其の578:<番外編>海外雑誌が選んだ世界の名画

 すっかり秋めいてきましたが・・・台風の水害に地震、さらに噴火と、この国は今後一体どうなるのでしょうか??

 さて、久しぶりに<番外編>を^^。先日、某サイトにてイギリスの「エンパイア誌」が選ぶ<世界の名画BEST100>なるものが掲載されていました。以下がその“名画”100本です。合間合間にちょいちょい私的コメント書かせて頂きます(基本的に日本未公開作は英語にて表記)。


 1位:日本「七人の侍」(’54)
 2位:フランス「アメリ」(’01)
 3位:ロシア「戦艦ポチョムキン」(’25)
 4位:イタリア「自転車泥棒」(’48)
 5位:メキシコ「パンズラビリンス」(’06)
 6位:イタリア「アルジェの戦い」(’66)
 7位:ブラジル「シティ・オブ・ゴッド」(’02)
 8位:スウェーデン「第七の封印」(’57)
 9位:フランス「恐怖の報酬」(’53)←オリジナル版の方よ
10位:日本「千と千尋の神隠し」(’01)


 ・・・ということでベスト10ですが、輝く<第1位>に黒澤明の「七人の侍」が入っているのは日本人として嬉しいっすなぁ^^!そして10位に宮崎駿の「せんちひ」!10位内にアニメはこれしかないので<アニメ作品の最上作>という意味合いになるのでしょう。筆者的には「ルパン三世 カリオストロの城」の方を推すけどね。他にも面白い作品が並んでいますが(このブログでも取り上げてる作品もあり)、あの「アメリ」が“名画”として2位って・・・(唖然)!ジュネらしい御洒落コメディだとは思うけど・・・“名画”としての2位は、過大評価だと思う。


 11位:イタリア「甘い生活」(’60)
 12位:ドイツ「メトロポリス」(’27)
 13位:フランス「LA REGLE DU JEU」(’39)
 14位:ポーランドトリコロール三部作」(’93〜’94)←但しフランス資本
 15位:スウェーデン「ぼくのエリ 200歳の少女」(’08)
 16位:日本「東京物語」(’53)→小津!
 17位:インド「オプ三部作(「大地のうた」「大河のうた」「大樹のうた」)」 (’55/’56/’59)
 18位:韓国「オールドボーイ」(’03)
 19位:ドイツ「アギーレ/神の怒り」(’72)
 20位:メキシコ「天国の口、終わりの楽園。」(’02)
 21位:ドイツ「吸血鬼ノスフェラトゥ」(’22)
 22位:日本「羅生門」(’50)→また黒澤!!
 23位:スペイン「ミツバチのささやき」(’73)
 24位:ロシア「COME AND SEE」(’85)
 25位:ドイツ「U・ボート」(’81)
 26位:フランス「美女と野獣」(’46)→ディズニーに非ず
 27位:イタリア「ニュー・シネマ・パラダイス」(’88)
 28位:中国「紅夢」(’91)
 29位:フランス「大人は判ってくれない」(’59)
 30位:香港「インファナル・アフェア」(’02)


 そして11位から30位。ドイツ表現主義作からフェリーニトリュフォーらマエストロの代表作から比較的新しい作品までランクイン!韓国で作られた「オールドボーイ」はそんなに感心しなかったけど・・・原作は日本の漫画だから、まぁいいか(苦笑)!小津安二郎は入ったけど、溝口健二はないね。


 31位:日本「ゴジラ」(’54)
 32位:フランス「憎しみ」(’95)
 33位:ドイツ「M」(’31)
 34位:イスラエル戦場でワルツを」(’08)
 35位:フランス「大いなる幻影」(’37)
 36位:ポーランド「デカローグ」(’89)
 37位:イタリア「無防備都市」(’45)
 38位:ポーランド灰とダイヤモンド」(’58)
 39位:フランス「サムライ」(’67)
 40位:イタリア「情事」(’60)
 41位:日本「となりのトトロ」(’88)→宮崎2本目!
 42位:香港「花様年華」(’00)
 43位:フランス「シラノ・ド・ベルジュラック」(’90)
 44位:日本「生きる」(’52)→黒澤!!!
 45位:イタリア「サスペリア」(’77)
 46位:フランス「突然炎のごとく」(’62)
 47位:イラン「10」(’02)
 48位:ドイツ「ヒトラー 〜最期の12日間〜」(’04)
 49位:フランス「ぼくの伯父さんの休暇」(’52)
 50位:チェコスロバキア「厳重に監視された列車」(’66)
 

 そして31位から50位ですが怪獣映画からフィルムノワールにコメディまで超幅広い選択。黒澤作品が高評価&この辺りの並びは<初級名作映画紹介本>的なチョイスになってる(笑)。それにしてもイギリスで選んでいて自国の映画を50本中1本も選ばないとは・・・なんてイギリス人は奥ゆかしい国民なのだろう(笑)。ハリウッド作品も・・・黙殺!?あえて外してるの!?さらに「2001年宇宙の旅」はおろか、キューブリックが1本も入っていないなんて(怒)!!選考基準がよくわからん。・・・気を取り直して以下51位から。


 51位:日本「AKIRA」(’88)→大友克洋
 52位:セネガル「TOUKI BOUKI」(’73)
 53位:スペイン「オール・アバウト・マイ・マザー」(’99)
 54位:デンマーク「セレブレーション」(’98)
 55位:インド「LAGAAN」(’01)
 56位:フランス「昼顔」(’67)
 57位:ブラジル「セントラル・ステーション」(’98)
 58位:フランス「ペルセポリス」(’07)
 59位:ドイツ「HEIMAT」(’85)
 60位:フランス「JEAN DE FLORETTE & MANON DES SOURCES」(’86)
 61位:ポーランド「水の中のナイフ」(’62)
 62位:イタリア「8 1/2」(’63)
 63位:フランス「預言者」(’09)
 64位:フランス「ベルリン・天使の詩」(’87)
 65位:フランス「アンダルシアの犬」(’29)
 66位:中国「グリーン・デスティニー」(’00)
 67位:オランダ「ザ・バニシング -消失-」(’88)
 68位:イタリア「グレート・ビューティー/追憶のローマ」(’13)
 69位:日本「リング」(’98) →「Jホラー」!!
 70位:香港「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」(’92)
 71位:スウェーデン「仮面/ペルソナ」(’66)
 72位:オーストラリア「TEN CANOES」(’06)
 73位:フランス「隠された記憶」(’05)
 74位:インド「DEVDAS」(’02)
 75位:フランス「勝手にしやがれ」(’60)
 76位:フランス「愛、アムール」(’12)
 77位:香港「LOVERS」(’04)
 78位:スペイン「神経衰弱ぎりぎりの女」(’88)
 79位:イラン「別離」(’11)


 ・・・どう考えてもアメリカと自国イギリスは外していることが分かりましたな!「オーストラリア映画」が入っているから非英語圏からのチョイスオンリーではないことは明白。まさか「リング」も選ばれるとは!・・・超怖かったけど・・・あれは“名画”なのかね(苦笑)!?フェリーニあるのにヴィスコンティが選ばれてないのは何故??ジョン・ウーアン・リー選ぶなら筆者は別の作品選ぶけどな〜。残り一気にいきます!!


 80位:インド「MOTHER INDIA」(’57)
 81位:韓国「グエムル-漢江の怪物」(’06)
 82位:日本「バトル・ロワイアル」(’00)
 83位:セネガル「XALA」(’73)
 84位:フランス「ORPHÉE」(’50)
 85位:イタリア「暗殺の森」(’70)
 86位:ドイツ「ラン・ローラ・ラン」(’98)
 87位:ロシア「アンドレイ・ルブリョフ」(’66)
 88位:インドネシアザ・レイド」(’11)
 89位:チェコスロバキア「OVES OF A BLONDE」(’65)
 90位:フランス「RIFIFI」(’55)・・・注)「男の争い」だと思われる
 91位:ドイツ「グッバイ、レーニン!」(’02)
 92位:日本「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(’95)
 93位:オランダ「4番目の男」(’83)
 94位:マリ「YEELEN」(’87)
 95位:香港「ドラゴンへの道」(’72)
 96位:フランス「デリカテッセン」(’91)
 97位:中国「さらば、わが愛/覇王別姫」(’93)
 98位:日本「乱」(’85)→黒澤恐るべし!
 99位:中国「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー」(’93)
100位:ノルウェー「ヘッドハンター」(’11)


 筆者もここで選ばれた全ての作品を観ているわけでは決してないけどー最終的な感想としてはハリウッド&自国イギリス作品をあえて除外した分、いまいち理由付けがわからない上に片手落ちの100本になっているかと。日本映画が12本と全体の1割以上占めているのは素晴らしいが・・・「バト・ロワ」も好きだけど“名画”という括り方されると、ちょっと・・・ね(苦笑)。何気にポール・ヴァーホーヴェンの知る人ぞ知る作品が入っているのは嬉しかったが(笑)。でも<ベスト10>とかこういうランキングは見ていて楽しいよね^^賛同したり「え〜、これ〜!?」とか文句言いながら読むのが正しい見方だと思う。筆者もさすがにベスト100は考えたことないから(正直、60位と90位ぐらいはもう大して差はないだろう)60過ぎて暇になったら<生涯ベスト100>でも時間をかけて考えてみようかしら(笑)。