其の555:日記風に3本書いてみた

 10年目で555回目の更新となりました(とうとうと言おうか、ようやくと言うべきか)^^
 その更新を記念して(?)新たな試みとして<日記風>に3本書いてみます。さて、うまく書けますかな・・・(我ながら大して自信なし)。


 1月○日(晴れ)。フランコ・ネロ主演のマカロニウエスタン「ケオマ・ザ・リベンジャー」をDVDにて鑑賞。
 南北戦争終結後、ネイティブ・アメリカンの血を引くケオマ(=もちネロ御大❤)が故郷の町に戻ってみると、そこは荒くれ者の独裁者が支配する変わり果てた姿だった。伝染病に感染した妊婦を助けたことで彼は独裁者、そして共に育った義理の三兄弟との対決を余儀なくされる・・・。
 監督は「地獄のバスターズ」のエンツォ・G・カステラッリ(←書くまでもなくイタリア人)。この御仁、ネロとは何本も組んでいて、ネロ自身も今作を気にいっているようだ。
 フランコ・ネロは激汚れスタイルながら、めちゃ早撃ちの凄腕。ただ全体的に(ナレーション代わりの音楽も含め)暗〜い内容。1976年の作品ながらネロは終盤、敵に捕まって拷問を受ける・・・この流れ、「荒野の用心棒」から全然進歩してない(苦笑)。アクションは多々あるけど、スカッとはしない出来なので賛否分かれるだろう。ちなみに一部で今作が“「マッドマックス」の元ネタ”と言われているそうだが(DVDのパッケージにもそれらしきこと書かれている)絶対間違いだと思う(笑)。


 
 1月△日(晴れ)。試写会で「悼む人」鑑賞。天童荒太の同名直木賞受賞作の映画化で、監督は「ケイゾク」、「SPEC」シリーズほかの堤幸彦
 坂築静人(さかつきしずと:演じるのは「横道世之介」の高良健吾)は日本全国、不慮の死を遂げた人々を個人的に“悼む”ために旅している青年。横浜の実家には父(=平田満)と妹(=貫地谷しほり)が癌で余命いくばくもない母(=大竹しのぶ)の看病をしている。静人が旅を続ける中、父親を憎む中年雑誌記者・蒔野(=椎名桔平)、夫を殺した過去を持つ倖世(=石田ゆり子)らと出会うのだが・・・。
 全編シリアスなヒューマンもの。作中に軽いギャグを入れるのが得意な堤さんだが・・・今作は一切ギャグなし!監督自身が原作に惚れ込んで(以前、同作の舞台も演出)、満を持しての映像化だ。正直、堤さんは「TVドラマの演出は天才、でも映画やると普通」・・・という不思議な才能の持ち主というのが筆者の持論だがー今作ではその普通っぷりがハマってた。内容が内容なんで、面白い、というより“いい映画”という言い方しか出来ないけど。堤さんの映画監督作の中ではベストではなかろうか?中島哲也監督の「渇き。」のようにへヴィーなお話をMTV的チャカチャカ編集とかせずに、正攻法で描いたのが大正解。
 大竹しのぶが巧いのは言うまでもないが、今作は中でも石田ゆり子が良かった!まぁ、この方、これまでも幸薄い役多いけど(苦笑)。来年、いくつかの賞に輝くのではないかしら?日本国内はもとより、諸外国にこの映画もっていったら、どんな感想を持つのか聞いてみたいと思う。



 1月×日(またまた晴れ)。何気に上映が終わりそう(?)なので慌ててアメコミ作「シン・シティ 復讐の女神」を鑑賞。なんと10年ぶりの<続編>なんで冒頭に“前作のおさらい(多分、日本オリジナル)”がついてた^^。
 ストリッパー・ナンシー(→前作と同じジェシカ・アルバ)の復讐劇をメインにマーヴ(→前作同様、特殊メイクのミッキー・ローク)、ドワイト(→ジョシュ・ブローリン)、ジョニー(→ジョセフ・ゴードン=レヴィット)らのハードボイルド・ストーリーが綴られる。
 前作同様、アメコミ独特の絵を徹底再現したのはロバート・ロドリゲスと原作者フランク・ミラー2人の監督(これも前と同じ)。前作を観た時は確かに巧みにコミックスの移植を行っているとは思ったけど・・・大して感心しなかったのが正直な所。でも今回はこの10年間のデジタル技術の更なる向上もあって、大変こなれた映像になっていた。で、バイオレンスシーンも増量(笑)。
 “バイオレンスとエロス”がフランク・ミラーの漫画の持ち味だが(それは同じくミラー原作の「300<スリーハンドレッド>も同じ)今作ではエヴァ・グリーンが一人でおっぱい出しまくってた。エヴァは昨年公開された「300<スリーハンドレッド> 〜帝国の進撃〜」でも脱いでたが・・・何かあったんか(笑)。かの歌姫レディー・ガガが1シーン、出演していることも付け加えておこう(彼女はロドリゲスの「マチェーテ・キルズ」にも出演してる。・・・ロドさんと出演独占契約してるわけはなかろうが)。



 ・・・書いていて思ったけど上記の3本、(偶然だけど)暗い、重いテイストの映画ばかり!まぁ、筆者は暗い映画嫌いじゃないけどネ(苦笑)。

 日本SF界の巨匠・平井和正先生が亡くなられた。先生が自らが描くオリジナルの「幻魔大戦」のラストを読みたかったなぁ・・・。