其の42:ヘビーなサイコ・サスペンス・・・「セブン」

 アカデミー作品賞受賞の「羊たちの沈黙」(このテのジャンルでは史上初の快挙!)を皮切りに一時期、山ほど制作された「サイコ・サスペンス」(筆者もかなり観ました)。中でもこの「セブン」は、その重厚さにおいてピカイチの出来です。今ではブラッド・ピットグウィネス・パルトロウケビン・スペイシー出世作としても知られています。


 雨が降り止まぬ「この街」に、キリスト教の「七つの大罪」に由来する連続猟奇殺人事件が発生!定年間近のベテラン刑事(モーガン・フリーマン)と気性の激しい新米刑事(ブラピ)がコンビを組んで捜査に乗り出すが・・・なんと後半、犯人が自ら自首してくる。一体、何故? ーようやく雨が止んだその時、<衝撃のラスト>が観客を襲う(ホント)!

 
 筆者のように「無宗教」だと、「七つの大罪」の重さがいまひとつピンとこないものの、キリスト教圏の人々にはこの映画の<モチーフ>が真に恐ろしいものである事は想像に難くない。ちなみに殺し方のディテールは、一連の「金田一耕介」映画を超えた(笑)。
 監督はデビッド・フィンチャー(「ファイト・クラブ」はまた後日紹介します)。前作「エイリアン3」の苦い経験を生かして(興味がある方は調べてください。メジャーな話ですから)自身のビジュアル・センスを今作で開花させました!ムードたっぷりの映像美が光ります(撮影は仏映画「デリカテッセン」担当のお方)。
 ブラピやフリーマン、スペイシーの演技合戦を楽しむも良し、凝りに凝った映像を堪能するも良し。オチがわかっても<繰り返し>に耐える作品だと思います。必見!!