其の282:B級映画、2本連打!

 早速、SF戦争アクション「スターシップ・トゥルーパーズ3」を観てきました。「崖の上のポニョ」は・・・筆者はパス(笑)!今作のウリは原作の主人公ジョニー・リコの再登板と、新バグズ&ガンダムの元ネタ「パワードスーツ」の登場なのだが・・・パワードスーツ・マローダーはクライマックスにちょこっと出るだけ(涙:「マローダー」の名称は同作のCGアニメーションシリーズ「クロニクルズ」より)!おまけに中盤は延々「宗教」の話になる(苦笑)。
 
 全作の脚本を手掛け、今回初監督に挑んだのがエド・ニューマイヤー。「前作(2)にフラストレーションを感じた」というわけで自分で監督する事にしたようだが、フィル・ティペットが今作に関与していないのはそのせいかもしれない(=ティペットは「2」の監督)。そのため、「3」にしてますますハインラインの原作を逸脱し、ニューマイヤーの「脳内トゥルーパーズ」化が進んだわけ(苦笑)。いっそ、冒頭からパワードスーツ出して、戦争が終局に向かう話にすれば遥かに面白くなったのに!!
 
 ちなみに製作総指揮にポール・バーホーベン御大がクレジットされているが、実際にはニューマイヤーがオランダのバーホーベンに何回か電話して相談しただけの完全な「名義貸し」である(苦笑)。
 パンフレットによれば、ニューマイヤーはリコ役のキャスパー・ヴァン・ディーンと組み、「スターシップ〜」のテレビシリーズ化を目論んでいる、と書かれていたが・・・目論まんでええわ!!


 
 ファンの期待を大いに裏切った「スターシップ〜3」ではありましたが(=「2」も「遊星からの物体X」テイストの佳作ではあった)同じB級でも「スネーク・フライト」(’06)は通好みのパニック映画!タイトルからして馬鹿っぽいのがいいし、有名映画のリメイク作「ポセイドン」より遥かに面白いぞ^^

 
 ハワイで中国ギャングによる殺人事件を目撃したアメリカ青年が組織に命を狙われる事となり、裁判で証言する為にFBIエージェント(サミュエル・L・ジャクソン)とロス行きの航空便に搭乗する。ところが、それを察知したギャングは航空事故を装って青年を抹殺するために、大量の毒蛇を貨物に仕掛ける(笑:なんでやねん)。こうして機内に放たれた蛇たちは次々と旅行客を襲う!果たして彼らの運命は・・・!?

 
 このテの映画のパターンだと「如何にジャクソンが青年を守るか?」という銃撃戦満載の<アクション映画>になるのが普通なんだけど、それを<パニック映画>に無理矢理仕立てたところがまず偉い!それも飛行機内に蛇を送り込んで殺させるという発想(リアリティーは0)が「JAWS/ジョーズ」の大ヒットに端を発した<70年代動物パニックもの>をリアルタイムで接した筆者世代には嬉しい。「ピラニア」、「オルカ」、「グリズリー」、「アリゲーター」えとせとらえとせとら。・・・当時いっぱい観たなぁ(苦笑)。

 
 また<パニック映画>の基本として①個性的な乗客の数々②スケベなことしてるカップルや嫌な奴が必ず死ぬ③運転する者が死亡ないし大怪我をし、運転者がいなくなる・・・という様々な要素が重要だが、これらも忘れずに押えてある^^(例:トイレで小便してる男性が蛇にチ●ポ噛まれて死ぬ。観客の予想通りのナイスな展開)。
 監督は「デッドコースター」、「セルラー」のデイビィッド・エリス。スタントマン出身という事もあり、合間に挿入されるロス側のFBIによるアクション描写も上手い。タランティーノの親友にして映画オタクでも知られるサミュエル・L・ジャクソンが出演OKしたのも、そんな点にあるのではないか(ギャラが良かっただけだったりして:笑)。

 
 蛇が出てくる以外は全て予想通りの展開ですが、「スターシップ〜3」と異なりテンポよく展開する21世紀の大馬鹿パニック映画「スネーク・フライト」。連休中の暇つぶしにはもってこいの1本デス。