其の647:「君の名は。」とヤバい邦画寸評

 はや今年も残り僅かとなりました。今日なんか超寒っ!!

 ・・・今頃、昨年の大ヒットアニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)を鑑賞(遅:苦笑)。今更お話はあえて割愛しますが、ビジュアル(特に背景)の美しさ&リアルさには驚きました。これは新海作品テイストではあるのだが・・・流石、「日本製アニメ」!!
 お話も「転校生」にインスパイアされたであろう、男女の入れ替わり青春映画と思いきや・・・なんと中盤、ヒロインが●●●●という衝撃の展開が(驚)!!この年齢で観ると、ちょいちょいつっこみがなくはないし、最後は「もうああなるしかないやろ」ではあるんだけど・・・ど定番のラストで良かった良かった^^。
 「シン・ゴジラ」は鑑賞済だったので・・・これで安心して2018年が迎えられるわ(笑)。

 
 いまや漫画原作の実写化花盛り(特に胸キュン系&泣き系少女漫画)の日本映画ですが(70〜80年代でもここまでの本数はなかったと思うゾ)「稲中卓球部」で一世を風靡した古谷実原作「ヒメアノ〜ル」は「ヒミズ」を遥かに越えるヤバさ!連載当時から噂は聞いていたのだけど(でも筆者未読)・・・。ここまでエグい邦画は個人的には「凶悪」以来か。主役はV6の森田剛(初の映画単独主演)。監督は、これも漫画原作ながら大変良かった「銀の匙 Silver Spoon」の吉田恵輔^^。

 高校卒業後、上京。清掃会社に務める岡田進(=濱田岳)は、会社の先輩・安藤(=ムロツヨシ)の誘いであるカフェへ。そこには安藤が恋する阿部ユカ(=佐津川愛美)が働いていた。そこで岡田は高校の同級生だった森田正一(=森田剛)と再会する。半ば強引に安藤の恋をフォローする岡田だったが、ユカとの会話で森田が彼女のストーカーをしているらしい事、加えてユカが岡田に一目惚れしている事を知る。安藤には秘密でユカと交際を始める岡田。その事実を知った森田は逆上、高校時代の同級生・和草に連絡し、岡田殺しの協力を強制する。これまでさんざん森田に金を無心され、会社の金を横領していた和草は婚約者の久美子の提案を受け、森田殺害を決意。2人に襲いかかられたものの、なんとか返り討ちにした森田は死体にガソリンをかけ、自分のアパートを放火する。住む家を失った森田は街をさまよいながら、凶行を重ねていって・・・!!!

 最初は濱田くんとムロさんのゆる〜いコメディテイストなんだけど、35分も過ぎて森田剛がメインで出るようになると作風が一変!!人間のダークサイドを全面に出した激ヤバ映画になっていく。映画館を途中退席した人もちょいちょいいたそうだ。お客を選ぶ作品である事は間違いない。

 心臓の弱い方以外には実際に今作を観て欲しいので詳細は書きませんが・・・なんといっても森田剛が怖い&凄い(原作漫画とは似てないが)!!アイドルなのに、よくこんなハードな役を・・・よく受けたな〜(偉いっ)。彼が何故こんなサイコ・キラー・・・ある意味、モンスターになってしまったのかは徐々に明かされていくので、この辺りも見所のひとつ。あとムロツヨシの演技も(笑)。

 原作の改変が公開当時賛否両論あったようだけど・・・筆者的にはこの脚色で良かったと思う。この漫画自体を実写映画化しようとした意欲と勇気に拍手!!漫画原作映画数多くあれど、今作はぬるい日本映画に刺激を与える特に意義のある一作だったと思う。もうちょっと評判になって欲しかったな〜(残念)。