其の214:久々のアニメ萌え「機動戦士ガンダム」の基本

 先程、TV朝日で声優特集やってたのを見て久々のアニメ萌え(笑)。いまのアニメはよく分からないけど・・・昔は歌謡曲同様、いいアニメがいっぱいあった^^「ハクション大魔王」(最終回はマジ感動)や「アルプスの少女ハイジ」、「銀河鉄道999」に「宇宙戦艦ヤマト」。あまりみんな知らないけど「無敵超人ザンボット3」は大傑作である・・・うおお〜っ、書いてるだけで萌えてきた(笑)。その「ザンボット3」の監督でもある(「海のトリトン」、「伝説巨神イデオン」もそう)富野喜幸(現:由悠季)の一大メジャー作といえば、言わずとしれたTVシリーズ「機動戦士ガンダム」である(劇場3部作あり。最終回は感動したなぁ)。また新しいシリーズが放送されるそうだが・・・どうも皆が忘れている「ガンダム」の基本をここで<おさらい>したい。

 

 完全にマンネリ化していた「ロボットアニメ」というジャンルを「ガンダム」が<変革>したのには幾つかの要素がある。
 ①:「戦うのは人間同士」。「宇宙戦士バルディオス」ほかロボットを所有する人間サイドの敵は地球侵略を狙う<宇宙人>が多かった。これを「地球に住む人々とスペースコロニーに移住した人々との独立戦争」とした点がまず新しかった。
 ②:「ロボット存在の必然性」。「鉄人28号」にしても「マジンガーZ」にしても、敵が「ヒト型ロボット(二足歩行)」ゆえ、主人公メカもヒト型なのだがーただ敵を倒すだけならヒト型である必要はない(笑:さらに言えばロボットでなくてもいい)。ところが「ガンダム」では「ミノフスキー粒子」という<レーダーが利かない状況>を作り出した。それゆえ「目視」出来る範囲での<接近戦>を行うためにロボット(=「ガンダム」ワールドでは「モビルスーツ」と呼ぶ)を使うのだ。こうして「鉄腕アトム」から始まった長い日本ロボットアニメの中で、ようやく戦闘用ロボットの必要性・必然性が生まれたのである。
 物語の中盤より環境(水中や宇宙)にあわせてヒト型ではない「モビルアーマー」が登場するが、これは先程書いたこと(=ヒト型である必要がない)が考慮された結果であろう。
 ③:「ロボットはあくまでも兵器扱い」。そもそもモビルスーツは<作業用に作られたヒト型ロボット>という設定。あくまで「道具(戦時下では「兵器」)」なのだ。故に同じタイプが「量産」されるのだがーこれも画期的な設定だった!練習すれば誰でも操縦出来るし、武器には「弾切れ」もあり(勿論、それまでのロボットアニメのように「光子力ビーム!」等と叫ばない)。途中でビームが出なくなる「マジンガーZ」や「コンバトラーV」は見たことがない(笑)。「ガンダム」が<リアルロボット路線のルーツ>と呼ばれるゆえんでもある^^
 勿論、すごくリアルに考えれば・・・高性能モビルスーツ(=ガンダム)を1台生産しただけで宇宙的規模の戦争にさほど影響を及ぼすとは思えないけどさ(苦笑:この辺の矛盾点はキャラクターデザインを担当した安彦良和氏が書いている漫画「機動戦士ガンダム ジ・オリジン」で解消されている)。


 上記のように様々な革新的設定を盛り込んで生まれた「ガンダム(元ネタは「宇宙の戦士」のパワード・スーツ)」ではあるのだが・・・続編「Zガンダム」以降(この映画化3部作は残念な出来だった)、モビルスーツが残念ながら「スーパーロボット」になってしまった(涙:リアルロボットの面影なし)。さらに続く「ガンダムZZ」は・・・筆者はもう完全にノレなくなった。勿論、富野監督が監督してないシリーズは全く観てない(やっぱりアムロとシャアが出ないと「ガンダム」ではない)。「新世紀エヴァンゲリオン」の監督・庵野秀明もスタッフに加わった映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」はアムロとシャアの戦いに終止符を打った作品としては評価するけど(モビルスーツはますますスーパーロボットだが)。


 TVシリーズを再編集+新作部分を交えて製作された映画の「Ⅰ」では、あのやしきたかじんが主題歌(作詞・作曲/谷村新司)を歌っていたのを覚えている人は・・・今では数少ないのでは(苦笑)。「Ⅱ 哀戦士篇」は編集技術が格段にアップ!ストーリー的にも一番面白いと思う。最後の「Ⅲ めぐりあい宇宙(そら)篇」は新作部分が大幅にアップ。映像的クオリティーは今みても高い。ところがこれまで発売されていた劇場版DVDは<新録音版>でモビルスーツの音が以前と異なるし(「Ⅲ」では主題歌の入るタイミングが違う!!)、声優陣の声質も・・・微妙に年を感じた(苦笑)。
 

 ところがようやく今年の年末、<旧音声版>のDVDが発売される(喜)!このファースト・オリジナルこそ必須アイテム(=安彦氏の漫画も映画版を元に構成)。いまや様々な芸能人が「ガンダム芸人」を名乗り、幅をきかせているが・・・ガンダムの革新部分と堕落した部分も交えて語って欲しいものだ。ただ誉めるだけじゃ真のファンじゃあないでしょう^^