其の676:<番外編>某映画誌70年代ベスト10

 2018年も残り1か月を切りました・・・。平成最後の正月が近づいてきていますが・・・特に何も年明けの準備してない(苦笑)!

 
 個人的に今年は物心ついてから一番映画館に行ってない年になっていて、マジでヤバい(汗)。そんな中、先日、某老舗映画雑誌(あくまで某ですよ、某!)がアンケートをとって1970年代の邦画・洋画ベスト・テンを掲載しました(こういう企画は筆者も好き❤)。70年代は筆者にとって幼少期から少年時代を過ごした大事な時期でもあるので(勿論、映画に開眼したのも70年代だ)それぞれの上位ベスト10を紹介したいと思います。若い人は鑑賞の参考にしておくんなまし^^。

 まずは我が日本国のベスト10から(票が同数の場合は同じ順位です)。

 1位:「太陽を盗んだ男」(’79)
 2位:「仁義なき戦い」(’73)
 3位:「新幹線大爆破」(’75)
 4位:「ルパン三世 カリオストロの城」(’79)
 5位:「HOUSE ハウス」(’77)
同5位:「復讐するは我にあり」(’79)
 7位:「犬神家の一族」(’76)
 8位:「砂の器」(’74)
 9位:「青春の蹉跌」(’74)
同9位:「竜馬暗殺」(’74)

 
 ・・・という結果になってます。さすがにこれ全部は観てないけど大半は観てますなぁ。<70年代>は日本映画黄金時代も終わってて、学園紛争が終息を迎え、若者達が「やっぱり国家権力には敵わねぇ」と“シラケた”暗〜い&重〜い時代。その反動で“ネアカ”な80年代が来る訳ですが、1位の「太陽を盗んだ男」は、70年代最後の年に公開されたパワー溢れた作品!こんな凄い設定の作品はそうはないよなぁ。監督は今や生きるレジェンド・長谷川和彦、加えて主演はあの沢田研二!!遥か後にコンサートをドタキャンして騒動になろうとは、この時、誰も予想してない(苦笑)。
 筆者が唯一100回観ていて、個人的邦画ベスト1の「ルパン三世 カリオストロの城」が入ってて良かった^^。筆者は誰が何と言おうと宮崎駿監督の劇場映画最高傑作は「カリ城」だと確信している。
 あと「犬神家の一族」は筆者にトラウマを与えた忘れえぬ一作。「犬神家」がきっかけで筆者はすっかり推理小説ファンになった&尊敬する人物のひとりに実在していないのに金田一耕助も挙げるように(馬鹿か)。余談だが、金田一さんは事前犯罪防御率ほぼ0%ではあるけどね(苦笑)。
 俯瞰でこのベストを見るとエンタメ作から社会派ミステリー、実話系と幅広く入っていて・・・なかなかバランスがとれたラインナップになってるなぁ、と。70年代の日本はアニメブームの始まりでもあったので、個人的には「さらば宇宙戦艦ヤマト」とか「銀河鉄道999」がもっと上位にきて欲しかったけどさ。

 後に「2010年代日本映画ベスト」のアンケートとったらベストセラー小説の映画化、それに少女漫画の実写映画ばっかりになりそうな・・・。

 
 続いて「洋画」ベスト10です。年号は製作年です。日本公開年ではありませんのでご注意。

 1位:「タクシードライバー」(’76・米)
 2位:「ダーティハリー」(’71・米)
 3位:「スター・ウォーズ」(’77・米)
 4位:「ゴッドファーザー」(’72・米)
 5位:「旅芸人の記録」(’75・ギリシャ
 6位:「未知との遭遇」(’77・米)
 7位:「JAWS ジョーズ」(’75・米)
同7位:「時計じかけのオレンジ」(’71・英=米)
同7位:「ミツバチのささやき」(’73・スペイン)
10位:「地獄の黙示録」(’79・米)

 
 これは日本の特色かもしれないけど・・・世界中で毎年、山ほど映画は作られているのに・・・ハリウッド映画ばっかり(驚)!!で、筆者はアメリカン・ニューシネマ好きでもあるので、結構リアルタイムで観てるし(←昔は町のあちことに2本立て、3本立ての「二番館」、「三番館」があったのよ^^)、このリストの大半のDVDを持ってる(苦笑:日本人だなぁ・・・)。
 個人的にも「タクシードライバー」1位に何の異論もない。あの空気感こそ70年代のアメリカよ!よくマーティン・スコセッシロバート・デ・ニーロのコンビ最高傑作は「レイジング・ブル」と言われるけど、筆者は「タクドラ」(・・・って略すか?)こそ最高傑作だと思ってるし。
 クリント・イーストウッド主演作「ダーティハリー」は刑事ドラマのフォーマットを作ったといっても過言ではないし、「スター・ウォーズ」は現在のSFXにつながる基礎ともなった<世界映画史>を語る上でも外せない一作。ただ、当時、この映画の続編をアラフィフになる21世紀まで観る事になろうとは夢にも思わなかった(苦笑)。
 10作中、スティーヴン・スピルバーグ2本にフランシス・フォード・コッポラが2本。筆者がスピルバーグのファンになったのもわかるよなぁ。完全に時代の洗礼を受けている(笑)!
 日本では<カンフーブーム>もあったから個人的にはブルース・リーの「燃えよドラゴン」(’73・米)や、来年スピンオフが公開される「ロッキー」(’76・米)も10位内に入っててよかった思う。あと、これが「映画秘宝」だったら「ゾンビ」(’78・米)と「悪魔のいけにえ」(’74・米)もベスト10入り確実(笑)!!
 
 70年代は興行的に落ち込んだハリウッドが映画作家の時代になった・・・と思いきや「スター・ウォーズ」ほかの大ヒットがきっかけで、再びスタジオのプロデューサーが権力を握り、予算をかけた大作がほとんどの劇場を埋め尽くすブロックバスター方式を生む時代の始まりでもあった(その辺りの歴史的興味がある人は個人的にも調べてね★)。そんな21世紀の今ではアナログからデジタルの移行が進んで、フィルムでの撮影は少数となり、映画館はシネコンが激増・・・。この2010年代、後に歴史家はどんな時代だったと記すのか・・・興味深いところだ。
 

 さて、今回取り上げた某老舗映画誌は、今度は1980年代のベスト10発表をスタートさせた!機会があったら来年のよき時に・・・取り上げようかしら?予定はあくまで予定なので、あしからず^^