其の133:「ミッション:インポッシブル」3作総括!

 「007」つながりで・・・今回は「ミッション:インポッシブル」シリーズを(笑)。ご存知のようにTVドラマ「スパイ大作戦」の映画的リメイクであります。トム・クルーズ制作&主演で既に3本作られておりますが毎回監督を変え、その度に作品の趣向が異なるという、ある意味<不思議>なシリーズ(笑)。そしてトムくんが毎度、極力「吹き替え」を使わずアクションに励む事でも有名です(笑)。


 記念すべきシリーズ第1作「ミッション:インポッシブル」(’96)の監督は「キャリー」、「ファントム・オブ・パラダイス」ほかで知られるブライアン・デ・パルマ御大。御大は既に「アンタッチャブル」でTVドラマの<映画化的リメイク>を経験済でありました。
CIAエージェントのリストをブラックマーケットへ流そうとする東欧の元諜報員を阻止するため、IMFメンバー(ジョン・ヴォイトジャン・レノエマニュエル・ベアールほか超豪華キャスト!)がプラハに集まって大作戦を展開するお話。
 御馴染みの「宙吊りアクション」のほか<スパイ・アクション>のお約束をふんだんに交えてデ・パルマ御大はサスペンスを盛り上げていきます。
 物語の中盤から、<事情>が変わっていきトム君に危機が訪れるのですが(詳しく書くとネタバレになる!)ちょっと展開がミエミエ。で、まんま<どんでん返し>もなく進行するので、ストーリー展開にもうひと工夫あれば良かったのが惜しまれます。まぁ、大ヒットしたから制作者側は良かったのだろうけど・・・。


 その4年後に制作されたのが「M:i−2」。監督はなんとジョン・ウー大先生(「男たちの挽歌」シリーズ、「フェイス/オフ」ほか)!!というわけで「1」よりも<アクション>を重視した内容に変貌。トムくんはロン毛になり、人間業とは思えぬアクション&カンフーを見せる(勿論、「二丁拳銃」あり:笑)。冒頭のロッククライミングから凄い!!
 今回の「指令」は悪人に奪われた「細菌兵器」の奪還。これに本家「007」並に女性が絡み、ストーリーが展開される(ウー先生曰く「今回はラブ・ストーリーなので依頼を引き受けた」そうな)。先生の演出するアクションの数々は見ていて飽きはこないがー前作よりやはり物語性が薄いのが残念!ある意味、トムくんの「プロモーション・ビデオ」と化している(笑)。


 そして6年の歳月を経て登場した第3作目が「M:i:Ⅲ」(毎回、タイトルの表記が変わる作品も珍しい:苦笑)。コピーに「シリーズ最高傑作!」とありますが、筆者も素直にそう思う!本来のチームプレイに戻った上、スピーディーな展開、場所が変わる度に手を変え品を変え繰り広げられる重量アクションの数々・・・!
監督が二転三転しましたがTVドラマ「エイリアス 2重スパイの女」で名を上げたJ・J・エイブラムズで良かったと思います(「エイリアス」にちょっと似てるけど:笑)。

 今回はトムくんがIMFを引退・教官となり、身を固めようとした矢先(「007」同様、相手は前作のおねーちゃんではない)、組織にひっぱり込まれて夫婦共々酷い目に遭う(笑)。敵に扮するのは「カポーティ」でアカデミーに輝いたフィリップ・シーモア・ホフマン!!それまで脇役でいい味出してた彼(=気弱系)がトムくんをボコ殴りする時代が来るとは思わなかった(笑)。
<最終バトル>の舞台は中国・上海なのですがー「汚い町並みを映画に使った!」と中国政府が激怒したそうですが、そんなこと言われても・・・ねぇ(笑)。


 筆者はトム・クルーズのファンでもあり、「スパイ映画」、「アクション映画」が大好きなので気軽に楽しめてハラハラ出来るこのシリーズをまだまだ続けてほしいものです。コバーンの「電撃フリント」シリーズより絶対面白いから(笑:でもホント)!!