其の456:バートン版「ダーク・シャドウ」を観たけれど。

 久々に現在公開中の新作ネタを^^。ティム・バートンジョニー・デップ8度目のコラボとなった映画「ダーク・シャドウ」を(ようやく)鑑賞。バートンの前作「アリス・イン・ワンダーランド」はスベったけど、今作はゴシック調の屋敷を舞台に盟友ジョニー演じるコミカルなヴァンパイア・・・とくれば、いかにもバートンの“独壇場”!期待して観にいったのですが・・・さて、その出来とは?!いつものようにオチは書きませんのでご安心あれ♪


 イギリスから渡米して大成功した実業家の息子バーナバス・コリンズ(=もち、ジョニデ)は素敵な彼女もゲットし、楽しい日々を送っていた。ところが彼のことが好きだった召使のアンジェリーク(=「007/カジノ・ロワイヤル」のエヴァ・グリーン)の正体はなんと“魔女”!彼女によって両親、さらには恋人を殺されたバーナバスは“ヴァンパイア”にされた上、森の地中深く埋められてしまう。・・・時は流れ、1972年。偶然墓を掘り起こされ自由になったバーナバスは200年ぶりに屋敷に戻る。だが、かつての繁栄は失われ、末裔たちはすっかり落ちぶれていた。バーナバスは一族再興のために立ち上がるが・・・。


 1960年代後半から70年代初めに放送された同名テレビシリーズの映画版(以前、映画も製作されてる)。シリーズの大ファンだったというジョニーが主演だけでなく自ら製作も務め、ティムの奥さんヘレナ・ボナム=カーターに、「バットマン リターンズ」以来のバートン作品となるミシェル・ファイファー、そして「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツと豪華俳優陣出演の今作だが・・・バートン監督作としては、またまた“スベった”!!

 日本でヒットしてるし、元のテレビシリーズを筆者は観ていないんで書きにくいけど(大分、映画化にあたって脚色したそうだが)今作がスベった理由は明白!要はゴシックの要素にコメディーが加味されているんだけど・・・それがメチャ中途半端!大しておどろおどろしくもなく、お笑い(→この映画の場合、主人公が「(中にいる奴)出てこい!」とか言ってテレビを壊す“200年”という時代のギャップがネタの笑い)もそこそこ。対する魔女(→アンジェリークも姿形を定期的に変え、いまやコリンズ家のお株を奪って街の名士&実業家になってる)とのバトルも・・・いまいち盛り上がらず。観ていて飽きは来ないけど・・・ハズしたよ(残念)。

 「アリス〜」の時も思ったけど、<脚本>が悪いね!いくら巨額の予算をかけ、出演者の演技&演出で頑張っても台本が悪いとこうなる・・・という分かりやすいパターンの代表ですな。もっとふんだんにギャグ入れつつ、魔女と商売を巡って熾烈な競争を繰り広げていった上で、クライマックスにもっていかないと。そのテのパターンはハリウッドが得意としているはずなのだが・・・う〜ん(悩)。大ファンのティム・バートンが2作連続でスベったのも筆者的に大ショック!バートンの次回作(何が予定されているのか知らんけど)に期待したい。これで、この後年内に公開されるクリストファー・ノーランの「ダークナイトライジング」とリドリー・スコットの「プロメテウス」も外したら・・・筆者は寝込むかもしれない(半分ホント)。

 
 ダニー・エルフマンの音楽は相変わらず良かったし、年はとったけどミシェル・ファイファーは綺麗だった・・・と今更フォローしても遅いか(笑)。クロエ・グレース・モレッツはもう完全に“ティーン”・・・彼女を起用しての「キック・アス2」はもう無理と見た(苦笑)。