其の577:実写版「進撃の巨人」後篇を観る

 めちゃめちゃ暑い夏が一転、寒〜くなって・・・9月になってしまいました。大して何もせず(できず)夏が終わってしもうた(涙)!

 そんな中、「進撃の巨人 ATTCK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」を試写会で観ました。「前篇」は賛否両論、大ヒットながら低評価・・・という結果に終わりそうですが、さて肝心の「後篇」は!?個人的には“エンド オブ ザ ワールド”とか今風のワードをサブタイトルに入れてるのが、若者受け狙おうという商業的魂胆がミエミエでちょっと気になるけれど(笑)。

 
 まだ「前篇」が上映中だし、このブログは<ネタばれ禁止>をモットーとしているので、書ける量が非常に少ないのですが(よって今回は「粗筋」書けません)・・・原作漫画読んでたり、アニメ観ていた人にとっては「ここまでが前篇なんだろうな〜」という予想通りのところでまんま終わったのが前篇(苦笑)。後篇は原作を完全に離れ、映画版として“巨人の謎”や“新キャラ創造の必要性”が分かる&描かれます。

 前篇が作劇のパターン:<起承転結>の<起承転>、「序破急」の「序破」までだとしたら、後篇は<結>、あるいは「急」オンリー!!先の“巨人の謎”も明かされつつ、映画としての完結目指してひたすら邁進。最初の方で、また新たな“知性のある巨人(女性ではなく男性)”が登場し<巨人バトル>が繰り広げられるのも大きな見所でしょう。筆者は鑑賞中、「まるで『サンダ対ガイラ』だな〜」と思ってて、帰宅して尾上克郎特撮監督のインタビュー読んだら、本人も「サンダ対ガイラ」をイメージしたとコメントしてた(笑)。そこは映画の企画発案者・中島哲也監督の意向を汲んでいたのでグー!

 これは樋口真嗣監督もコメントしてますけど・・・<共同脚本>ではありながら、映画の骨格を書いた映画評論家・町山智浩氏の<映画知識・映画の定番パターン>があれこれ散りばめられた一作でもある。「西部劇」や「戦争映画」を思わせるテイストの中、<思わぬキャラが活躍>とか<●●●と思った奴が●●●●>とか(ネタばれするので自粛して伏字)。勿論、クライマックスは当然、大バトルと・・・そのあたりは直球勝負の流れ。一部、それまでの世界観をくつがえす重要なシーンは、どう見ても「2001年宇宙の旅」のオマージュでしょう(タランティーノか^^)。

 こう書いていくとすごい面白そうに見えると思うし、お話の辻褄はあわせてあるんだけど“巨人の謎”は、「もうこうしかないだろう」と筆者も軽く予想していたオチで新鮮味なし。某キャラの行動も・・・ある意味、よくあるパターンで、なんかゴールにむけ映画的スケールが矮小化(→穴ふさぎにいった人々以外にもう大して人物も出てこないしね)していった感じがなきにしもあらず。

 俳優たちも頑張ったとは思うんだけど・・・ちょっと一部の人の演技が「学芸会」っぽい感じもあって少々観ていて気恥ずかしい。前作で筆者が誉めた石原さとみのハンジのはじけっぷりは相変わらず面白くて良かったけど^^。前作でAKB48の高橋みなみが出演していたそうだが(まるで分からなかった)、今作にはめっちゃ分かりやすい形で某男性アイドルが出演しているので、そこはお楽しみに(←何故かマスコミにも未発表のキャスト)。あと音楽・・・前作もそうだったけど、まるで印象に残らない劇伴。もう一工夫して欲しかったわ!!

 結果、個人的には前作が並だとしたら、今作は見せ場と謎説き(超大型巨人の正体は筆者も「こう来るか!」と驚いた)で終焉にむかった分、前作よりは若干良かったと思うけど・・・大勢の観客たちの低評価を覆すまでの完成度に至らなかったのが残念。先が読めない展開と巨人バトルの力技で前作否定派の人々を黙らせる域に達して欲しかったな〜(映画として本当に面白ければ批判はおのずと止むだろう)。町山さんのこれまでの功績が今作でダダ下がりしないことを切に祈るのみ・・・だ。
 


<どうでもいい追記>試写会には映画評論家のほか、ちょいちょい芸能人の姿を見かけたりもするのですが・・・筆者が上記作品鑑賞の際、隣に座ったのが某女優さん(驚)!おかげで妙〜に気使って疲れたことも付記しておこう。せめて付き人さんぐらいが隣だったら良かったのに。