其の217:新たなる始まりか「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」

 「絶対に騙される」というコピーにつられてハル・ベリーブルース・ウィリス共演のサスペンス映画「パーフェクト・ストレンジャー」を観たのですが・・・途中で真犯人分かっちゃった(笑)。ネタバレになるから詳しくは書きませんがミステリーマニアや「映像文法」分かってる人なら簡単に推理できますよ(かなり強引なオチ。でも「フォーガットン」よりはマシか:笑)。飽きはしませんでしたが、筆者的には残念な出来でした。

 そんなクチ直しも兼ねて観たのが(笑)アニメ映画「エヴァンゲリヲン新劇業版:序」。パチンコ、パチスロファンにも御馴染み、12年前のヒット作品「新世紀エヴァンゲリオン」(「オ」と「ヲ」が異なる)の21世紀型リメイク!基本設定もキャラクターもまんま一緒!!それをハナから「4部作」で公開するというのだから・・・大胆かつ強気な企画といえるだろう(途中でコケたら「未完」になっちゃう)。勿論、筆者の興味はただ一点!「総監督・庵野秀明はいま改めて何を語るのか?」


 ストーリーも今回の「序」はオリジナルと同じ!大ヒット作ですので今更詳しくは書きませんが、主人公・碇シンジ(14歳)が嫌々ながら謎の人類の敵「使徒」を人造人間エヴァンゲリヲン(通称「エヴァ」)を操縦して倒していく。その基本路線を軸にいろんなところからの「引用」を加えつつ(ちなみに今作のサブタイトル「YOU ARE (NOT) ALONE」は「未知との遭遇」から)「人の心のあり方(=他者との交流その他)」が描かれるというわけ。映画はシンジくんが第三東京市(=箱根)に呼ばれて来る所から始まり、TVシリーズでいうところの「ヤシマ作戦」までが描かれる。なので、まだアスカも加持さんも今作には出てきません(苦笑)。


 オリジナルのTVシリーズ(全26話)に前の劇場版2本を観ている筆者の率直な感想は「画面のクオリティーが非常に高い!」ということ(話は知ってるから)。CGやデジタルを駆使して「新作パート」は勿論のこと、「旧作流用パート」も原画から全て書き起こしたそうで「旧作」と「新作」の違和感0!映画の「Zガンダム」とは大違いだ(笑)。現在のアニメ技術の頂点に立ったといっても過言ではないだろう。加えて戦闘シーンのもの凄さ!新たに描かれた「ヤシマ作戦」の迫力は一見の価値あり(絵コンテは庵野の盟友であり、映画「ローレライ」の監督でもある樋口真嗣が担当)。ただ綾波レイの「微笑み」は・・・オリジナルの方が可愛く見えたのは・・・筆者だけ??

 
 先程「設定もまんま一緒!」と書きましたが、細かい変更は多々あり。エヴァのカラーリングのほか、都市のデザイン(線が凄い細かい上によく動くこと動くこと!)、「ネルフ」や「ゼーレ」のマーク、リリスも一新されとります。庵野が新会社を設立してまで作ったのだから気合十分である(「スタジオジブリ」の鈴木敏夫に相談したそうだ)。おまけに今度のエヴァはガトリング砲まで装備してるんだぜ!これも「マカロニウエスタン」の影響か(んなわけないって:笑)。


 ちょっと展開が早いので「一見さん」には少々とっつきにくいかも知れませんが、以前の「シト新生」よりは遥かにマシ。またTVの様に早いカットつなぎのオープニングはありませんが(宇多田ヒカルの主題歌が流れるラストのスタッフロールはあり)CMないのに「アイキャッチ」は入る(笑)。そして最後には・・・TVシリーズでは終盤に登場するあの人気キャラが登場(書きたいけどネタバレになる)!!おまけに次回予告「劇場版:破」では新キャラ(!?)、新メカ(新エヴァシリーズ!!)が登場するようだ(喜)。次からは大幅に展開が旧作とは異なる予感。


今作はオリジナルをなぞっている分、ストーリー的に目新しさはないが次作以降はどうなるのか?庵野が言いたいことはまだ不明だが「期待半分、怖さ半分」で注目していきたいと思う。