其の283:大馬鹿ハイパーアクション「アドレナリン」

 「シューテム・アップ」、「スネーク・フライト」に続いて馬鹿アクション映画「アドレナリン」(’06)を紹介します。映画オタクは、一通り基本的な名作、傑作、話題作を抑えると以降はマニアックな映画や馬鹿映画が観たくなるのよ(笑)。ただ、ここで書く「馬鹿映画」とは「現実的にはありえない大胆な発想で作られた映画」の意味。IQの低い本当の馬鹿が作ってるダメダメ映画のことではありません。


 凄腕の殺し屋(=演じるのは「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム。顔、怖いっす)が油断した隙に、ライバルの殺し屋に毒物を注射されてしまう。それはアドレナリンを分泌し続けないと死に至る中国製の毒だった(何故、中国製?:笑)。その為、主人公は解毒剤を手に入れるべく奮闘を開始するのだった。タイムリミットは約1時間。男はロスの街中をひたすら突き進む・・・!!


 「音楽」は全てのパターンが出尽くしたとよく言われますが、今作の設定はともすればありがちな「アクション映画」に新風をまき起こしたと思う。「アドレナリンを出し続けないと死ぬ中国製の毒」・・・こんな馬鹿馬鹿しいアイデアを考え付いた事自体、敬服に値する!銃で撃ちゃ終わるのに(笑)。勿論、映画の見所は主人公が「いかにしてアドレナリンを出すか」というその方法だ。


 車に乗ればノンストップ、フルスロットルで走行!パトカー巻くためにデパートの中へも平気で突っ込むし(こらこら)、バイクに乗ればハンドルから手を離してシートに立ち上がる(サーカスか:笑)。中でも極めつけは彼女(=筆者の好きな「バタフライ・エフェクト」のヒロインのコ)と外出先の中華街で公開生ファック!!男が腰ふりながら「俺は生きてるぞー!」と雄たけびをあげると、見ている中国人たちも「おー!!」と歓声を上げる(爆笑)。


 監督、脚本はマーク・ネヴェルダインブライアン・テイラー2人の共同作業。今作以前の彼らの経歴は・・・知らん(笑)。但し、こんな天才的な発想をした人たちではあるので全くの素人ではないだろう(当たり前だ)。<設定>は勿論、<映像>もかなり凝っていて全編、超ハイテンション(=主人公の状態を表現)!!
 デジタル処理を駆使した今風の画面のほか、変則マルチ画面やスローモーションもあり。時には移動場所を示すため「グーグル・アース」の衛星画像もインサートされる!日本のワイドショーの事件報道以外でまんま使われてるの初めて観たわ。勿論、暴力シーンはエグいっす。


 なんでも「続編」の制作が決定しているらしいが・・・オチがオチだからねぇ(ここでは書きませんので、ご安心を^^)相当、強引な設定に変わりそう(苦笑)。もし、本当に実現したとしたら・・・それこそIQの低いマジ馬鹿映画になりそうで・・・怖い(でも観るけどさ)。


 <どうでもいい追記>最近、やたらとパチンコ「CR七人の侍」のCMやってるけど(=三船敏郎演じる菊千代役に永瀬正敏。どんなキャスティングやねん!!)なんと「夕陽のガンマン」もパチンコに(驚)!!イーストウッドもまさかかつての主演作がパチンコになるとは・・・夢にも思わなかっただろうなぁ(苦笑)。