其の124:じわじわじわ・・・「恐怖の報酬」

 筆者は「アクション映画」のほか、「サスペンス映画」も大好きなのだがー最近、あまり面白い映画がない(嘆)。そこで今回はちと古いのですが、サスペンスの傑作を紹介します。フランス映画「恐怖の報酬」!!勿論、イヴ・モンタン主演のオリジナルの方で御座います。「ジョーズ」のロイ・シャイダーによるリメイク作の方ではないのでご注意あれ!


 大メジャー作ですが、あら筋を少々ー。大規模な油田火災が発生したため、その消火に使用される<リトログリセリン>を積んだ男4人(=ガテン系)が2台のトラックで出発!だが、積荷が積荷なんでゆ〜っくりと車を進めるしかない。その途中には<腐りかけた木製の橋>や<断崖のカーブ>が待ち受けている・・・。


 物語の前半ー積荷となるニトロを1滴たらすと・・・石がボッカーン!!これを見せられたら、観客はもうたまらない!主人公たちがドジらないよう(=爆発)ハラハラしながら彼らの行く末を見守り続けることになる。これがホントの「手に汗握るサスペンス」!!


 監督は才人アンリ=ジョルジュ・クルーゾー。「クルーゾー」と言っても「ピンク・パンサー」に出てくる警部とは違うので、こちらもご注意(笑)。今作以外にも「悪魔のような女」というサスペンス映画を監督しております(これもリメイクされた)。
サスペンス描写は勿論のこと、中南米石油基地労働者たちの<どん底の生活描写>など、そのリアリズムが重厚な画面を作りだしております。で、しっかり「悪魔のような女」同様、女優の嫁さんも出演させる気の使いよう(苦笑)。


 主演はご存知イヴ・モンタン!これが初の本格主演作。「フランス人」だけにお洒落なイメージのある彼ですがー見事に<3K>のアウトロー労働者になりきり、男臭さをぷんぷんと匂わせてくれます(笑)。以降、歌手としてだけでなく俳優としてもいい味出していかれたのは、皆さんご承知の通り!


 2時間半を越える大作ですが、一旦トラックが動き出したら全くダレることなく映画は展開!「本当に面白い映画」はたとえ上映時間が長くても何の問題もないのだ!逆につまらないとー30分でも辛いのだけど(苦笑)。