其の487:イーストウッドじゃない方の「アウトロー」

 今年になって、ようやく映画館で観た“初映画”は・・・トム・クルーズ主演の「アウトロー」となった(それにしてもクリント・イーストウッドの同名西部劇と同じ邦題・・・ややこしいから何とかならんのか?)。トムさんが「ミッション:インポッシブル」に続いて<シリーズ化>を計画しているといわれる本作。現在、絶賛公開中につき・・・ネタバレしないよう、ちょっとだけ書きマス♪



 米・ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊。白昼、5人の男女が無差別に射殺される事件が発生。警察の捜査の結果、容疑者として元軍人のスナイパー、ジェームズ・バーが逮捕される。だが彼は容疑を否認、唯一要求したことは“ジャック・リーチャーを呼べ”。ところがバーはその直後、刑務所への護送中、他の囚人達に襲われ昏睡状態に陥ってしまう・・・。ジャック・リーチャー(=もちトム・クルーズ)は、かつて米軍の秘密捜査官として勇名を馳せたものの退役し、今は街から街へと流れ歩く謎多き男。そんなリーチャーが突如警察に現れる。バーを担当する女性弁護士ヘレン(=「007/ダイ・アナザー・デイ」のロザムンド・パイク)から協力を要請された彼は、事件の裏にある真相を解明するため行動を開始したー!!



 今作「アウトロー(原題「ジャック・リーチャー」)」はイギリス人推理作家リー・チャイルド(1954年〜)が1997年からスタートさせた「ジャック・リーチャー」シリーズの9作目「ONE SHOT」をベースにしての映画化。傑作「ユージュアル・サスペクツ」の脚本を書いたクリストファー・マッカリーが監督・脚色を担当している。先日、来日したトムさんが「次の『ミッション:インポッシブル』は彼が監督するよ❤」とポロリと口にして周囲を慌てさせたのも記憶に新しい(笑)。

 同じトムさん主演だからって「ミッション:インポッシブル」の派手なタッチを期待するとダメ。今作は“昔ながらのハードボイルド”。ワイルド(自分の痕跡を残さないために携帯電話すら持たず、基本移動はバス使用)且つ推理力十分のキャラクターとストーリーに70年代映画大好きな筆者は十分ノレたけど・・・古い映画観てない若い人はあかんかもね。ドンパチは少ないし、爆発シーンなしだし(笑)。その分、現実に即したリアルな世界が描かれている。<肉弾戦>も非常に実戦的なアクションだし(→スペインで生まれたキーシ・ファイティング・メソッドを導入)。

 「ミッション〜」でも大半のアクションをトムさん自らが演じることは有名だけど、今作でもその姿勢は健在!最大の見せ場となる<カーチェイス>は、ノー合成でスタントマンなし(凄)!おかげで高価なクルマがバンバン壊れたそうだが、CG全盛の現在でもこういった本気のアクションが観られるのは、昔からの映画好きとしても嬉しい限り^^。迫力的には「フレンチ・コネクション」の<高架下のカーチェイス>には負けるけどサ。

 出演者もトムさん以外にロバート・デュヴァル(トムさんとは「デイズ・オブ・サンダー」で共演済み)が後半出てきて、いいところ持っていくし&「カスパー・ハウザーの謎」や「フィツカラルド」のドイツ人監督ヴェルナー・ヘルツォーク御大も“俳優”として出演してる(驚)!ヘルツォーク御大がどんな役で出ているのかは・・・それは観てのお楽しみ^^

 クライマックスのシチュエーションが少々「007 スカイフォール」に似ていないこともないが・・・まぁ、単なる偶然だろう(笑)。少々、説明不足の箇所もあるけれど、筆者はこの映画嫌いではないナ。


 「ジャック・リーチャー」シリーズはいまのところ17作まで書かれているそうなので(年1ペースで書き進められるそうな)、シリーズ化するにしても“ネタ元”は十分ある(笑)。一時期、シルヴェスター・スタローンは「ロッキー」と「ランボー」の2大シリーズを並行して撮っていたけど、トムさん的には・・・<派手さ>で考えると「ミッション〜」が「ランボー」シリーズで、「ジャック・リーチャー」は・・・さしずめ「ロッキー」シリーズに相当することになるかも?何年先になるかはわからんけど次の「ジャック・リーチャー」に期待します!


 
 <追記>シルヴェスター・スタローンの新作「バレット」は、「48時間」シリーズのウォルター・ヒルが監督(6月公開)!!そのヒルとは「レッド・ブル」で組んだアーノルド・シュワルツェネッガーの新作「ラストスタンド」も4月に公開(今週来日するんだよな)!
スタさんとシュワちゃんの新作が公開される2013年は・・・映画ファン的にはいい年になりそう^^