其の109:巨匠によるエロス倒錯大作2本!

 勝手に<倒錯シリーズ>の第2弾を(笑)。古くはベルトルッチの「ラストタンゴ・イン・パリ」(今見ると大したことない)や大島渚の「愛のコリーダ」(ヤルばっかでストーリーが進まない)等が物議を醸しましたがー他の<巨匠>も「倒錯エロス映画」を発表しております。
ロジェ・バディム監督のマルキ・ド・サドの映画化作品等は外してありますので、安心して読み進めてください。勿論、パゾリーニの「ソドムの市」も除外(笑)!

 
 まず「ヌーベルヴァーグ」のルイ・マル(「死刑台のエレベーター」、「鬼火」ほか)は後年「ダメージ」という映画を監督しています。主演はジュリエット・ビノシュ(「ショコラ」)とジェレミー・アイアンズ
 アイアンズが<息子の恋人>のビノシュと関係を結んでしまい、破滅を迎えるという、ある意味谷崎潤一郎のような世界(苦笑)。このふたりがアクロバティクなセックスを繰り広げる!
 家庭円満、社会的地位も名声もある男が<性愛>に絡みとられてゆく様子が丹念に描かれ、人間の<業と欲>の深さを感じさせてくれる一作です。それにしてもアイアンズはリメイクされた「ロリータ」のハンバート役といい、一時期<セックス絡みで破滅する役>が多かったなぁ(笑)。


 そしてポーランド出身、アメリカにはもう戻れないロマン・ポランスキー御大(「チャイナタウン」、「テス」、「戦場のピアニスト」ほか)。自分のワイフを起用して「赤い航路」というエロ性愛倒錯映画を作っております(「オリバー・ツイスト」を監督した人と同一人物だとはとても思えない・笑)。
 ヒュー・グラントクリスティン・スコット・トーマスほかメジャー俳優も出ておりますが・・・<内容>は、とても書けない(苦笑)。原作小説よりもかなりソフトには改変されておりますが、それでも衝撃的な内容に変わりなし(笑)。文芸作品よりも、こういう人間の性愛を描く作品を御大にはもっと作って欲しいと思います。その「素質」は・・・十分だしね(笑)。


 「映画」とはー愚かだが、愛しい<人間>を描くメディア。性愛や暗黒面を避けては通れません。口当たりのいい映画ばかりでなく、たまには見たくない・隠しておきたい部分を赤裸々に描いた作品をご覧になるのもいいのではないでしょうか。