其の343:「ニ●ーズ●ィーク」のベスト考察2

 今年は太宰治松本清張の「生誕100年」ということで映画公開が相次ぐようですが(=分かり易いから企画が通りやすかったんだろうね^^)・・・マツキヨ原作(byみうらじゅん)で秋公開の広末涼子主演作「ゼロの焦点」は大丈夫か?この「ゼロの焦点」はいまでは「2時間ドラマの原点」とも呼ばれる一作だが、これは舞台を現代とかに変えたら絶対にいけない1作。原作通り昭和30年代の「戦後」をひきずらないと犯人の犯行動機がなくなっちゃうから下手に脚色しないことを望みます(頼むよ、マジで)。

 下手な前置きはさておき、今回も「ニュ●ズ●ィーク日本版」に掲載された「アメリカ映画ベスト100」考察の第2回です。まずは60位台から(そういいつつ前回書いてない70位から始まるんだけど)!



 70位「時計じかけのオレンジ
 69位「トッツィー
 68位「許されざる者」(’92)→イーストウッドの方よ♪
 67位「バージニア・ウルフなんかこわくない
 66位「レイダース 失われたアーク<聖櫃>」ーいまでは頭に「インディ・ジョーンズ」の冠が
 65位「アフリカの女王
 64位「ネットワーク」
 63位「キャバレー」
 62位「アメリカン・グラフィティ
 61位「サリヴァンの旅
 60位「我輩はカモである」※キリがいいので60位まで書くことにしました^^



 我が心の師スタンリー・キューブリックの大傑作の1本「時計じかけのオレンジ」が70位・・・(絶句)!本当はもっと上位に入るべきだろうが・・・う〜む(アメリカ資本だけど、撮影はイギリス)。でダスティン・ホフマンが女装した「トッツィー」が69位って・・・ますます、このリストの基準が分からなくなってきた。アメリカ人はやっぱりコメディ好きっこと?
 「アメリカン・グラフィティ」もいい映画だけど・・・まぁ、60位台ぐらいが妥当かもしれない。ジョン・ヒューストンとかマルクス兄弟が忘れられずに入っている事は嬉しいね^^若い人はどちらも知らんだろうけど。



 59位「ナッシュビル
 58位「黄金狂時代」
 57位「ロッキー」
 56位「ジョーズ
 55位「北北西に進路を取れ
 54位「M★A★S★H」
 53位「ディア・ハンター
 52位「タクシードライバー
 51位「ウエスト・サイド物語
 50位「ロード・オブ・ザ・リング



 故・荻昌宏先生が自著で「100点満点」に選んでいたのがチャップリンのサイレント期の傑作「黄金狂時代」。これぐらいは若い人にも観て欲しいね!チャップリンの芸の巧さがよくわかる一作。
 そして誰もが真似して特訓した(笑)「ロッキー」に、スピルバーグ・ブランドを確立した「ジョーズ」がようやくこの位置に!「激突!」の不気味なトラックを鮫に置き換えた「ジョーズ」はいま観ても本当によく出来てると思う。
 ヒッチコックの集大成「北北西に進路を取れ」が55位とは・・・とほほ。「ディア・ハンター」(ここでの「ディア」は「親愛なる」じゃなくて「鹿」の方よ)は日本人にロシアン・ルーレットの恐怖を植えつけた1本。そういえば最近、マイケル・チミノは・・・なにしてるんだろ??
 今秋新作が公開されるマーティン・スコセッシだが、何故かランキングだと彼の最高傑作は必ず「レイジング・ブル」になるけど(=「デ・ニーロ・アプローチ」のおかげ?)筆者は断然「タクシードライバー」を推す!あの映画全体を覆う異様なムードはたまらん。
 「ウエスト・サイド物語」は人種差別とか社会問題をテーマに、ミュージカルをスタジオ撮影から開放した歴史的観点からは認めるけど、早い話が「タイタニック」同様「ロミオとジュリエット」パターン導入作(シェークスピアは偉大だわ)。で、何故か主人公より脇役の方が目立つという<珍作>でもある(笑:ホント)。



 49位「イントレランス
 48位「裏窓」
 47位「欲望という名の電車
 46位「或る夜の出来事
 45位「シェーン」
 44位「フィラデルフィア物語
 43位「真夜中のカーボーイ
 42位「俺たちに明日はない
 41位「キングコング」(’33)
 40位「サウンド・オブ・ミュージック


 業界で俯瞰撮影を行う際に使用するやぐらを「イントレ」と言うが、その語源はグリフィスの超大作「イントレランス」からきたもの。これ知らない業界人、何気に多し(つい先日にもそういう御仁と会った)!みんな、勉強が足らんね〜(嘆)。
 「ヒッチコキアン(=ヒッチコックの熱狂的ファンのこと)」である筆者にとって「裏窓」48位はやっぱり低い!カメラがパンしながら住民の生活の全てを映し出す絶妙な演出(→何回NG出たんやろ?)はもっと高く評価されてしかるべき!
 46位のオスカー作「或る夜の出来事」は<元祖ボーイ・ミーツ・ガールもの>!古〜い作品だから筆者のブログではわざと除外して書いてないけど、これは面白い映画です^^。西部劇「シェーン」は映画ファンを自認するなら絶対観てる基本中の基本。これ観てないとお話にならん。
 41位の「キングコング」は勿論オリジナル版!ジョン・ギラーミンのリメイク版は・・・最低だったなぁ。おまけにコングに心臓移植して(!)蘇生させるという強引な荒技による続編「キングコング2」はただひたすら呆れただけ。当然観るわけない(金と時間の無駄)!!


 ということで40位までご紹介してきました。これ読んでる人にも異論反論オブジェクションはあろうかと思いますが、決して筆者の私的ランキングじゃありませんので、くれぐれも誤解なきよう宜しくお願い致します^^



 <どうでもいい追記>先日「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ劇場版」を観賞。OVAとして発売されたシリーズに新作部分を足して再編集されたもの。勿論、TVの「ボトムズ」観てない人にはまるで分からない<一見さんお断り作>!このシリーズはAT(=アーマード・トゥルーパー)がCGで描かれているのが最大の売り!下手なアニメーターが書くとどうしようもないATだけど、CG版は重量感が出ていて(ちゃんと汚しもあり)良かったわん♪