其の497:シュワちゃん復活^^「ラストスタンド」

 「ターミネーター3」以来のアーノルド・シュワルツェネッガー単独主演作「ラストスタンド」を観ました!彼の公開作は世代的にほぼリアルタイムで観ているけど・・・いや〜、これは面白かった!!あいにく日米ともに“大ヒット”とはならなかったようだが・・・こんなに面白いのに・・・もったいないな〜(残念)。上映中につき、またまた“さくっ”とネタバレしないように書きマス♪



 メキシコ国境そばにあるアメリカの田舎町・ソマートン。のどかな生活を送っている保安官レイ・オーウェンズ(=シュワちゃん)の元にFBI(=仕切り役を演じるのはフォレスト・ウィテカー)から電話が入る。メキシコの麻薬王が部下の傭兵達によって移送中に脱走、最新のスーパーカーと武器を駆使して追跡を振り切り、本国メキシコを目指してこの町へ向かっているという!かつてロサンゼルス市警の凄腕麻薬課刑事だったオーウェンズは実戦経験のない副保安官たちにボンクラ銃器マニアら3人と武器を手に取り、犯罪者グループを止める戦いを始めるー!!



 警察の応援も間に合わない中、“ラストスタンド(=「最後の砦」の意)”としてワルの一団との戦いに身を投じる曰くつきの過去があるシュワちゃん→→→往年の“黄金パターン”を踏襲しつつ、ふんだんに入るアクション(銃撃戦、肉弾戦にカーチェイスも)は勿論の事、ギャグ、そして<西部劇>へのオマージュ(後半から撮り方も音楽もちょいちょいウエスタン入ってる^^)・・・これぞ大エンターテインメント!!これ以上、映画に何を望むんだい?

 監督は韓国のキム・ジウン(初ハリウッド作)。」「悪魔を見た」の他、「続 夕陽のガンマン/地獄の決斗」のリメイク「グッド・バッド・ウィアード」を創った御仁だけに・・・西部劇大好きなんだろうね(笑)。しかも主演がシュワちゃんだぜ〜、感激もひとしおだったのでは。

 なによりも素晴らしいのが脚本の出来!無駄がなく、一切ダレるところがないし、必要な伏線はちゃんとはってある(後付けで台詞に加えたであろう部分も少々感じたけど^^)。還暦越えてるシュワちゃんが大バトルの最中「もう年かな」とこぼす自虐的ギャグもありつつ、建物の屋上から敵を撃つ&同時にタックル、まんま階下に落ちてゆくという凄いアクションもあり(←「この撮影は大変だった」とは本人の弁)。タイトルに書いたように<シュワちゃん復活>だ^^!!

 
 今後、シュワちゃんはまたまたスタローンとの共演作も控えてるし(「エクスペンダブルズ3」とは別物)、私生活のトラブルはともあれ(笑)今後の出演作も要チェックだ♪




 <ちょっと長い追記>一方、6月に封切られる邦画「二流小説家 シリアリスト」を試写会にて鑑賞。アメリカの傑作ミステリー小説を翻案&上川隆也の初主演映画作(“映画”は初主演だったとは・・・ビックリ)。

 
 官能小説書いて糊口をしのいでいる売れない中年作家(=上川)にある日、刑務所より死刑囚(=武田真治)より手紙が届く。“ある条件”をのんでくれれば、自分が犯した連続殺人の真相を話すので、それを本にしてほしいーという依頼だった。“夢のベストセラー、念願の人生一発逆転!”を狙って執筆を決心した作家だったが、取材した先々で連続殺人事件が発生!それは死刑囚が12年前に行った手口と同一のものだった・・・。事件に巻き込まれた作家は真相究明に乗り出すのだがー!?
 
 ストーリー自体はめちゃめちゃ面白いそうでしょ?ところが完成した映画は・・・映像は綺麗なんだけど・・・残念ながら演出が一本調子でメリハリなし。終盤、矢継早に意外な展開が来るのに・・・そこはやっぱり緩急つけないと。ベタだけどハリウッド的に編集のテンポアップ&劇伴で盛り上げれば、もっと面白くなったと思う。どんなにいい画撮っても、仕上げの時によ〜く考えてつながないとダメになるという分かりやすい例。

 “親子が日本海の海岸を歩く&佇む回想シーン”は・・・「砂の器」と「天国と地獄(パートカラー)」やってて個人的には面白かった。ベタベタで(笑)。

 俳優陣もいい人たち結構出るんだけど、大半が1シーンのみの出演(哀)。“真相”が「夢オチ」、「妄想オチ」、「宇宙人オチ」じゃなかったのが唯一救いだな(苦笑)。ジャンルは違えど「ラストスタンド」には遥か及ばず・・・。筆者が期待し過ぎたかな。