・これ、さらに続きます(本当)!!そういう意味でいえば、まずピンで「スーパーマン」出して、続けて「バットマン」ほかも絡めて・・・という、いわば壮大な前フリ映画!!その点ではスーパーマンひとりをじっくり描いた「マン・オブ・スティール」に映画の完成度は若干劣るけど、“今後の展開”に要注目です!!