其の476:スライ!シュワ!&「ザ・レイド」

 話題のアクション映画を2本観ました。共にロードショー中につき、ネタバレせぬよう寸評を書いていきマス^^


 まずは日本でも大ヒット中の「エクスペンダブルズ2」。夢のアクション巨編「エクスペンダブルズ」(’10)の続編にしてシルヴェスター・スタローン(「ロッキー」、「ランボー」)、ジェイソン・ステイサム(「トランスポーター」)、ジェット・リー(「少林寺」)、ドルフ・ラングレン(「レッド・スコルピオン」)のメンバーに加えてブルース・ウィリス(「ダイ・ハード」)、アーノルド・シュワルツェネッガー(「ターミネーター」)が再出演!さらにチャック・ノリス(「地獄のヒーロー」)、ジャン=クロード・ヴァン・ダム(「ユニバーサル・ソルジャー」)も登場する(狂喜乱舞)!!!


 バーニー・ロス(=言うまでもないスタさん)をリーダーとする傭兵部隊<エクスペンダブルズ>は、ネパールで誘拐された中国人富豪の救出作戦を成功させてアメリカに戻る。帰国すると、新人のビリー(=「ハンガー・ゲーム」のリアム・ヘムズワース)はバーニーに早期の脱退を申し込む。その直後、CIAの局員チャーチ(=ウィリス)が現れ、アルバニア山中に墜落した輸送機の積荷の回収を持ちかける。彼はバーニーらが前作ヴィレーナでの一件で個人的にも甚大な損害を被った為、その借りを返さないとメンバー全員を刑務所送りにすると脅迫する。チャーチの女性部下:マギー・チャン(=「スピード・レーサー」のユー・ナン)をメンバーに加えて一行は墜落現場へ。彼らが“積荷”を回収した時、同じく積荷を狙っていたヴィラン(=ヴァン・ダム)率いる武装集団が現れ、人質に取っていたビリーを殺害した上、積荷を奪って去って行った。バーニーはビリーの復讐を誓い、ヴィランたちを追うー!!


 いや〜、冒頭にも書いたけど・・・“アクションヒーロー、奇跡の大集合映画”第2弾の今作。一応、あらすじは書いたけど、もう娯楽映画の王道中の王道ストーリー!!この面子が観られるなら本当はストーリーなんて、なくたっていいぐらい(笑)。この喜びは80年代にリアルタイムで彼らのアクション映画を見続けていないと分からないだろうな〜^^

 今作はミッキー・ロークがお休み、ジェット・リーは早々にフェードアウトしてしまうものの、シュワちゃんとウィリス(シリーズ第5作「ダイ・ハード/ラスト・デイ」も観にいかないとな^^)が“本格参戦”!!スタさんと3人並んでマシンガン撃ちまくるシーンもあるんだぜ〜!筆者と同世代のジェイソン・ステイサムも現場で興奮したそうな^^

 で、もっと凄いのがかつてブルース・リーとも闘った漢(おとこ)、チャック・ノリス!!“一匹狼の傭兵”という事で基本、メンバーとは群れないんだけど、出てくる度に大勢の敵を一瞬にして皆殺し!で、何故か彼が出てくるたび「続・夕陽のガンマン」(♪エンニオ・モリコーネ)のテーマ曲が流れる(笑)。

 そして最凶極悪の敵役にジャン=クロード・ヴァン・ダム!前作で“スタのオファーを断った”と報じられたが(←本人に言わせるとスタさんとの行き違いがたまたま積み重った結果、との事)今回は晴れて出演。彼が悪役演るのって・・・「プレデター」1作目のスーツアクターやって以来ちゃうの(→どうやらこれも諸説あり、最終的なスーツアクターはやってない・・・らしい。これを除くと悪役は「シンデレラ・ボーイ」以来となる)??スタローンとは<初共演>ということで、彼とガチでタイマンはってくれます^^。言わずもがな、スタローンのパンチは勿論「ロッキー」風だった(笑)。

 今回、監督は「コン・エアー」、「トゥームレイダー」のサイモン・ウェストが担当。彼の資質か、スタさんの脚本通りなのか分からんが“ユーモア”が前作に比べて大幅増量!筆者は結構笑ったんだけど・・・他の観客は皆、真剣に観てたね(苦笑)。80年代の派手なアクションを見事に再現してくれていて・・・サイモンえらいっ(彼もアクション映画ファンだって)!

 欠点をあえて挙げるとしたら・・・ヒロインはもうちょっと可愛い子使って欲しかったな(ユー・ナンさんのファンの方ごめんね!あくまで私見で悪意はありません)。それにしても役名が“マギー・チャン”って・・・(苦笑:確かにジャッキー・チェン主演作でアクションもやってたけどさ)。どうせなら“ミシェル・ヨー”にして欲しかった(笑)。

 早くも「3」製作決定の本作。ニコラス・ケイジ(「ゴーストライダー」)の出演がほぼ決らしいが・・・“個人的な都合”で出演が叶わなかったウェズリー・スナイプス(「ブレイド」)やスティーヴン・セガール(「沈黙の戦艦」)、ジョン・トラボルタ(「フェイス/オフ」)やアントニオ・バンデラス(「デスペラード」)ほかアクションやってる人まだまだいるから、期待して次を待ちますか^^

 シュワちゃん10年ぶりの主演作「ラストスタンド」は’13年4月、日本公開予定。これも愉しみ!



 
 
 続いて2本目は「ザ・レイド」。このブログ初の<インドネシア映画>であります。こちらも続編製作決定&ハリウッドでリメイク決定と話題沸騰の“ノンストップ・ハイテンション・アクション”!このアクションは一見の価値あり^^


 インドネシアジャカルタ。まもなく父親になる新人警官にしてマーシャル・アーツの達人ラマ(=イコ・ウワイス)を含む20人のSWATチームが30階建ての古びた高層マンションへと向かう。ここは麻薬王タマ・リヤディが支配するギャングや殺し屋、ドラッグの売人たちの巣窟。そんな危険極まりない所にワヒュ警部補指揮の下、ジャカ巡査部長率いるチームが、タマ逮捕を目的に襲撃(=レイド)を実行する。見張りを倒して潜入に成功した一行だったが、途中、目撃した住民の“内部連絡”によって、タマの知るところとなる。彼の命令によって武装した住民たちが一斉に襲ってきたー!!住民たちの攻撃で隊員たちの多くが命を失いながらも、ラマたちは上階を目指して進むが・・・!?

 
 102分の上映時間で、冒頭、主人公のトレーニング風景&奥さんとのやりとり(10分ぐらい)を見せると、次のシーンでは移動する警察車両の中!で、すぐさま戦闘開始(→すぐ“本題”)・・・このアクション最重要視主義が心地よい^^。で、その後はひらすらバトル!!尺だけなら軽く「ブラックホーク・ダウン」を越えたね(笑)。

 初期は銃撃戦、中盤からは肉弾戦がメインを占める今作だが、そこで主人公や殺し屋が使うのが“プンチャック・シラット”。なんでもインドネシアを中心とするムラユ(カレー)文化圏発祥の“伝統武術(その歴史、1000年)”だそうで、非常に実践的。<全身凶器>って感じが筆者はしましたわ(余談だが主演のイコ・ウワイスは「マッハ」シリーズのトニー・ジャーに似てる!筆者は一瞬間違えた:笑)。現在では様々な流派&進化系もあり、一説には<世界最強の格闘術>とも・・・。世界にはいろんな格闘技があるんだね(筆者は詳しくないんで、興味のある方は自分で調べてネ♪)^^

 インドネシア映画でありながら監督ギャレス・エヴァンスは・・・イギリス人!なんでも大学院卒業後、地元英国で自主映画の制作をスタートさせたものの・・・いまいち作品は売れず。困っていたところ、妻の知り合いのインドネシア人プロデューサーからシラットのドキュメンタリー番組演出の依頼が。それを機に現地に渡ったところ、すっかりインドネシア文化にハマってしまい、その結果、イコ・ウワイスを起用して「ザ・タイガーキッド 旅立ちの拳」(’09)で長編監督デビューを果たす(今作は2本目の監督作)。人生とは・・・なにがどうなるか分からんものだ(笑)。“敵を倒しながら上に進む”という話だけ聞くと“元ネタ”はブルース・リーの「死亡遊戯」だと誰もが連想すると思うのだが・・・監督曰くヒントになったのはチョウ・ユンファ主演の「大陸英雄伝」だって(苦笑)。

 戦いのバリエーションに変化をつけているので観ていて飽きないし、筆者もその肉弾戦の凄まじさに「すげー!痛そー!」と時々笑ってたんだけど(言うまでもなく他の観客は無言で真剣に観てた^^)バトルありきゆえに登場キャラの人物造形はかなり浅い(ここではネタバレになるから詳しく書かないけど、いろいろ登場人物に思惑があったりするのよ。まぁ、それも皆、ありがちな設定ではあるのだが)。加えて<上階に進みながら戦う>割りには“スルー”する階も多々あり(苦笑)。「死亡遊戯」同様、各階にボスキャラを置いていたらもっと良かったと思う。・・・もっともそうやったら「死亡遊戯」もろパクリだが(笑)。

 敬愛する江戸木純先生によるとインドネシア映画は1970年代後半から80年代後半にかけては“娯楽映画大国”であったものの、日本に輸出された作品の多くはアメリカ映画や香港映画に“偽装”されていたそうだ。現在では一時期の低迷から脱し、新たなる黄金時代を迎えつつあるそうで・・・今作の続編のほか、今後世界的に注目されるインドネシア映画が続々と出てくる気がする。・・・日本のアクション映画、頑張ってくれい!!


 
 アクション映画ファンには非常に嬉しい状況の日本の秋でした。皆も映画館に行っておくんなまし^^