其の315:「20世紀少年 第2章」は・・・

 3部作の真ん中「20世紀少年 ー第2章ー最後の希望」を観ました。最初から原作以上のことはないと思っていましたが・・・予想していたより面白かったですよ。内容てんこ盛りで!

 前作「−第1章ー終わりの始まり」(←いつの間にかついたサブタイ)は2000年の「血の大みそか」いっぱいまで描かれましたが、今作は2015年からのスタート!原作の愛読者の方はご存知の通り、ケンヂ(唐沢寿明)は行方不明となり、「ともだち」は世界を救った人物として大出世。テロリスト扱いとなったかつてのメンバーに代わって主人公になるのが高校生になったカンナ(平愛梨)。後半からカンナに加えて刑務所から脱獄した「ショーグン」ことオッチョ(豊川悦司)が大活躍します。

 <3部作中の2部作>ということで、次へのブリッジになるわけですが・・・前作より少年時代への回想シーンは少なくなり、時系列で進んでいくので原作未読の方も分かり易い展開ではないでしょうか(その分、蝶野刑事やマルオのエピソードとか大分はしょられたけど:苦笑)。映画の雰囲気も大分変わったし。ただ「新宿であれほどデカい爆発に巻き込まれて、なぜメンバーが生きているんだ!」とか「なんでオッチョはあんなに簡単に脱獄できるんだ!」とか野暮なツッコミはなし。いいじゃない、ご都合主義でも。所詮漫画が原作なんだから(笑)。細かいこと言ってたらキリがない(笑)。

 原作は話の複雑さ(ひっぱるひっぱる)&大量の登場人物が出ることで知られていますが、今作も漫画で御馴染みのキャラが続々登場!中でも小泉響子(笑)に扮した木南晴夏は容姿も仕草も激似でビックリした!
 またヒロイン、カンナを演じた平愛梨はまだちよっと演技が固い感じはしたものの好演。これまでもちょぼちょぼ映画やドラマに出ていたようですが鳴かず飛ばずで「今作のオーディションに落ちたら芸能界を引退しようと思っていた」そうで、オーディション前日に長く伸ばした髪を切り、カンナヘアーにして熱意をアピールしたという(受かってよかったよかった^^)。
 古田新太演じる春波夫(=元ネタはもちろん三波春夫大先生)も漫画そっくりで爆笑!唯一似てないのが小池栄子(残念)。彼女は以前にも堤幸彦監督作に出ているんで・・・その縁で引っ張られたのか!?近年のハリウッド・スターは実在の人物を演ずる場合、そっくりにバケるけど・・・まぁ、必ずしも似てればいいってもんじゃないけどさ(笑)。

 映像的には、さすがに「漫画の完コピ」を目指しただけあって、よ〜く作りこんでありますよ(=新宿は完全に「ブレードランナー」化:笑)!モブ(群集)シーンは実際に大量のエキストラを動員して撮影したそうだし。総予算60億円は伊達じゃないわ^^とはいってもファンを魅了してきた「堤マジック」は今回も皆無!・・・もうちょっとなにか工夫しても良かった気はするけどね。
 
 今作で登場する「懐かしの小道具類」は凄かった。サダキヨ(演じるのはユースケ・サンタマリア)は幻の名車「トヨタ2000GT」に乗ってて、つい「サーキットの狼」を思い出してしまった(笑)
 彼が訪れる「ともだち博物館」の本棚には当時の少年サンデーや少年マガジンが並べられ(=スタッフが再現したもの)、更にマニアにはたまらない数々の「オモチャ」も登場!中には500万円の値がするものもあるというから・・・スタッフが「鑑定団」の北原先生あるいは「ゴジラ屋」から借りてきたのかもしれんな。

 勿論、今作で「ともだち」の正体が分かるはずもないのだが・・・当時、リアルタイムで連載読んでた筆者も段々最後の方、忘れてきた(苦笑)。「ともだち暦3年」からスタートする「最終章」は今年の秋公開なので・・・最後の方だけ漫画喫茶でも行って読み直そうかしら(笑)。ここまできたら、もう最後まで観るしかないっしょ(意地)!まんまと、うまい具合に日テレ商法にのせられてるわ(苦笑)。


 <追記>公開前日に放送された「もうひとつの第1章」は・・・第1章の映像にカンナの部屋のシーンちょっと足して、ナレーションつけただけだった。観るまでもなかったなぁ(苦笑)。