其の51:暴走系青春映画「バタアシ金魚」

 このブログでこれまでのラインナップから考えると青春映画「バタアシ金魚」が出てくるのは意外に思われるかもしれない。だが筆者は「オールジャンル」全て観る人なのだ!余り驚かないように(苦笑)。岩井俊二の「花とアリス」だって好きだ(注:「花と蛇」ではない)。ご存知、今作は望月峯太郎の同名漫画の実写映画化である(同じく彼の「ドラゴンヘッド」はー残念な出来だった。「デビルマン」よりは少しマシだが・笑)。

 プールで見かけた女の子(高岡早紀、好演!)に一目ぼれした主人公が同じ「水泳部」に入部!<オリンピック>を目指すと同時に彼女の<押しかけ彼氏>として暴走していく!

 青春時代特有の初恋、暴走(笑)、性、苦悩等々が面白おかしく、かつ水々しいタッチで描かれる。余りメジャーではないが「青春映画の佳作」と断言しよう!
 今作で筒井道隆がデビュー。初めて彼を観た時はー漫画から抜け出てきたのかと思った!主人公に余りにそっくりなのだ。やはり漫画原作とはいえ、極力似ている俳優を選んで出演させて欲しいものだ(かつ一発屋で終わらず、いまも生き残っているのが嬉しい)。アイドル・オタクは高岡早紀を要チェック!この時、彼女はまだ十代!初々しい水着姿も披露します(裸の方が観たい方は「忠臣蔵外伝・四谷怪談」の方をどうぞ)。この他、東幹久や浅野忠信(!)、漫画家・いしかわじゅんも出演しています。監督もこれで商業映画デビューを果たした松岡錠司(いま、何やってる???)。
 低予算ながら「地方都市」で生活する少年・少女たちの姿を<きれいごと>だけに終始せず描いた事にも好感が持てる(劇中、高校生なのにラブホテルに入る描写もあり)。どうも地方の方々は娯楽が少ないので初体験が早いとも言うし(すみません!以前、人から聞いた話です。他意はありません)。かつて漫画家・ジョージ秋山は「青春にセックスは切り離せないものだと思う」と発言し「ピンクのカーテン」を描いた。筆者も同意見である。