其の97:平成ガメラ3部作!

 日本が世界に誇る映画ジャンルといえばーやはり「アニメ」と「怪獣映画」だろう。中でも「平成ガメラ3部作」はーガメラはご存知「ゴジラ」の<二番煎じ>でありながら、平成ゴジラのレベル低下もありーこの「平成版」で完全に両者の<立場>が逆転してしまった稀有な例といえるだろう。
新しい「スーパーマン」が以前公開されたシリーズの<正統な後継者>だとしたら、この3部作は新たな解釈を加えて成功した。ちなみに筆者はその昔、3作目で<群集(モブ)シーン>に出演している。怪獣を尻目に逃げる人々のひとりだ(笑)。映画では「京都駅」だが、実際の撮影は「東京駅」の裏で行われた事をここに暴露しておこう(笑:でもホント)。


 1作目「大怪獣空中決戦」は、以前公開されていたシリーズの人気者ギャオスが登場!「もし現代に怪獣が現れたら?」をテーマに、ガメラ誕生の秘密や戦闘理由を新たに設定した上でリアルな<仮想シュミレーション>を展開(これは押井作品の脚本家・伊藤和典の力だろう)!特撮の向上もあり、子供以上に大人を夢中にさせる異色作に仕上がった(笑)。

 で、最終作「邪神<イリス>覚醒」は1作目がコインの表なら、こちらは<裏>。1作目で両親を失い、ガメラを仇と憎む少女をメインに展開される。冒頭の渋谷を舞台にした大バトルから始まり、完璧な特撮、そしてヒッチコックの「鳥」を彷彿させるラストシーンが話題を呼んだ。
 「3作1セット」で考えると、第2作「レギオン襲来」はーある意味、<番外編>的な味わい。但し、正統派怪獣映画として見応えはある(自衛隊も撮影に協力)。


 監督は3作とも金子修介(新作「デスノート」が大ヒット)。この3部作での実績をかわれて、のちに念願の「ゴジラ」も1本手がけるが、ここにそのエッセンスとルーツが全てあると言っても過言ではない。ドラマ演出は泥くさいが(苦笑)。
「特撮監督」はー樋口某。近年、彼は監督に進出し「ローレライ」と「日本沈没」(リメイク)を手がけるがーヒットはしても評判は芳しくない(苦笑)。怪獣を演出できても<人間ドラマ>が描けないなら、もう1回「特撮監督」やって勉強し直すように!!


 つい、先日お子様向け(本当はこれが正しいのだが)の新作ガメラがスタッフ・キャストを一新して製作されたがー筆者が観ていないことは言うまでもない(笑)。