2006年度・私的映画総括!

 ・・・という事で、2006年も終わりとなりました!最後に筆者が観た映画は「犬神家の一族」リメイク版。オリジナル版と比べると、ちょいとユルい出来(苦笑)。若い人向けには見やすい感じにはなりましたが、市川映画独特の映像のケレン味も薄め。個人的には残念な出来でした(ただ、石坂金田一を再び観られたのは良かった)。では、ここで今年度の映画の<ベスト10>選出&総括(以下、あくまで個人的な意見です。あしからず)!!

 
 ①、②「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」(要は<硫黄島2部作>)
 ③、④「デスノート 前編」「デスノート the Last name」(2部作1セット)
 ⑤「ヒストリー・オブ・バイオレンス
 ⑥「キング・コング」(ピーター・ジャクソン監督)
 ⑦「フラガール
 ⑧「ホテル・ルワンダ
 ⑨「敬愛なるベートーヴェン
 ⑩「ミュンヘン


 個人的にはイマイチだった「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッド監督でしたが、よく2本も映画を作ったものだ!素直に尊敬。
 「デスノート2部作」もあの傑作漫画の世界観を壊すことなく(それも前半の「L」編のみ)、先の読めない新たなストーリーを考え出した事は賞賛に値する。批評家筋の評判は悪かったが、彼らは果たして漫画を読んでいるのかね?
 「キング・コング」はその完璧な映像に、「フラガール」は松雪泰子蒼井優の頑張りに対して。「ホテル・ルワンダ」は映画によって<知られざる物語>を世界に示した。
「敬愛なるベートーヴェン」は「試写会」で観たのだが「第九」初演のシーンはあまりの素晴らしさについ涙してしまった程(但し、エド・ハリスはあまりマエストロには似てなかったが:笑)。
ミュンヘン」は・・・実は手放しでの十位ではない。最後にはどっちつかずの中途半端な視点で終わらせてしまったのが悔やまれる(=「ジュラシック・パーク」も資本主義の批判をする事なく、登場人物が逃げ出して終わる。その愚をまたも繰り返してしまった)。

 残念な事に今年は仕事が忙し過ぎて、観たい映画の大半を見逃してしまった!評価の高い「スーパーマン・リターンズ」も「グエムル」も未見!よって、上の<ベスト10>はあくまで狭い範囲で半ば無理矢理選んだ結果です。この他<ベスト>には入れませんでしたが「変異の洞窟」や「ブラック・ダリア」は共に<B級>だったけれど、筆者はかなり愉しんで観たクチです。
 「ワースト」とまでは言わないけどー残念な映画もかなりありました(2005年ほどではなかったけど)。大ヒット・リメイク作「日本沈没」はラストが酷いし(便乗作「日本以外全て沈没」はチープすぎ)、「THE 有頂天ホテル」は<グランド・ホテル形式>で狙いはわかるのだけど、登場人物出し過ぎて散漫になったのが惜しい!同じくコメディの「ピンクパンサー」(これもリメイク。本当に邦洋問わず、今年は多かったね)も悪くはないが、やはり筆者には「オリジナル」のピーター・セラーズのイメージが強すぎた(リメイクはスティーブ・マーティン)。
 最大の話題作となった「ダ・ヴィンチ・コード」は・・・原作がウンチク小説なので、やはり映画にするには不向きでしたな。ウンチクなくすとーああいう展開になるのは致し方なし。
 これまた大ヒット作「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト(よくディズニーランドのアトラクションからここまで話作ったなぁ)」は「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」と同じ意味合い(=「3」へのブリッジ。で、共に「1」は面白い)。慌てて観る必要を感じなかった。「3」観る前に「2」をレンタルすればよろし(笑)。
 「007/カジノ・ロワイヤル」は映画自体は良かったのですがー主人公に華がなさすぎ。頑張っているのは分かるけど、いまのところは<キャスティング・ミス>としか言いようがない。次回作の出演契約も終えているようなのでーこちらの目が慣れてくればよいのかもしれない。


 てなことで、年々映画を観る目が厳しくなっている筆者ではありますがー今年、見逃した作品が多かった分、来年は映画館に多く足を運ぼうと思っています。
2006年は21年ぶりに<洋高邦低>が逆転し、我が国にとってはいい1年となりました(もっとも日本映画界だけの話ですけど)。来年もいい映画・面白い映画が沢山公開される事を希望します!!

 さて、2007年<一発目>の紹介作品は何にしようかなぁ・・・。