其の444:イーストウッド最新作の出来は?!

 久更です(忙しくて、もう・・・)^^。

 先日、クリント・イーストウッド監督最新作「J・エドガー」を・・・睡眠時間削って観る(苦笑)。約半世紀、FBIの初代長官として君臨したジョン・エドガー・フーバー(1895〜1972)の伝記っす。主演はイーストウッドと初タッグを組んだレオナルド・ディカプリオ。筆者は決して盲信的な“イーストウッド信奉者”ではないんだけど、ここ近年はついつい新作をチェックする監督のひとりになってもーた。上映中につき、ネタバレしない範囲で書きマス(といっても伝記だからオチは分かっちゃうだろうけど)!


 70年代、人生の終盤にさしかかったFBI長官ジョン・エドガー・フーバー(=レオナルド・ディカプリオ)が、部下に命じて「回顧録」の執筆に入る。以後、<現在(=70年代)>と<過去>・・・20代の若さでFBIの前身となる組織のトップとなり、科学捜査の基礎を確立&犯罪者の指紋管理システムを作りながらも“国家を守る”という強い信念が、「そのためになら法を曲げてもかまわない」と狂信的なものとへと変貌していく過程と知られざるプライベート・・・が<クロス>する形で語られてゆく。


 名声と同時に悪評も高い男、フーバーの半生を描く・・・イーストウッド自身、受け取った脚本に彼のプライベートが細かく描かれている故、今作の企画に興味を抱いて監督を引き受けたそうな(彼的には「バード」以来の“伝記もの”)。主人公を演じるレオナルド・ディカプリオは、特殊メイクを駆使して20代から77歳までを完コピして頑張ってます^^。前にマーティン・スコセッシと組んだ“伝記もの”「アビエイター」は、レオ様が童顔ゆえ年月の経ち具合がいまいちよく分からんかったけど(苦笑)今回は良かった。

 また、今作では「フーバー=国家の英雄」の姿だけでなく、ジュディ・デンチ演じる母親の期待に応えるべく自分を奮い立たせる姿(ぶっちゃけマザコン)や、「ギャンブル好き(競馬)」、「人種差別主義者」で、情報網を活用して嫌いな相手(例:キング牧師ほか)を社会的に抹殺しようと画策するわ、当時はタブーだった「同性愛嗜好(=相手はアーミー・ハマー演じる副長官)」も描かれる(よって生涯独身)。

 「フーバー」といえば歴代8人の大統領に仕えたことでも有名だが(→アメリカでは大統領が変わると政府関連組織の人事異動があるのが普通)、これは彼らの電話内容を“盗聴”して“弱み”を握ることで長官に居続けたのだけれど・・・映画でそんな様子が描かれるのはほんのちょこっと!確かにフーバーという人物は端からみても興味深い人物だと思うが・・・時の大統領を監視して、なにかある度に「こんなネタあるんやけど♪」とか言って、脅しに脅しまくる様子をもっと見たかったな〜(残念)!!!

 悪い映画ではないし、観ていてあきないけど・・・この<企画>に関しては、見せる路線をちょっと間違えたような気も・・・。「アメリ近現代史(→デリンジャーほかギャングのエピソードもあり)」の勉強として観るのが一番いいかも?また映画の伝記ものも、もうそろそろ新しいパターンを創作しないといかん時期に来てる気もする(じゃあ、どうすんねんと言われてもすぐにアイデア出ないけどさ)。しかしながら、高齢なのにハイペースで作品を発表し続けるイーストウッドを筆者は素直に尊敬してます^^!


 ち・な・み・に、フーバーの死後、FBI長官の任期は10年に制限されることになりましたとさ。ちゃんちゃん♪


 

 <どうでもいい近況>もうやく・・・昨年から続けている某邦画シリーズものの研究がヤマを越えた!あともう少し、もう少し!!